【ニトリ】変身!新規事業へ
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【ニトリ】変身!新規事業へ
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> ニトリホールディングス(HD)がデジタル技術で事業を変革する「DX(デジタルトランスフォーメーション)」を急いでいる。物流子会社で今秋にもブロックチェーン(分散型台帳)を使った新システムを稼働させ、外部受託を2030年までに数百億円事業に育てる計画だ。(2020年4月9日付『日本経済新聞』より一部引用)
■ニトリがブロックチェーンを活用して新事業へ
今回は、「ニトリ(ニトリホールディングス)が、ブロックチェーンを活用して新事業へ」というテーマです。
ニトリは、家具業界でNo.1の企業です。そして、決算的には、「33年連続で増収増益を達成」している「日本一の優良企業」と言っても良いと思います。その家具企業である「ニトリ」と、最先端技術の「ブロックチェーン」の組み合わせについて解説します。
■ 「ブロックチェーン」とは
まず、「ブロックチェーン」の仕組みについて、説明します。
「ブロックチェーン」は、「分散型台帳」と日本語に訳されることが多いです。
1つの組織や企業が「データ」を集中して管理する「集中管理型システム」もありますが、「ブロックチェーン」の場合はそうではありません。
「ブロックチェーン」は、【独自のネットワーク上にある「1つの台帳(データを取りまとめたもの)」を、全てのユーザが閲覧・監視・管理するシステム】です。
従来は、この「データの取りまとめ」は、組織・企業・人が行っていましたが、「システム」に置き換えようとするのが「ブロックチェーン」の考え方です。
「ブロックチェーン」で一番有名なのは「銀行」です。例えば、AさんからBさんに送金する場合、「銀行」が間に入ってお金の管理を行っていました。ところが、その「銀行業務」を「ブロックチェーンのシステム」に置き換える流れになっています。
今後は、ユーザーとユーザーを「仲介」をしていた「組織」、「企業」、「人」を、「ブロックチェーン」に代替していくことが考えられます。
■ 「ニトリ」と「ブロックチェーン」について
それでは、【「ニトリ」が、この「ブロックチェーン」をどのように活用して新事業を始めようとしているか?】について説明します。
「ニトリ」は、冒頭でも説明した通り、「33年間増収増益を達成」している「超優良企業」です。その強さの一つに、「自社一貫体制」があります。これは、家具などの「製造」・「販売」・「物流」を、「ニトリグループ」が一貫して行う体制です。
業務の進め方には、この「自社一貫体制」だけでなく、「外注」もあります。それぞれの特徴を説明します。
<外注>
メリット:効率が良い
外注は、お金さえ支払えば、高い技術や専門知識を持った人が良い仕事をしてくれます。ですから、「お金」や「時間」の効率が良いです。
デメリット:計画通りに進みにくい
外注先は、多くの企業から仕事の依頼を受けています。ですから、発注側は、外注先の都合に合わせなければなりません。
<自社一貫>
メリット:計画通りに制御しやすい
自社の社員は、自社の業務を最優先に行うので、計画通りに物事を進めて行きやすいです。「今月は、これをやります」というような統制が取りやすくなります。
デメリット:自社の社員が業務に関して初心者や素人の場合、技術を習得させるのに時間がかかる
「ニトリ」は、「自社で造る(製造)」、「自社で売る(販売)」、「自社で運ぶ(物流)」を「自社一貫制」で行っています。これにより、「年間計画通りに物事を進めやすい」という特徴があります。
「ニトリ」は、「ブロックチェーン」の仕組みを、「物流」に取り入れようとしています。つまり、家具などを顧客の自宅に届ける「物流業務」に、「ブロックチェーン」を活用する計画です。
例えば、次のような業務を「ブロックチェーンのシステム」にする予定です。
①伝票
従来は、送り主が「伝票」を書き、配達した先で「伝票」を切り取って持ち帰る作業を「人」が行ってきました。しかし、「ブロックチェーン」を活用すれば、「自動化」ができると考えています。
②倉庫での商品管理
倉庫内にある商品の管理を、「ブロックチェーン」を導入して「自動化」することを考えています。
③配送ルートの最適化
現状では、荷物を配送するルートが渋滞している場合、遅延によるドライバーへの残業代などの「コストの無駄」が発生しています。また、配送先に荷物を置いた後のトラックは、空の状態で帰社することになります。もし、トラックが空になった後、他の荷物を運ぶように指示をすることができれば、有効に活用できます。これらの「情報管理」を「ブロックチェーン」で行うように考えています。
【「ニトリ」は、これまで「人」が行ってきたこれらの作業を、「AI(人工知能)」を組み込んだ「ブロックチェーン」に変えようとしている】というのが、今回のニュースになります。
「ニトリ」は、初期投資として「数億円」をこのシステム作りに投入します。そして、将来的には、自社の物流だけでなく、「全国の配送業者」を組織化し、業務委託を受けることも考えています。
「ニトリ」と言えば「家具の企業」ですが、「物流のブロックチェーン」を開発することで、数百億円の新事業に育てようとしています。
■ 今回のニュースで私たちが学ぶこと
【全ての企業が、デジタル企業になっていく】
これまで私たちは、「情報企業」と「その他の企業」という考え方をしていました。例えば、「ソフトバンク」、「楽天」、「サイバーエージェント」などの「一部の情報企業」と、「それ以外の製造業・建設業など」という括り方をしてきました。
しかし、これからの時代は、「すべての企業が、デジタル企業になっていく」という流れだと思います。
「ニトリ=家具」、「トヨタ=自動車」、「ソニー=工業製品」ではなく、【全ての企業が何らかの形で「インターネット」、「AI」、「ブロックチェーン」などを活用し、「デジタル産業」に関わっていく時代】ということを確認したいと思います。
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貴重な時間にて文章をお読みくださり感謝しています。
ありがとうございます。
それでは、また。
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