英語ができる日本人の可能性は?
浅川です。
白坂先生に、今日の「なぜ」を解説していただきます。
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英語ができる日本人の可能性は?
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今回はLINEでお友達になっている大西亜樹さんからのリクエストです。大西さん、リクエストくださり、ありがとうございます!
■英語ができる日本人の将来性は?
まず、大西さんのリクエストをご紹介します。
「白坂先生、いつもありがとうございます。
日本人にとって英語は今のところ娯楽の域だと思いますが、20年後、英語ができる日本人の可能性は、そうでない日本人の可能性と比べて、どのような点で違いがあるとお考えでしょうか? または、違いがないとお考えでしょうか?
可能でしたら白坂先生の投資家としての見解をお聞きしたいです」
大西さんは英会話教室を経営されていらっしゃる経営者さんで、英語業界に関しては私よりも100倍以上詳しい方です。今回のリクエストは「『投資家』の視点でどう見ているか」というリクエストなので、その視点で話を続けます。
■20年後を予測する前提条件は「人口」
リクエストでは「20年後どうなっている?」と聞かれているので、「人口」を確認してみます。そもそも、「20年前はどうだったか?」を考える必要があります。
・2000年(20年前):日本の人口=1億2700万人
↓
・2020年(現在);日本の人口=1億2600万人
20年間で100万人減少していますが、言ってみれば、20年間で1つの大都市がなくなったのと同じくらいの減少です。
では、お尋ねになっている「20年後はどうか?」を考えてみましょう。20年後は2040年です。その年を推定する場合、私たちが経済を見る時に、唯一当てになる統計資料は「人口」です。人口だけは、ある程度予想ができます。たとえば、仮に次のように考えてみましょう。
<例>
・今、0歳の赤ちゃん=100万人
↓
・10年後、10歳の子ども=100万人
海外から入ってくる人を別とすれば、今の年齢と人数から、10年後の人数を推計できます。1人単位で当てることはもちろんできませんが、ある程度のところまでは予測できます。
すでにお伝えしたように、過去20年間の日本人の人口は100万人減っています。20年後の人口は、推計で出ているのが1億1300万人です。つまり、今からマイナス1300万人という推計です。
これは、今の東京都民が全員いなくなるのと同じくらいの人数です。満員電車で通勤している人たちを含め、とにかく東京都民全員がこの先20年間でいなくなるほどの人口減が予想されています。なぜ急に加速しているかといえば、人口は増える時も減るときも、【複利】で増えたり減ったりするからです。
私たち団塊ジュニアの世代の時は人口が多かったといえます。人口の多い世代の子ども世代は人口が多くなることが期待できます。でも人口が少ない世代の子ども世代は、人口がさらに少なくなる可能性が高くなります。次のように考えられるからです。
<人口の多い世代の例>
・1学年に200万人の夫婦がいる
↓
・夫婦2人が2人の子どもを産む
↓
・200万人の子どもが産まれる
<人口の少ない世代の例>
・夫婦2人が平均1.5人の子どもを産む
↓
・150万人の子どもが産まれる
↓
・1学年に150万人になる
↓
・子どもたちはさらに減る?
このように、親世代より子どもたちは減っていきます。さらに今は、1学年が100万人になります。
・1学年に100万人の夫婦がいる
↓
・夫婦2人で2人を産む場合:子どもは100万人に?
・夫婦2人で1.5人を産む場合:子どもは75万人に??
このように、人口は増える時は一気に増えますが、減るときはガンと一気に減っていきます。これが前提条件となります。
■日本人にとって英語が「娯楽」だった理由
ではこの前提を踏まえ、「なぜ日本人にとって英語は娯楽だった」のでしょうか?
少なくともこの20年間は大西さん曰く、英語は「娯楽」でした。つまり、どうしても英語ができなければならないという切迫感がなかったのです。英語はできないよりはできた方が良い。でも、できないからと言って生活に困るわけではありませんでした。
・海外旅行に行ったときに英語が話せるといいな
・海外旅行者が来た時に道を尋ねられた時に答えられるといいな
・2時間の映画を字幕なしで見られたらいいな
はっきり言えば。99%の日本人にとって英語は、この程度の考えでした。なぜなら、日本が大国だから、英語ができなくても良かったからです。
大国の理由の一つ目は、【人口】です。1億2700万人は、世界の9位か10位です。世界200か国の中で、仮に10位としたときに、これは明らかに日本は人口が多い国だといえます。
次に、【経済】の面でも大国です。日本の国内総生産GDPは500兆円です。今、アベノミクスの影響があったので550兆円ともいえますが、国内総生産GDPが550兆円というのは世界第3位です。仮にこの550兆円として、国内総生産GDPの分解をしてみると、次のような式になります。
【国内総生産GDP】
=「一般家計の消費企業」
+「企業による投資」
+「国による政府支出」
+「海外に出した輸出」
-「輸出」
GDPが550兆円のとき、一般家計の消費企業は350兆円になりますので、次のようになります。
【国内総生産GDP】:550兆円
=「一般家計の消費企業」:350兆円
+「企業による投資」:100兆円
+「国による政府支出」:100兆円
+「海外に出した輸出」:100兆円
-「輸出」:100兆円
このように、日本は輸出がメインではなく、極めて内需の国です。だから、日本語だけで良いのです。簡単に言うと、日本国内だけで世界3位の550兆円の経済があるので、英語ができなくても生活に困ることはほとんどないのです。英語ができなくても食べたり生活ができたりできる、ものすごく豊かな国であり、大国なのです。だから、日本人にとって英語は趣味や娯楽でした。
