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なぜニトリはアパレル事業に参入したのか?

浅川です。

白坂先生に、今日の「なぜ」を解説していただきます。

 

なぜニトリはアパレル事業に参入したのか?

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なぜニトリはアパレル事業に参入したのでしょうか?

 

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家具・インテリア業界の「ニトリホールディングス」がアパレル事業への本格参入を検討しています。関東地方に実験店を2店舗出店します。(Yahoo! ニュースより)

 

 

ニトリは、実は日本で一番優秀な企業です。32年間連続で、売り上げも営業利益も増え続けています。

 

事業にうまくいっている企業が、アパレル(衣料品産業)という全く異分野に挑戦を始めます。展開する雨品は、低価格な商品と高級ブランドとの間で、もっともニーズの高い中間価格帯の商品だと発表されています。

 

 

■なぜ増収増益の企業が異分野に挑戦するのか?

 

一般的に、企業が本業と違う分野に展開することは、経営を多角化するということです。

 

これは極めて成功確率が低いものです。これまでやってきた最も得意な本業に集中し、深掘りする方が、「ローリスク・ローリターン」で成功確率は高くなります。

 

ニトリであれば、本業の家具に集中する方がリスクが低いところ、アパレルに参入するという成功確率の低いことに挑戦しています。

 

 

アパレルの現状をみると、世界で「4強」と言われるアパレルの会社は、ZARA、H&M、ユニクロ、GAPを展開する会社ですが、この中でGAPは非常に苦戦しています。アメリカでも日本でも、どんどん閉店しています。

 

このように、参入したら必ずしも成功するわけではないアパレル業界にニトリが参入することは、極めてリスクが高いことです。

 

逆に言えば、成功する確率は低いですが、成功した場合はハイリターンを期待できます。

 

「ハイリスク・ハイリターン」の挑戦ができるのは、ニトリが32年間増収増益で、現金資金に余裕があるからです。会社の財務体質がよく、今までの利益を積んできたので、ハイリスクなことに挑戦できるのです。

 

 

■ハイリスクな挑戦だが展開は慎重

 

ニトリは、アパレル参入というハイリスクな挑戦をするにあたり、次のことから始めています。

 

1)実験店舗の2店舗をオープンする

2)「N+(Nプラス)」という別ブランドで展開する

 

これは、ニトリらしい慎重な姿勢だと言えます。

 

昔、ユニクロは2001年に初めての海外進出でイギリスに出店したとき、最初に9店舗をオープンさせました。でも、1年後には8店舗を閉店したという歴史があります。

 

この点、ニトリは最初に2店舗の実験店をオープンするという慎重な姿勢です。実験店の反応がよければ本格的に各地で展開するのだと予想されます。

 

また、「ニトリ」とは異なる「N+(Nプラス)」というブランドで展開することで、たとえ失敗しても、本業の「ニトリ」への影響を最小限に食い止められるようにしています。

 

 

■ニトリから学べる優良企業の姿勢

 

ニトリは、余裕ある資金を貯め込むのではなく、その余裕を利用して他の事業に参入しています。

 

ニトリに限らず、新規事業に参入したり新商品を出したりするなど、資金を貯め込まずに積極的に挑戦している企業はこれから伸びる確率が高いため、注目したいところです。

 

反対に、うまくいっているときに現金資金を貯め込み、古い商品を売り続ける企業は、安全ではありますが、5年、10年と伸び続ける可能性が少ないと言えます。

 

ニトリは、アパレル事業がうまくいけば、ハイリターンを得ることができます。仮に失敗したとしても、現時点では大きな損失にはなりませんので、経営の進め方としていいお手本になります。

 

 

今日のまとめ・・・・・・・・・

 

ニトリは、32年間の増収増益で得た余裕資金があり、アパレル事業に展開しました。ハイリスクな挑戦の中に慎重な姿勢があり、経営面でお手本にしたい企業です。

 

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貴重な時間にて文章をお読みくださり感謝しています。
ありがとうございます。
それでは、また。

 

浅川淑子(あさかわよしこ)

 

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