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【JAL】3ヶ月で200億赤字

【JAL】3ヶ月で200億赤字

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【JAL】3ヶ月で200億赤字

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日本航空(JAL)の2020年1~3月期の連結営業損益は200億円規模の赤字(前年同期は306億円の黒字)となったようだ。四半期としての営業赤字は12年の再上場後初めて。2月後半から急速に利用者が減っており、4月以降は一段の業績悪化が避けられない情勢だ。(2020年4月16日付『日本経済新聞』より一部引用)

 

JALが、3ヶ月で200億円の赤字

 

今回は、「JAL(日本航空)が、3ヶ月で200億円の赤字」というテーマです。

 

この「3ヶ月」というのは、「2020年1月~3月」の四半期決算になります。JALは、2020年1月、2月には、コロナショックの影響をそれほど受けてはいませんでした。3月、4月、そしてこれから来る5月以降の方が、深刻な状況だと思います。人々は、日を追うごとに、飛行機を利用しなくなっているからです。

 

次に、【JALが、「最悪な経営状態」を耐えることができる期間】について説明します。

 

<JALの資金状態>

現預金:3,200億円

最悪の場合:300億円(1ヶ月)赤字

 

最新の決算書を見ると、JALの「現預金」は「3,200億円」です。今後、経営状況が深刻化した場合、最悪では「1ヶ月で300億円の赤字」になると見込んでいます。

 

このことから、JALは、最悪な状況が続いたとしても「9ヶ月」は耐えることができると考えられます。

 

さらに、JALは、前回の決算時に「400億円の資金調達を受ける予定」と発表しています。そうなると、現預金は「3,600億円」になります。それであれば、「1ヶ月300億円の赤字」が続いたとしても、「1年は耐えることができる」ということになります。

 

つまり、【JALは、財務体質が健全なため、最悪な状態が続いたとしても、9ヶ月~1年間は耐えることができる】ということです。このことから、「JALは、コロナショックが終息するまで持ち堪えることができる」と想定されます。

 

私は、航空業界1位の「ANA」よりも、2位の「JAL」の方が、経営状況を楽観的に見ることができると思います。

 

ANAはJALよりも、年間売上が「6,000億円」多いですが、年間経費も「6,000億円」多くかかっています。つまり、ANAは「多額の経費」を抱えて経営を行っていることが分かります。

 

次に、ANAの資金状態を説明します。

 

<ANAの資金状態>

現預金:2,600億円

最悪の場合:500億円(1ヶ月)の赤字

 

ANAの現預金は「2,600億円」です。現在のような最悪な状況が続いた場合、1ヶ月で「500億円」の赤字になると想定しています。そうなると、ANAの場合は、「5ヶ月しか耐えられない」ということになります。つまり、JALよりもANAの方が、資金繰りが逼迫していると言えます。

 

JALとANAの違い

 

ここで、JALとANAの経営体質の違いについて説明します。

 

JALは、2010年1月に経営破綻をしています。その際に、JALは「会社更生法」を適用されて、政府や債権者から支援を受けました。JALは、債権者に9割以上の債権を放棄してもらい、無駄な「経費」を削ぎ落とし、再び利益を出せる状態になってから再上場しました。

 

つまり、JALは、ダイエットをして、無駄な贅肉を削ぎ落とし、筋肉質な企業へと変化をしているのです。

 

しかし、ANAはこのような経験をしていません。

 

JALは、再上場した2012年から2019年まで、「7年連続黒字」の経営をしています。ですから、前述のように「3,200億円」もの現預金を保有しているのです。そのお陰で、JALは、どんなに最悪な状態が続いたとしても「9ヶ月」、さらに融資を受けることができれば「1年」は、破綻することなく乗り切れると思います。

 

今回のニュースで私たちが学ぶこと

 

【「危機が起きる前に、どのような経営をしていたか?」が大事】

 

今回、航空業界は「コロナショック」という大危機に直面しました。これは、不可抗力なので避けようがありません。

 

企業がこのような不測の事態に陥ったときは、「危機そのものへの対応」ではなく、「危機が起きる前に、どのような経営をしていたか?」が大事になります。

 

JALは、コロナショック以前の7年間にわたり「黒字経営」を続けてきました。それにより、「3,200億円」という豊富な現預金を保有しているので、危機が9ヶ月続いたとしても耐えることができます。また、「400億円」の資金調達も容易に可能なので、1年間は問題なく経営していけると思います。

 

コロナショックが落ち着いて、自粛が解除された後は、フラストレーションが溜まった人々が飛行機を利用すると考えられます。ですから、この危機を乗り切ったJALやANAは、コロナショック後に「過去最高益を達成する」ことも期待されます。

 

今回の一番の学びは、【「危機が起きる前に、どのような経営をしていたか?」が大事】ということになります。

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貴重な時間にて文章をお読みくださり感謝しています。
ありがとうございます。
それでは、また。

 

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