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【チケットぴあ】コロナで再起困難?

【チケットぴあ】コロナで再起困難?

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【チケットぴあ】コロナで再起困難?

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新型コロナウイルスの影響による公演中止で、3月下旬までに1750億円ものチケットが払い戻しになった(ぴあ総研調べ)。(2020年4月7日付『日本電子版』より一部引用)

 

「ぴあ」チケットの払い戻しが、業界で1,750億円以上に

 

今回は、「ぴあのチケット払い戻し金額が、業界で1,750億円以上に」というテーマです。

 

この「業界」とは、「ライブ・エンターテイメント業界」になります。これは、「イベント」、「パーティー」、「コンサート」などを主催・提供する業界です。

 

この業界の市場規模は、「9,000億円」になります。その内、「ぴあ」が3月末までに払い戻した金額は、「1,750億円」です。これは、業界の年間売上の「20%」に当たります。

 

そして、このような状況が5月末まで続くと仮定した場合、「3,300億円」の払い戻しになるとされています。これは、業界の年間売上の「37%」にもなります。

 

このことから、「ネット」を利用するのではなく、「ライブで娯楽を提供する」この業界にとっては、多額の払い戻しが行われていることが分かります。

 

次に、「ぴあ」の業務の流れを説明します。

 

イベント主催者、商品提供者

↓チケット販売を委託

ぴあ

↓チケット販売

顧客

 

このような流れになります。ところが、今回のコロナ問題で、主催者はイベントなどを中止せざるを得なくなりました。それによって「ぴあ」は、顧客に販売したチケットの払い戻しをすることになりました。

 

このような状況を受けて、「ぴあ」の社長は、とても悲観的な意見を述べています。それは、「コロナが終息した後も、ライブエンターテイメントは立ち直れない」という発言です。

 

その意図は、「委託元(イベント主催者や商品提供者)の99%が「中小企業」や「個人事業主」である。コロナショックが長期化すれば、それらのほとんどが倒産する。そのため、コロナが終息しても「ぴあ」への委託が減るだろう」ということです。

 

この発言を聞くと、私たちは、【今回の「ぴあ」の危機は、コロナショックによるもの】と判断しがちです。ところが、【真の原因は「コロナショック以前にある」】ということが分かります。

 

「ぴあ」が危機に陥っている「真の原因」

 

「ぴあ」は、「コロナショック」の影響で危機に陥っているように見えます。ところが、「コロナショック」以前の業績を調べることで「真の原因」が浮き彫りになります。

 

「ぴあ」は、「コロナショック以前」から、利益率は「0.8%」しかありませんでした。つまり、1,000円のチケットを販売しても、「ぴあ」が受け取ることができる利益は、わずか「8円」しかなかったのです。

 

これほどまでに「利益率」が低いビジネスを、「コロナショック以前」に行っていたことが分かります。このような状況ですから、「ぴあ」の「利益剰余金(利益の積立金)」はわずか10%で、残りの90%は「負債」による経営でした。これが、今回の「ぴあ」が不況になっている「真の原因」です。

 

このことから、【ライブエンターテイメント業界は、「客単価」が安すぎることが問題】ということが分かります。

 

その理由は、もし「客単価」が高ければ現金・預金が貯まり、「利益剰余金」に計上されます。そうすれば、「ぴあ」は、今回のような「コロナショック」が起きたとしても、「現預金」があるので堪えることができるのです。一時的な危機が過ぎ去るのを「待つ」ことが出来ます。

 

もしくは、「ぴあ」は、「利益剰余金」が多ければ、「日本政策金融公庫」や「銀行」から容易に融資を受けることができたはずです。

 

今回の「コロナショック」のような不測の事態は、これからも起こると考えられます。それは、これまでの歴史を見れば分かります。

 

日本では、「バブル崩壊」、「阪神淡路大震災」、「東北大震災」がありました。世界では、「リーマンショック」、「SARS」、「新型インフルエンザ」などが起こりました。

 

このような「危機」が今後も起こることを想定して、【ビジネスが順調な時に「余裕」を作っておく必要がある】のです。

 

ところが、「ライブエンターテイメント業界」は、それが出来ていませんでした。「ライブエンターテイメント業界」は、「客単価」を見直さなければ、「コロナショック」が落ち着いたとしても、また次の危機が訪れたときに堪えることができません。

 

「ライブエンターテイメント」は、日用品のように毎日必要なものではありません。「ご飯」や「パン」であれば、顧客は常に購入するので、「単価」が低くてもビジネスは成り立ちます。ところが、「ライブエンターテイメント」は、顧客が頻繁に購入しないので、「客単価」を上げておく必要があるのです。

 

今回のニュースで私たちが学ぶこと

 

【危機が起きたときに、真の原因があぶり出される】

 

今回で言えば、「この不況は、コロナショックが原因だ」と安易に判断してしまうと、本質的な問題は何も解決しません。危機が起きたからこそ、「真の原因は何なのか?」を考えて、抜本的な解決をすることが大切です。それができれば、「ライブエンターテイメント業界」は再び持続的な成長が期待できると思います。

 

その理由は、「人の感情」を考えれば分かります。現在の「自粛」で、人々はかなりのフラストレーションを溜めています。いざ、「自粛解除」ということになれば、人々は必ず外に出て来るはずです。

 

ですから、「エンターテイメント業界」は、現状を「堪える」ことさえできれば良いのです。今のうちに「客単価」を見直して上げることができれば、人々がエンターテイメントを楽しむようになるので、「過去最高益」を実現することも期待できます。

 

今回のニュースで、私たちは、【一時的な危機から、真の原因を発見することができる】ということを学びたいと思います。

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貴重な時間にて文章をお読みくださり感謝しています。
ありがとうございます。
それでは、また。

 

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