・できないよりはできる方が良い
・喋れないよりは喋れる方が良い
・書けないよりは書ける方が良い
でも、実際英語ができても、海外旅行で英会話ができる程度のメリットしかありませんでしたし、切迫感もありませんでした。とにかく、英語ができなければ生活ができないわけではないので、娯楽だったのです。
■20年後は二極化に
今後20年は、これまでと同じ状況かといえば、違うと言えます。少なくとも英語が「できる」か、「できない」かで二極化していくことは間違いありません。
今、年収が下がっていく道があります。英語が「できない」公務員・サラリーマン・アルバイト・パート・主婦の方の平均年収は500万→400万→300万と下がり、「平均年収300万円時代」というベストセラーが出ました。やがて「ベーシックインカム」(最低生活保障)という流れになっていきます。
もう一方、年収が上がっていく道は、今回で言えば英語が「できる」人の取りうる道になります。500万→700万→1000万→1200万を目指していくことができる道だといえます。
この先20年間で1300万人、東京都民が全員減ってしまうような国は、はっきり言えば、550兆円のGDPを内需で維持することは100%不可能です。こんなに多くの人々が、生産者、消費者含めて減る状況で、「550兆円を内需で維持しました」ということはあり得ません。
そうなると、他の人が年収500万→400万→300万に下がり、最後には生活保護になる可能性が高い状況になっても、英語ができるだけで高年収の道が開けていくと言えます。
■英語ができる人のチャンスは、何倍にも!?
英語に力を入れている具体的な企業として、今回1社を紹介しましょう。
「楽天」は2010年に「社内公用語を英語へ」という発表をしました。要するに、企業の中では英語で話し、英語の書類を書き、英語の書類を読む、という事をやりました。2010年に始めたので、10年経ちますが、その10年で全社員の2割が外国人、になっています。
「楽天」という企業で働いている人の8人は日本人、2人は外国籍の人と言えます。 つまり、楽天は「グローバル化した」のです。
楽天という企業は、日本で生まれ育った企業ですが、次のようになりました。
・社内公用語を英語にした
↓
・外国人が入社しやすくなった
↓
・外国人と社内で英語でコミュニケーションをとれるようになった
↓
・楽天という日本企業が世界企業になることができた
このような流れの大きな要因は、「社内公用語を英語にした」ことです。これが大きな取り組みになりました。
実際、最初に始めた時、楽天の海外事業は軒並み赤字でした。何をやっても上手くいかず、海外事業は赤字続きでした。でも、今(*動画収録時)2020年現在、「単月で黒字」が出てきています。今まで海外に先行投資してきたものが黒字化し、海外事業で出していた赤字を黒字で回収していく回収モードに入っています。社内の言葉を変えたことで、日本企業から世界企業へジャンプすることができたのです。
これは企業単位ではなく、個人単位でも全く一緒です。日本人だからと言って、日本語だけを話し、日本人だけとコミュニケーションしていけば、これから20年間で人口が一気に減少していることは目に見えています。
これからどんどん市場が小さくなっていく中で、何とか昨年と同じくらいの結果を出すために、下りのエスカレーターを一生懸命乗ろうとするのでしょうか?それとも、世界の人口は76億人、77億人、78億人、80億人と、全世界的には100億人まで増え続けると人口推定では出ています。これからの課題は次のようになります。
・上りのエスカレーターに乗るのか?
・下りのエスカレーターに乗るのか?
今は、英語を公用語にしている人口は25億人います。1億人を相手にするのと、25億人を相手にするのかで言えば、機会チャンスで言えば、単純に25倍と言えます。もちろん、英語だけができればいいわけではありません。自営業者や経営者は、英語以外に知識スキルを身につけ、将棋で言えば「王様」のように以下のようなスキルがあることも必要です。
・集客・マーケティング
・セールス
・戦略立案
・財務・会計
・生産管理
これらの必要とされるスキルに加え、英語も大きな武器の一つなりえることは確かだと言えます。「英語さえできれば成功ができる」とは私も思っていません。でも、他のスキルがあり英語もできれば、明らかに変わります。今までであれば1億人を、しかも市場が小さくなっていく1億人を相手にしていた人が、人口が増えながら25倍の人を相手にすることができまる。これは明らかに「上りのエスカレーターに乗ることができる」と言えます。
つまり、今回のリクエストに対しての答えは、【英語ができる人の可能性は、できない人の25倍のチャンスがある】ということが、私なりの見解です。
今までだったら困りませんでした。なぜなら、人口減少のペースが緩やかだったので、20年かけて100万人減るということであれば、そんなに困ることはありませんでした。でも、これから複利で人口が減ると、日本人の危機感や切迫感が、ある時点でものすごく強まります。
そのままずるずると、下り坂の方へ行ってしまう人と、その前に気が付いて自分の長期の自己投資として、英語という一つの大きな武器を身に着けて成功を目指していき、上りのエスカレーター乗っていく人で、分かれていきます。
【英語ができない人に比べ、できる人の可能性は非常に大きなものがある】ということが、私なりの見解になります。
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貴重な時間にて文章をお読みくださり感謝しています。
ありがとうございます。
それでは、また。
浅川淑子(あさかわよしこ)
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