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マクドナルド 営業利益が過去最高へ

浅川です。

白坂先生に、今日の「なぜ」を解説していただきます。

マクドナルド 営業利益が過去最高へ

 

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マクドナルド 営業利益が過去最高へ

 

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> 日本マクドナルドホールディングスは13日、2020年12月期の連結営業利益が前期比4%増の290億円になりそうだと発表した。11年12月期以来、9年ぶりの営業最高益を見込む。(2020年2月13日『日本経済新聞』より一部引用)

 

 

■マクドナルドはなぜ良い業績に?

 

今回、マクドナルドは9年ぶりの最高益となりました。実は今から約6年前の2014年、マクドナルドは「期限切れの鶏肉」を使っていたことが問題になり、2014年、2015年と赤字決算でした。それから5年経ち、今は最高益となったというニュースです。

 

ではなぜ、最高益を記録したのでしょうか?

 

・「消費者が風評被害を忘れたから」?

・「消費者が正当な判断をし始めたから」??

・「安心なものが食べられるとわかったから」???

 

そもそも、消費者が飲食店に求めるものは、次のようなことです。

 

・早い

・安い

・美味しい

 

フランス料理のフルコースや懐石料理はともかく、日常的には、これらの要素が「飲食の基本」であり、重要な要素です。マクドナルドは、これらの要素を満たしています。早く、安く、1食500〜1000円で食べられ、美味しいと感じる人は一定数います。それが、消費者に受け入れられたのだと言えます。

 

 

■マクドナルドが最高益を出した本当の理由は?

 

今回は、もう一つ見方を変えてみましょう。マクドナルドは、ほとんどの店がフランチャイズで経営しています。直営店もありますが、大多数がフランチャイズです。フランチャイズとは、次のような仕組みです。

 

・本部:看板やブランドイメージを作り、仕組みをマニュアル化する

<マクドナルドの場合、本部がマニュアル化するもの>

・マーク(黄色のゴールデンアーチ)

・ハンバーガーの作り方

・ポテトの作り方

・接客など

・本部:お店をやりたい人(オーナー)を募集する

・オーナー:お金を出し、お店を経営する

 

このような仕組みのフランチャイズビジネスは、日本で唯一右肩上がりのビジネスです。振り返れば、日本は1986年からの30年間、いろいろありました。

 

・バブルが崩壊

・リーマンショック

・東日本大震災

 

このようなことがあってもフランチャイズビジネスはこの30年間、毎年右肩上がりで成長しています。つまり、マクドナルドが業績が良いのは、「早い・安い・美味しい」という特徴に加えて、【フランチャイズだから】というのがもう一つの理由です。

 

外食産業の市場は、ここ10年間で3割小さくなりました。消費者は外でご飯を食べなくなり、コンビニで買って帰るなど、家で食べる機会が増えています。それににもかかわらず マクドナルドは最高益であるのは、フランチャイズだからという理由が大きくあります。

 

フランチャイズは誰でも、素人であってもできるお店の仕組みが完璧に作られています。たとえば、高卒の人でもアルバイトができます。外国から日本にやってくる人でも仕事ができます。それぐらい、仕組みやマニュアルが管理されています。そういうフランチャイズは、ある一定の品質の商品やサービスが完成されているのです。

 

 

■フランチャイズの優れている点は?

 

ところで、日本で一番多い会社は、フランチャイズではなく、個人事業主です。日本の企業350万社のうち、ほとんどが個人事業主です。

 

その経営者がやっているお店に、たとえばラーメン屋さんがあります。仕組み化されておらず、マニュアルが揃っていないため、お店に立つ人のモチベーションは、経営により左右されてしまいます。すごくお店がうまく行ってる時はオーナーや店長さんが元気で、料理も美味しい。でも、人間なので感情の上下がある中、マニュアルがないと、お店の品質やサービスにばらつきが出てしまいます。

 

意外なことに、お客さんは常に最高品質を求めているわけではありません。男性なら髪を切りに床屋さんに、女性なら美容室に行きますが、そこで求めているのは、期待した通りの一定の品質やサービスです。もし毎回違うサービスを提供しているお店だと、お客さんは安心できず、そこには行かなくなります。たとえば、次のような床屋さんだとどう思うでしょうか?

 

・今回はマッサージをしてくれる

・今回は飴をくれる

・今回はシャンプーを無料にしてくれる

 

このように毎回違うサービスだと、それに対して不満を感じてお客さんはそのお店には行かなくなってしまいます。お客さんからすれば、最高品質を求めたい時はあっても、日常ではいつもそうではありません。飲食なら一定のサービスで、毎回「これぐらいの美味しさ」「これぐらいの早さ」を出してくれることを求めています。

 

もし、普通の個人事業主が「今日は頑張るぞ」という形で気持ちの良い接客ができても、モチベーションが変わり、品質やサービスにばらつきがあると、事業は伸び悩みます。

 

でも、フランチャイズのマクドナルドに行けば、どこに行っても期待通りのものが出てきます。このように、長期的に複利で伸びていく企業には、実はフランチャイズが向いています。

 

今回、マクドナルドが最高益を出したのは、フランチャイズビジネスであることが大きく影響しています。フランチャイズの市場規模は次のように成長しています。

 

・1986年:5兆円

・2016年:25兆円

 

このように、30年間で5倍伸びています。途中でバブルが崩壊し、リーマンショックがあり、東日本大震災もあっても伸びています。一つの会社の株を見るときには、フランチャイズのネガティブな部分ではなく、市場規模などポジティブに見ることも覚えておいていただきたい、と思っています。

 

さて、フランチャイズと言えば、コンビニ業界が有名です。実際、フランチャイズの売上25兆円のうち、10兆円はコンビニです。2019年は、セブンイレブン、ローソン、ファミリーマートと、コンビニ業界にとってネガティブなニュースがたくさん出ましたが、フランチャイズの中でコンビニというのは特殊です。なぜかと言えば、次のような上下関係があるからです。

 

・本部:強い

・オーナー:弱い

 

他のフランチャイズビジネスは上下関係はなく、対等です。今回のマクドナルドのような外食のフランチャイズも、オーナーがオーナー会を作り、オーナー同士で「うちの店はこのようにやってよかった」という情報共有をしています。

 

ですから、フランチャイズがネガティブということにはなりません。フランチャイズは、基本的にポジティブな側面があります。ここ30年間、右肩上がりで、25兆円の産業というのはあまり例がありません。それが、マクドナルドの業績にも大きく貢献したと解釈できます。

 

 

■今日のまとめ・・・・・・・・・

 

マクドナルドは5年前に鶏肉の風評被害があり、ブランドイメージが大きく低下しました。それでも、飲食の基本である「早い・安い・美味しい」を徹底し、最高益を記録しました。さらに、右肩上がりの成長を続けるフランチャイズビジネスであることも、マクドナルドが最高益を記録した理由だと言えます。

 

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貴重な時間にて文章をお読みくださり感謝しています。
ありがとうございます。
それでは、また。

 

浅川淑子(あさかわよしこ)

 

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