コロナにアビガンが効く!?
浅川です。
白坂先生に、今日の「なぜ」を解説していただきます。
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コロナにアビガンが効く!?
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> 富士フイルムが大幅高となっている。一時、前週末比656円(11.4%)高の6420円まで買われ、2月25日以来となる上場来高値を更新した。5日付の日本経済新聞は政府が7日に決定する経済対策の原案として、「抗インフルエンザ薬『アビガン』の増産を支援する」と報じ、買いが入った。売買代金は東証1部でトップ。(2020年4月6日付『日本経済新聞』より一部引用)
■なぜ富士フイルムが大幅高に?
今回は、「富士フイルムが急伸、上場来高値を大幅更新」というテーマです。
まず、富士フイルムはホールディング会社で、色々な子会社を持っているグループ会社です。その子会社の一つに「富山化学」があり、「アビガン」という薬を開発しています。
「アビガン」は、インフルエンザには効果があるということが分かっていることから、「新型コロナに対しても有効では?」と期待されているようです。
以下、「新型コロナとアビガンに関する展開」を時系列で説明します。
①中国政府が治験を行い、新型コロナへの有効性を発表
(ただし、日本政府は有効性があるとの見解は出していない(2020.4.9時点))
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②富士フイルムが新型コロナへの治験を開始
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③日本政府が200万人分のアビガン備蓄を発表
日本政府の発表後、世界各国(約30カ国)から日本政府に問い合わせがありました。それを受けて、政府は富士フイルムから1億円分のアビガンを買い上げ、各国へ無償提供するという発表もしました。
中国政府は、アビガンが新型コロナに有効だと発表しましたが、日本ではそこまではっきり分かっていません。処方した少人数に効果があるかの治験を開始した段階なので、日本政府としては「新型コロナはアビガンで完全に治癒できます」と断言できる状態ではありません。
しかし、問い合わせをした約30カ国は、自国でも効果の有無を治験したいわけです。ですから、日本政府が無償で提供するということです。
日本政府が、「新型コロナに有効だ」と断言すれば、富士フイルムの子会社である富山化学提供の「アビガン」が日本全国で必要とされ、増産が期待されます。それに伴い、富士フイルムが上場して以来、高値を大幅に更新したというニュースになります。
■このニュースから私たちが学ぶこと
「速さ」がとても大事だということです。日本政府としては、まだ「アビガンは新型コロナに有効だ」と断言できる状況ではありません。それにもかかわらず、1億円分のアビガンを購入して、問い合わせのあった30カ国に対しては無償で提供することを決めました。
この「速さ」がとても重要だということです。仮にこれが、日本政府として慎重に慎重を期して、「自国ではっきりと有効だと分かってからお渡しします」となると、遅ければ半年後になってしまいます。
得手して、私たち日本人は「慎重な気質」なので、万全に期そうとする傾向がありますが、今回に関しては【実証の正確さよりも可能性で動いた】ということです。
少なくとも、中国政府は「有効」と発表したわけですから、「可能性」があります。皆にとって「希望」があります。「可能性」「希望」を重要視して、今回は迅速な決断、迅速な行動ができました。これが大事なことだと思います。
人は、「可能性」が見えると気持ちが明るくなって、行動も前向きになっていきます。最近にしては大変明るく、良いニュースだったと思います。
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貴重な時間にて文章をお読みくださり感謝しています。
ありがとうございます。
それでは、また。
浅川淑子(あさかわよしこ)
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