「訪日観光客はどこまで伸びるのか?」
浅川です。
白坂先生に、今日の「なぜ」を解説していただきます。
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訪日観光客はどこまで伸びるのか?
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今日のテーマは、LINEのお友達、つかもとあきふみさんからのリクエストです。つかもとさん、ありがとうございます!!
■どのように未来を予測できるでしょうか?
今回のテーマの結論は、「わかりません」。
投資家は、よく「未来の予測をしている人」だと誤解されますが、違います。「未来は誰にもわからない」のです。証券会社やアナリストはよく、次のように予測することがあります。
・「2021年は経済がこうなります」
・「世界経済はこうなります」
・「日本経済はこうなります」
・「円高になります」
・「円安になります」
・「株価は上がります」
・「株価は下がります」
これらは全て、当たったことがありません。なぜなら、世界は誰にもわからないことだから。投資家は、未来を予測できる人ではありません。【現実をよく知っている人】だと言えます。今起きていることにはすごく詳しい。でも、「未来に起きることはわからない」という前提でいます。国が違えばやっていることも違います。次のようなことには詳しいのです。
・日本ではまだやっていないけれど、アメリカで「今」何が行われているか
・ヨーロッパではまだやっていないけれど、「既に」こうなっている
このように、今のことには詳しいのです。でも、今回の質問「訪日観光客がどこまで伸びるのですか?」に関して、他の国の例は参考になりません。単純に日本の未来のことについて聞かれているので、「未来のことはわかりません」という答えしかありません。ただし、次のような形なら、言うことができます。
・日本はまだやっていない
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・アメリカでは既にやっている
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・日本でも将来やる可能性がある
しかし今回のご質問は、どこの国と比較するかではなく、単純に未来を聞かれているだけなので「わからない」という結論になります。
■過去にはなぜ伸びたのでしょうか?
逆に言えば、過去から現在を見て、「なぜ伸びたのか」は説明できます。なぜ訪日観光客が伸びたのかといえば、それは【アベノミクス】です。次のようなことが起きました。
・2012年12月末:第二次安倍内閣が成立
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・安倍政権が「アベノミクス」に着手
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・日本銀行が規制緩和をした=日本の円を大量に供給した
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・訪日観光客が7年間で3,000万人まで増加
「アベノミクス」により、訪日観光客が700万人、800 万人だったのがぐっと伸びて、たった7年間で3,000万人にまで増えました。これにより、動いているお金が100兆円程度だったのが、一気に400兆円にまで増えました。日本銀行が、他の銀行に対して、それまでの4倍のお金を出したのです。それにより、【「円」の価値が下がった】ということが起きました。
・日本の円の価値が下がる=円安になる
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・外国人から「円が安くなった」と思われる
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・「日本に行きたい」と思う東南アジアの人たちから、「日本は安い国・行ける国」だと思われる
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・東南アジアからの旅行者が増える
このように、「いつか日本に行ってみたい。でも、高いから行けない」と思っていた東南アジアの人たちにとって、「安いから行ける国」だと思われるようになりました。そのために、訪日観光客が増えたと説明できます。
■これからの訪日観光客はどうなるでしょうか?
これからどうなるかは、誰にもわかりません。
・「将来、円高になる」?
・「将来、円安になる」??
それは、聞かれてもわからないこと。だから、「わかりません」という結論になります。それでも、【経済と密接に絡んでいる】ことには間違いありません。
アベノミクスの前までは、日本は韓国人に人気がありました。でも、今、日本に来る観光客はどのような人たちでしょうか?
・中国
・インド
・東南アジア(タイ・マレーシアなど)
・フィリピン
こうした国の人たちが、どんどん来てくれるようになっています。これらの国がさらに経済発展をすれば、訪日観光客がこれから増える可能性は十分にあります。
ただし断言はできませんし、3,000万人から4,000万人、5,000万人と増えるかはわかりません。どの程度伸びるか具体的にはわかりませんが、東南アジアはこれから伸びていく地域です。年6%の経済成長をし続けているので、日本が彼らにとって「安い」と感じられているうちは、日本は彼らにとっての「行きやすい国」であるでしょう。
■今日のまとめ・・・・・・・・・
訪日観光客がこれから増えるかどうかは「わかリません」。投資家は未来を予測する人ではないからです。ただし過去に訪日観光客が増えたのは、アベノミクスの政策で日本が円安になったことがきっかけだと言えます。「日本に行きたい」と思っていた東南アジアの人たちにとって、日本が「安い国」と感じられるうちは、観光客は増える可能性があると言えます。
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貴重な時間にて文章をお読みくださり感謝しています。
ありがとうございます。
それでは、また。
浅川淑子(あさかわよしこ)
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