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ソフトバンクグループ 黒字確保で株価上場へ

浅川です。

白坂先生に、今日の「なぜ」を解説していただきます。

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ソフトバンクグループ 黒字確保で株価上場へ

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ソフトバンクグループ 黒字確保で株価上昇へ

 

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■「黒字」はどのような意味があるのでしょうか?

 

まず、「ソフトバンク」とつく会社には、次の2つがあることを知っておきましょう。

 

・ソフトバンクグループ

・ソフトバンク株式会社

 

この違いはわかるでしょうか? 実は、次のような違いがあります。

 

・ソフトバンクグループ:親会社(持株会社)

・ソフトバンク株式会社:子会社(通信事業会社)

 

今回のニュースは、株を持っている親会社の「ソフトバンクグループ」の話です。次に、親会社と子会社では、【決算書の読み方】が全く違うことも知っておきましょう。普通、黒字と言えばどのようなイメージを持つでしょうか?

 

・「うまく行っている」?

・「利益が出ている」??

 

黒字や赤字を具体的に言えば、次のような状態です。

 

・【売上】-【経費】=【利益】

・利益がプラスになる=黒字

・利益がマイナスになる=赤字

 

ソフトバンク株式会社のような子会社であれば、黒字なら「利益がたくさん残ってプラスになった」、赤字なら「利益が出なくてマイナスだったのかな」とわかります。

 

でもソフトバンクグループは、そもそも実業をやっていない、ただ株だけを持っている会社です。つまり、今回のニュースは「黒字確保」というニュースですが、【あまり意味がないニュース】なのです。

 

 

■親会社の価値はどのように測れるのでしょうか?

 

実業をやっていない持株会社であるソフトバンクグループの本当の価値は、【ソフトバンクグループが持っている株の価値が上がったか、下がったかだけを見ればいい】と言えます。その見方に慣れる必要があります。

 

ニュースでは、実業をやっている会社の決算説明のように伝えるので、消費者・投資家は次のようなことに目を向けがちです。

 

・この企業は【黒字】だったのか?

・この企業は【赤字】だったのか??

 

この見方は、ソフトバンク株式会社という子会社であれば大事ですが、親会社にとっては「どうでも良い」話です。

 

では、親会社の決算はどのように考えれば良いのでしょうか? まず、ソフトバンクグループは2019年9月末の時点で、26兆円の株を持っていました。内訳は次のようになります。

 

・中国のアリババ社の株:12兆円

・ソフトバンク株式会社の株:12兆円

・アメリカのスプリント社の株:2兆円

 

これらを全部足して、26兆円となります。今回、決算説明会があった2020年2月時点では、31兆円の株を持っていると発表されました。つまり、昨年の26兆円から31兆円になり、5兆円増えたというニュースになります。

 

だから、実は普通の企業の決算処理よりも、すごくわかりやすいのです。ソフトバンクグループが持っている株の価値は、「上がっているのか下がっているのか」を見ればいいからです。

 

そうなると、【資産・負債・純資産】を見て、資産からその企業が持っている負債を引くと、その企業の本当の純資産が残ります。ソフトバンクグループの場合、2019年9月の時点では以下の形でした。

 

・資産:26兆円

・負債:6兆円

・純資産:26兆円-6兆円=20兆円

 

それが、2020年2月には、資産が31兆円になっため、次のように変化しました。

 

・資産:31兆円

・負債:6兆円

・純資産:31兆円-6兆円=25兆円

 

つまり、直近の半年で20兆円から25兆円に増えたというニュースです。5兆円増えたうちの4兆円は、中国のアリババ社の株の価値が上がったからです。残りの1兆円は、アメリカのスプリント社の株の価値が上がったからです。

 

■投資家の見方は?

 

ソフトバンクグループの株価が上がってきているのは、孫社長が示す決算書の読み方を、投資家も少しずつ慣れてきているからだと言えます。普通の企業の決算書からすると、この感覚を掴むのが難しく、次のようなことを考えがちです。

 

・「ソフトバンクグループの売上はいくら」?

・「経費はどのくらいかかった」??

・「どれくらい黒字だった」???

 

これらをすぐに知りたくなりますが、ソフトバンクグループという親会社自体は実業をやっていません。ですから、売上などを見る必要がありません。その見方に世界の投資家がやっと慣れてきたのだと言えます。

 

我々はやはり、会社といえば事業をやっているイメージがありますので、すぐにはこのような見方になれませんが、まずは次のことを見る必要があります。

 

・「この会社は事業をやっている会社か」?

・「この会社は事業をやっていない持ち株会社なのか」??

 

 

現時点で、でソフトバンクグループの時価総額は11兆円。日本の時価総額の1位はトヨタ、2位はソフトバンクですが、孫社長からすると、ソフトバンクグループは「31兆円-6兆円=25兆円」という価値があるのに、投資家の評価が11兆円であるのはおかしい、となります。

 

この資産価値からすると、当然、株価は上がるのではないかというのが、孫社長の考え方です。そして、実際の投資家も孫社長の考え方に少しずつ近づいているというニュースだと解釈することができます。

 

ソフトバンクグループといえば、アリババという株を持っていることが大きく、アリババ株の価値が上がり続けると、ソフトバンクグループの資産価値はどんどん増えていきます。今後どうなるかわかりませんが、決算の見方ができるようになると、「ソフトバンクグループは25兆円の純資産価値があるので、限りなくそこに近づいても自然だろう」という読み方ができます。

 

 

■今日のまとめ・・・・・・・・・

 

ソフトバンクグループは、実業をやっていない持株会社です。持株会社の価値は、その会社が持っている株の価値が上がったか、下がったかを見ることでわかります。ソフトバンクグループは、現在、25兆円の純資産があります。今後、その価値に近づくこともありうると判断することができます。

 

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貴重な時間にて文章をお読みくださり感謝しています。
ありがとうございます。
それでは、また。

 

浅川淑子(あさかわよしこ)

 

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