Shinta corporate site

Newsお知らせ

ANA、コロナの影響で破綻か?

浅川です。

白坂先生に、今日の「なぜ」を解説していただきます。

ANA、コロナの影響で破綻か?

・・・・・・・・・・・・・・・

ANA、コロナの影響で破綻か?

・・・・・・・・・・・・・・・

> ANAホールディングス(HD)が資金繰りに奔走している。新型コロナウイルスの流行で航空需要が蒸発し、航空業界全体でも2兆円の政府支援を要請した。ANAHDはこの支援の枠組みをいかし、1.3兆円に及ぶ融資枠確保などに動く。(2020年4月6日付『日本経済新聞』より一部引用)

 

今回は、ANAが異例の「政府保証で1.3兆円融資を申請」というテーマです。

 

■ 政府保証での融資申請とはどういうことか?

まず、「融資申請の流れ」について、通常と今回では何が違うのかを説明します。

 

<通常>

 ①民間企業が銀行に融資を申請

 ↓

 ②銀行が審査し、民間企業に融資

 

<今回>

 ①ANA(民間企業)が銀行に1.3兆円の融資を申請

 ↓

 ②ANAが政府に借金の保証を申請

 

このように、政府に借金の保証を申請していることが異例、ということです。仮に、ANAが倒産した場合、誰が1.3兆円の融資を返済するのでしょうか? それは保証した政府です。

 

要するに、「民間企業の借金を政府が負担するのか?」ということが、今回のニュースで問われています。

 

■ ANAが申請した「融資1.3兆円」の根拠

今回、ANAが申請した融資額1.3兆円の根拠は以下の通りです。

 

・ANAがコロナショックの影響で、売上激減

(理由)国際線・国内線ともに便数、乗客率が大幅に減少したから

ひと月に1,000億円の資金流出

最悪の事態に備え、最大1年分の融資が必要と判断

(理由)今後の見通しが立たないため

毎月1,000億円×12ヶ月(最大1年分)+1,000億円(資金流出分)=1.3兆円

 

今回、民間企業のANAが、銀行に1.3兆円の融資を申請すること自体が異例なのではありません。それは、今の状況を考えれば、極めて合理的な判断と言えます。問題は、「政府が保証する必要があるのか?」ということです。

 

ではなぜ、ANAは政府保証を申請したのでしょうか? 推測するに、過去の事例として「JALの案件があったから」だと思われます。

JALは約10年前に、経営破綻をしました。その際、「破綻をした後に」政府が救済したという過去の事例があります。

 

具体的には、「JALの債権を限りなく放棄してもらう」、「立て直しのチームを政府主導で考える」、などです。民間企業であるJALの再生に、政府が人や資金、時間を投入しました。結果的に、JALは大幅なリストラをしてスリム化し、立て直して再上場しました。

 

JALとANAは、日本の2大航空会社です。ANAはこれまでずっと自力で経営してきました。一方、JALは、過去に政府から大変多くの支援を受けています。おそらく、前述の事例があったので、「ANAは今回の【異例の政府保証】を求めたのでは?」と推測されます。「JALは助けてもらいましたよね? それであれば、今回は私たちも助けてください」という論理ではないか、と見られます。

 

JALは「破綻後」に救済してもらいましたが、ANAは「破綻前」の救済を求めています。今回、1.3兆円の融資を受けることができれば、現状のような最悪な状態が1年続いたとしても耐えることができるので、政府のお墨付きが欲しいと言っています。

 

■ リスクは誰が取るのか?

では、「融資の際、誰がリスクを取るのか」について、通常と今回の違いを説明します。

 

<通常の融資>

・民間企業:借金を抱える(返済する)というリスク

・銀行:全額返済されないかもしれないというリスク

 

<今回の融資>

・政府:万が一の場合、1.3兆円の支払いをするリスク

 

このように、政府が民間企業1社を保証すると、際限がなくなる可能性があります。確かに、ANAは新型コロナの影響を直に受けた航空業界になります。しかし、今回の状況は、航空業界のみならず、土産物の店舗・タクシーやバス業界など、観光業は全体的に影響を受けています。また、外食業、スーパーやデパートといった小売業も同じです。

 

もし仮に、政府が今回のANAの保証を受けることになると、「では、うちの会社も」となる可能性があります。そこで、政府は非常に難しい判断を迫られることになります。

 

■ 今回のニュースで私たちが学ぶこと

「前例をどのように考えるか?」ということです。

 

<前例を重視した考え方>

・過去にこういう事例があった

・だから「私たちもこうしてください」

 

これでは、合理的な判断ができません。

合理的な判断は、常に「この時」「この瞬間」「この状況で」最善は何か? を考える必要があります。

 

前例を重視するというのは、「過去の記憶」を判断の拠り所にしています。これでは合理的な判断はできません。「過去」と「現在」では時代が変わり、環境が変わり、人間関係が変わっています。ですから、「現在は現在」で判断する必要があります。

 

そこで、今回、政府が合理的な判断をするならば、「10年前のJAL」と「現在のANA」を比較するのではなく、「現在のANAだけ」で判断する必要があります。ANAに立入検査や監査をし、経費の無駄の有無を調べるなど、「現在のANA」を調査して判断するのが合理的です。

 

今回のニュースから、【「前例があるから今回も」という考えは合理的な判断ではなく、「今この時、この瞬間の状況で最善は何なのか?」を判断していくことが大事】ということが学べると思います。

・・・・・・・・・・・・・・・・

 

貴重な時間にて文章をお読みくださり感謝しています。
ありがとうございます。
それでは、また。

 

浅川淑子(あさかわよしこ)

 

追伸:

もしメルマガにご登録いただけましたら『4つの特典教材』を無料で受け取っていただくことが出来ます。

メルマガ登録