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「パン」ブームなのに「パン屋」の倒産過去最多

浅川です。

白坂先生に、今日の「なぜ」を解説していただきます。

 

「パン」ブームなのに「パン屋」の倒産過去最多

 

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「パン」ブームなのに「パン屋」の倒産過去最多

 

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> 帝国データバンクは、「パン製造小売」を主業としている事業者の2010年~2019年の倒産(負債1000万円以上の法的整理)について分析した。(中略)2019年の倒産件数は31件。前年比2.1倍となり過去最多を更新した。(2020年2月13日付『帝国データバンクHP』より一部引用)

 

 

■なぜパン屋の倒産が増えたのでしょうか?

 

今、高級食パンの店に行列ができたりと、明らかにパンブームです。日本人の主食は「コメ」ですが、消費者の支出額の「パン」が「コメ」を超えています。消費量はともかく、金額としては「パンが主食」と言っても過言ではない状況です。

 

では、パンブームにも関わらず、なぜパン屋の倒産が過去最高なのでしょうか?

 

日本にある中小企業350万社のうちの100万社が、これから廃業して倒産すると言われていますが、「パン屋も例外ではない」と言えます。パン屋さんを30年、40年とやり続けてきた人たちが、体力的に厳しくなり、後継者がいない状態なのです。パンブームなので、提供できる人が多ければ、まだまだ伸びる可能性があり、売り上げも上がっていくかもしれません。でも、体力の限界で後継者不足になり、倒産するケースが過去最高になっている、という状況です。

 

 

■パン業界は今後、どのようになるでしょうか?

 

時代が逆行することはないため、この先「もう一回、コメ!」という形にはなりません。そうなると、究極的に考えられるのは次の2つしかありません。

 

1)最大手がどんどん売り上げを伸ばす

2)輸入物にどんどん頼る

 

 

まず、1について考えてみましょう。この先、中小企業や個人企業が廃業をし続けていくので、最大手の会社が圧倒的に売上を上げることが予想されます。パン業界の最大手は「山崎製パン」です。「山崎製パン」の売上は右肩上がりです。でも、利益率は低いと言えます。パンの利益率は1%あるかどうかなので、次のような形は考えにくいでしょう。

 

 

・「儲かった!」

・「再投資!」

・「さらに儲かった!」

・「さらに再投資、再投資・・・!」

 

 

とはいえ、日本人のパンの消費量は間違いなく増えていく可能性が高いとは言えます。「山崎製パン」が供給体制をさらに強化して、規模を拡大していけば、1つはそれで埋められるかもしれません。しかしもし埋められなければ、日本人は外国から輸入するパンを食べる量を増やしていく可能性もある、という事です。それが上の2の状況です。こちらに関しては、正直なところ、まだ見通しが立てられません。

 

「大廃業時代」そのものが、日本人が初めて体験する未来なので正確に予測はできませんが、1か2のどちらかになっていき、次のような2つのいずれかの流れになっていくと予想されます。

 

・高級食パンのように「味」や「品質」に徹底的にこだわるか?

・輸入物で徹底的に安いものを選ぶか??

 

 

コメに比べ、パンは輸入しやすいと言えます。コメの場合、日本政府が補助金でほとんどのコメ農家を徹底的に守っています。簡単に言えば、コメの輸入自由化をすれば、おそらく日本人は1/8の価格でコメを買えます。反対に、今は8割高い値が付けられているとも言えますが、農家を守るために価格が守られています。パンの場合、「日本のパン農家を守りましょう!」と言われることは考えにくいため、輸入をして比較的安く購入できるようになると予想されます。もし、「味が大丈夫」であれば、消費者からも受け入れやすいと考えられます。

 

 

■投資家として、パン業界をどのように見ているでしょうか?

 

パン業界は「山崎製パン」が最大手なので、まずはこの1社に注目していけばよいでしょう。売上は間違いなく右肩上がりです。今後さらに、次のことに見ていただくと、山崎製パンの見通しを判断できます。

 

・設備投資をしていくのか?

・人をもっとたくさん雇用するのか?

 

このように、生産能力を高めることにお金を使っていくかを見ていただき、その動きがあまり見られないのであれば、投資案件としては難しいと考えられます。ただし、消費者が外国からの輸入ものをたくさん消費すると、パン業界の会社で「日本国内には投資案件がない」という事になってくると思います。

 

 

■今日のまとめ・・・・・・・・・

 

後継者不足による廃業時代の到来とともに、パン屋も廃業することが増えています。消費者は今後、国内の高級パンか、外国からの輸入による安いパンかを選ぶことになるでしょう。パン業界の最大手は「山崎製パン」です。同社が生産能力を高めることにお金を使っていくかにより、今後の業績を予測できる可能性が出てきます。

 

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貴重な時間にて文章をお読みくださり感謝しています。
ありがとうございます。
それでは、また。

 

浅川淑子(あさかわよしこ)

 

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