幸楽苑、51店舗を閉店へ
白坂です、
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ラーメン店「幸楽苑」は、51店舗を閉店・業態転換すると発表しました。
(『Yahoo!ニュースより一部引用)
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最大の原因は、台風による水害による工場の創業停止が原因だと発表されています。
ただ、これは本質的な原因だとは思われません。なぜなら、
幸楽苑は以前から利益率が低すぎたから
上場来で利益率:0.5%程度でずっと推移していました。
2018年度に至っては赤字決算です。
今までずっと大きく黒字を積み上げて来ていたというのであれば、昨年2019年の水害は特別損失としても考えられます。しかし、そもそも台風被害前から、ほとんど利益は出ていなかったわけですから、これは一時的な問題ではなく構造的な問題です。
本来なら、毎年・毎年で利益を積み上げ続けていくのが経営の王道。そして、いざ台風による水害などが起きてしまった場合には、今までの利益剰余金で1年間を持ちこたえる。そして、復旧次第で従来の利益体質に戻すというのが筋です。
ところが、幸楽苑の発表では、
(1)台風による水害の影響で51店を閉店することになった
↓
(2)不採算店が減ることによって収益は向上する
↓
(3)逆に機会がある場所に関してはM&A(合併・買収)を含めて積極的に出店する
としています。
正直、
無謀
だと思います。
今後で積極的に出店攻勢をかけられるような財務体質になっていません。
・人件費の割合が大きい
・固定資産の割合(80%)が大きく・現金が少ない
・負債の割合(75%)が大きく・自己資本が少ない
1店舗・1店舗が極めて低収益の体質のため、多店舗を合計してもやっぱり低収益という典型です。
であるならば、今からやるべきことは、機会がある場所への積極的な攻勢ではなく、
ピカピカに高収益のモデル店を1店創ること
利益率0.5%は利益率があまりに低すぎます。
何か突発的なことが起きたらすぐに赤字に転落することは分かりきっています。
であればあ、51店を閉店した後にやることは、既存店の改革。最大の課題は人件費削減。
「もっと少ない人数で業務を回せないか?」
たとえば、
・メニュー数が多いのでメニュー数の見直し
・業務工程の見直し(券売機がない。店員さんを呼んでの注文。レジが今だに現金対応、、、)
・たとえば丸亀製麺のように、お客様にお盆を持って並んでいただくなどセルフサービスを導入できないか、、、など
飲食業はとにかく、「早く」「美味しく」「安い」に尽きます。
高級店ではないラーメン屋さんなどはサービスの向上による「投資 対 効果」が小さい業種です。
メニューと業務工程が多い中で、「人手不足だから人をもっと入れる必要がある」というのは、経営としては全く逆。
【業務を減らせるだけ減らして、最小人数でお店を運営できるようにするのが、まず先】
最小面積・最小人数だけど、お客様が列をなして並んでいる高収益の繁盛店をまず創る
↓
1店舗・1店舗の利益率を大幅に上げる
↓
儲かっているビジネスモデルが出来ているからこそ、広告費の投入やFC展開での規模拡大を図る
本質的な問題ではなく、「台風による水害のために51店を閉店」と発表している幸楽苑は、当面、かなり厳しいと思います。本当の投資家が見ているのは短期的な特別損失ではありません。違います。「本業が今までどれだけ儲かってきたのか?」という営業利益であり、当期純利益です。その企業は、
「これからも【持続的に成長】していくビジネスモデルなのか?」
です。
貴重な時間にて文章をお読みくださり感謝しています。
ありがとうございます。
それでは、また。
白坂慎太郎
追伸:
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