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【無印良品】70億円の申告漏れ

浅川です。

白坂先生に、今日の「なぜ」を解説していただきます。

【無印良品】70億円の申告漏れ

 

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【無印良品】70億円の申告漏れ

 

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> 「無印良品」を運営する良品計画が中国子会社との取引を巡って東京国税局の税務調査を受け、移転価格税制に基づいて約70億円の申告漏れを指摘されていたことが17日、同社や関係者の話で分かった。(2020年3月18日付『日本経済新聞』より一部引用)

 

 

■良品計画が国税から指摘を受けた内容は?

 

そもそも、「どういうことで申告漏れを指摘されたのか?」というところから整理していきます。まず「良品計画」は企業の名前です。良品計画という企業が、中国にある子会社を持っている、ということが前提です。

その子会社に対して、良品計画は「商標を使っていい」と言いました。商標は、簡単に言えば、「無印良品」という名前やロゴマークです。「無印良品」やロゴマークを使っていいと言い、その商標に対しての使用料を良品計画が受け取っていました。その受け取っていた使用料が「通常より安いのではないか?」と、国税局から指摘が入ったということです。

これに関して、良品計画にも言い分がありますが、相手が国税であるので「受け入れた」ということになります。国税の指摘と良品計画の対応をまとめると、次のようになります。

<国税の指摘>

・通常であれば、今までの使用料にプラスして70億円を受け取る方が良いのでは?

・本来、70億円プラスされるべき所得に対する追徴課税が必要

 

<良品計画の対応>

・(自分たちの言い分はあるが・・・)

・70億円プラスになった所得に対して、その30%の21億円の追徴課税を納税

 

このように、良品計画は国税の指摘を受けて、21兆円の追徴課税の納税を完了させたというニュースになっています。

 

 

■良品計画の株価は、コロナショックで急落

次に、良品計画の株価推移を見ていきます。今、コロナショックで日本全体の株価は全体的に下がっています。その影響度合いは企業によって全く違います。コロナショックによって、ほとんど影響を受けずに横ばいの企業もあれば、少し下がった程度の企業もあれば、かなり下がった企業もあれば、急落している企業もあります。良品計画に関して言えば、「完全に急落している状態」です。

 

具体的に株価を見ていきましょう。まず、「理論上の株価」は、企業の本業における実力によって算出する株価です。つまり、その企業が出している営業利益から算出されます。それに対して、今目の前で起きている、「実際の株価」があります。

 

コロナショックの前、良品計画の実際の株価は、理論上の株価に比べて1.4倍でした。つまり、理論よりも実際の株価が高い状態でした。それが今、コロナショックの現時点(2020年3月)で見ると、「半分」になっています。要するに、本業で出している営業利益から考えた時の今の株価が、半分の評価になっていると言えます。

 

ですから、かなりの急落です。他の企業に比べても、割合としてかなり急落しているというのが現時点の状態です。

 

コロナウイルスという全体的なネガティブなニュースに加え、70億円の申告漏れを指摘されたというのは、良品計画にとってネガティブなニュースが重なっていると言えます。

 

 

■投資家として何を学べるでしょうか?

 

ここで、私たち投資家としては、今回のネガティブなニュースは一旦置いて、やはり、長期的に見る必要があります。

 

まず、追徴課税を指摘されるということは、長期的な問題ではありません。毎年、常習的に税を払っていなかった、という構造的な問題ではなく、あくまでも使用料に対しての解釈が、良品計画と国税で違ったということなので、一時的な問題です。

また、コロナは台風と同じで一過性の問題です。ですので、良品計画という企業がこれから、もう5年、10年、20年で持続的に成長していくかを考えた時に、これら2つのネガティブなニュースは、投資の本当の判断材料にはあまりならないはずです。

投資の本当の判断材料が何かと言えば、やはり、「本業の実力が上がっていっているかどうか?」、それに尽きます。

良品計画が提供する商品の品質、サービス、ブランドの価値、、、そういったものが、良品計画の今後、5年、10年、20年の実力であり、将来の実績の予測になります。確かに今、株価はかなり急落していますが、「良品計画の本業の実力が下がっているのかどうか?」を冷静に見る必要があります。

・良品計画が提供している商品・サービスの品質が急に下がった?

・サービスの提供のレベルが下がったのか??

・ブランド価値やブランドイメージが下が???

つまり、これらを判断する必要があります。もし、これらに大きな影響が出てないのであれば、目の前の株価急落という情報に、全く反応する必要はないと言えます。

・あくまでも冷静な反応をする

・冷静な対応を取っていく

これが、本当の5年、10年、20年で自分たちの資産を複利的に増やしていく、今後の投資家の物の見方であろうと考えています。

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貴重な時間にて文章をお読みくださり感謝しています。
ありがとうございます。
それでは、また。

 

浅川淑子(あさかわよしこ)

 

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