コロナウイルス 日本経済へのリスクは?
浅川です。
白坂先生に、今日の「なぜ」を解説していただきます。
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コロナウイルス 日本経済へのリスクは?
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■新型肺炎コロナウイルスに対する一般的な印象は?
今、新型肺炎コロナウイルスが大騒ぎになっていますが、どのような印象を受けるでしょうか?
・「世間がパニックを受けている印象」?
・「終わりが見えないのでとても不安」??
・「国レベルの対策をしたりと、大事になっている」???
人は、危機感の本当の重要性に、不安や恐怖を感じるわけではありません。たとえば「100の危険があるから、100危険を感じる」というわけではありません。1しか危険ではなかったしても、「100怖い」と思ったりするのです。
逆に「本当は100恐れないといけない」ときに、「1しか怖いと思わない」ということもあります。人はすごく不合理なのです。本当に「痛みの100をそのまま100」と感じたり、「1をそのまま1」と感じるわけではなく、次のように感じてしまいがちです。
・1の痛みを100と感じる
・100の痛みを1しか感じない
リスクがあると、「危険」だと感じますが、経済学的にはリスクは「不確実性。よくわからないとリスクが大きい」と捉えられます。
・先がわからないこと(不確実):リスクが大きい
・先がわかっていること(確実):リスクが小さい
↓
・新型肺炎コロナウイルス:先がわからない
↓
・不確実性が大きく、怖がる
このように、この先どうなるかわからないから、怖いのです。
■なぜ、ここまで大騒ぎになっているのでしょうか?
毎年、インフルエンザが流行し、毎年予防接種があります。インフルエンザでは、年間どれぐらいの人が感染するか知っていますか? 答えは「1,000万人」です。次の数字を見てみてください。
・インフルエンザに感染する人:年間1,000万人
・インフルエンザに感染して亡くなる人:毎年2,000人
・インフルエンザに感染し、体が弱り、亡くなる人:年間10,000人
・新型肺炎コロナウイルスに感染して亡くなった人:5人
このように、インフルエンザと新型肺炎コロナウイルスの影響を考えた時、どちらを恐れなくてはいけないでしょうか?「インフルエンザ」ではないでしょうか? これが、【事実で物事を見る】ということです。
2019年「ファクトフルネス」という本が大ベストセラーになりましたが、その本は、「事実で物を見ましょう」ということを促した本でした。まさに、今回の事実こそ「ファクトフルネス」で見なくてはいけません。
新型肺炎コロナウィルスに対して、「小中高は3月2日かから全校休みにした方がいい」と内閣総理大臣が発表し、「もしかしたら、夏のオリンピックを延期にする方が良い」と言われています。でもよっぽど、例年のインフルエンザも今回のように恐れないと、本当はおかしいはずです。日本人の1,000万人が感染して、毎年、直接・間接合わせて1万人亡くなっているのですから、そちらの方がはるかに重要です。
でも、ニュースの報道の仕方が全く違うのは、ニュースは「重要だから取り上げる」わけではなくて、「珍しいから」取り上げているためです。
インフルエンザは毎年恒例のできごとなので珍しくありません。だからコロナウイウイルスほど報道していません。せいぜい「インフルエンザの季節がやってきました」という程度です。
でも、今度の新型肺炎はそういうニュースではありませんし、治療薬がはっきりと確定していないこともあります。インフルエンザであれば、「インフルエンザになったんですね。こういう治療をすればいいですね」とはっきりわかっていますが、新型肺炎の場合には、治療法が確定していません。だから、不確実であるために、みんなが怖いと感じるのです。
・「本当に1,000万人の人が感染するのか」?
・「本当に1万人の人が亡くなるのか」??
これらがわからないから、みんなが怖いのです。それが、今のこの大騒ぎの原因です。
■この先どのような経済への影響が考えられるでしょうか?
今、この内容を見てくださっている方には、【事実でものを見る力】を高めていただきたいと思います。
単に不確実ではなくて、「この先どうなるかわからない」というだけで「怖い」となると、まず投資には向いていません。投資は、リスクを「どれぐらいのリスクなのか」としっかりと見られる人でないと向いていません。
それであれば、一番恐れなくてはいけないのは新型肺炎コロナウイルスではなく、インフルエンザです。さらに言うのであれば、30代、40代の死因の1位である自殺です。
・自殺で亡くなる人:年間3万人
・自殺で亡くなる人:1日平均90人
↓
・アベノミクスで経済が良くなった
↓
・自殺で亡くなる人:1日平均70人
多いときの平均から比べると減ってはいますが、今も1日70人ぐらいの方が自分で自分の命を絶っています。新型肺炎コロナウイルスよりも、インフルエンザよりも、はるかに多い数字です。
では、この新型肺炎コロナウィルスで、日本経済、世界経済はどのようになっているでしょうか?
・世界同時株安になっている
・日本の株は全面安
・世界の株も全面安
そもそもこの騒ぎは中国から始まりました。中国の春節からニュースが大きくなりました。
・春節に新型肺炎コロナウイルスが大きく報道され始める
↓
・中国人が世界中に旅行できなくなる
↓
・観光業が活性化する時期に、中国人観光客が激減する
↓
・中国人が日本にも来なくなる
↓
・日本人も外出をしなくなる
↓
・日本国内のイベントがどんどん中止になる
↓
・経済がマイナスになる
このような流れで、人が移動しなくなり、お金の移動も減っています。ですから、経済にも明らかに負の影響があります。
一人一人の命が尊いのは言うまでもありませんので、今回、5名の方が亡くなったのは不幸なニュースであることは確かです。でも、30代、40代の方が毎日70人以上、自分の命を絶っているという現状を考えたときに、「これは本当に事実をありのままに見ているのか?」と考えなくてはいけません。
確かに、「不確実だから怖い」というのは本能としてはあります。そのために、病院の先生や専門家が「この新型肺炎コロナウィルスに対してはこういう対処法をする」というのを突き詰めなくてはいけないかもしれません。でも、一般の人は次のように冷静な判断をする必要があります。
・事実で物事を見る
↓
・それに対し、冷静に対応する
↓
・みんなで大騒ぎする必要があるか、判断する
経済というのは一番大きな影響力を与えています。みんなが経済的に厳しくなると、ものすごく負のスパイラルは起きやすいものです。今は完全に感情で、「ただ不安、ただ怖い」というのことで判断している状況です。
・どれだけのリスクがあるニュースなのか?
・どれだけ日本人に危険があるのか??
・どれだけ世界に対して危険があるのか???
これらを事実ベースで見られるようになることが必要です。
■今日のまとめ・・・・・・・・・
新型肺炎コロナウイルスは、不確実性が高いために「怖い」と感じる人が多くいます。闇雲に大騒ぎをするのではなく、「事実で物事を見る」力を身につけることが必要です。感情で判断する人が増えると、人の移動が減り、お金の移動も減ります。その結果、経済には大きく負の影響があるため、事実から物事を判断することが何よりも重要です。
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貴重な時間にて文章をお読みくださり感謝しています。
ありがとうございます。
それでは、また。
浅川淑子(あさかわよしこ)
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