【トヨタとNTT】なぜ資本業務提携?
浅川です。
白坂先生に、今日の「なぜ」を解説していただきます。
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【トヨタとNTT】なぜ資本業務提携?
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トヨタ自動車とNTTは、資本・業務提携すると発表した。通信を活用した自動運転技術などを共同で開発する。(2020年3月24日付『日本経済新聞』より一部引用)
■なぜトヨタとNTTが提携?
今回は、トヨタとNTTが「スマートシティ構想」で資本業務提携、というニュースを解説します。
まず、関係から説明します。
<出資額>
・トヨタ:2000億円
・ NTT : 2000億円
<提供する技術>
・トヨタ:自動車に関連する技術
・ NTT : 通信に関連する技術
これらをそれぞれが提供し、共同事業を行うということです。
共同事業の目的①(短期的)
・人工知能(AI)による自動運転車の開発
共同事業の目的②(長期的)
・スマートシティ開発
スマートシティとは、日本語に直訳すると「スマート」は「賢い」、「シティ」は「街」。ですから「賢い街」となるわけです。
従来とこれからのスマートシティの違いは以下の通りです。
<従来>
・情報管理を各社が独自に行う
A社はA社でインターネットを活用して情報を管理、B社はB社でインターネットを活用し管理、C社はC社で・・・と、個別で管理。
その情報を基に、PDCAサイクル(Plan:仮説、Do:実行、Check:分析、Action:改善)を「個別」で行なっている。
<スマートシティ>
・業種別、会社別で個別管理していた情報を一か所で全体管理する
A社、B社、C社・・・が持っていた情報を、全体でPDCAサイクルを回す。
また、会社だけでなく業種、例えば製造・建設・卸、他にも農林水産業・情報通信などで、「大きなインターネット上で全部のデータを収集して分析できないか?」と考える。
例えば、一つの街の情報を個別に持つのではなく、全体で収集して分析・共有することで次のようなメリットがあります。
メリット
①無駄を発見しやすい
↓
②無駄を削減しやすい(最適化)
↓
③余裕が生まれる
↓
④より創造的な活動への投資が可能
↓
結果的には、街全体でクリエティブな活動が行いやすくなる
これらの長期的な構想を見据えた上で、トヨタとNTTは資金と技術を出し合って、共同事業を行うというニュースです。
とはいえ、まだ実験段階。構想を形にしはじめた段階だと思います。
なぜかというと、規模がまだ小さいからです。資金もそれぞれ2000億の出資で計4000億です。
比較することが大切なのですが、「グーグル」は1社でこれらの構想に「1兆円」を使っています。
「ソフトバンクビジョンファンド」は「10兆円」を投資し、AIや全体が繋がるIOT(Internet of Things)を含めた構想を考えています。
これらと比較すると、今回の構想は規模があまりにも小さいです。実際にこれを本格的に実現していくとなったら、桁が一桁違う、それぞれ2兆円を出資し、「4兆円」という規模の事業になります。
ですから、まずはトヨタにとってもNTTにとっても実験、テストという感じだと思います。
「こういう方向性に向かってちょっと一緒に協力してみませんか?」と声をかけている段階だと理解して良いと思います。
テストをしてみて「これはいける!」となれば、出資資金や投入する人材を増やして、どんどん規模を大きくしていく、そのテスト段階のスタートだと思っています。
このニュースから学ぶことは、「スマートシティ」という考え方です。
従来の街と、今から新しく未来に作られていく街はどのように違っていくのか?
今まで「個別」に管理していたものを「全体」で管理することによって、無駄の削減・余裕を作る・より創造的な活動に余った時間とお金を投資していくことを目指す「スマートシティ」に関する知識を増やすことができたら良いと思います。
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貴重な時間にて文章をお読みくださり感謝しています。
ありがとうございます。
それでは、また。
浅川淑子(あさかわよしこ)
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