白坂です、
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>「世界の企業による社債の発行が急増している。9月の発行額は1日あたり1兆2100億円と過去最高ペースにある。世界の中央銀行が再び金融緩和に動いて金利への低下圧力が強まるなか、低コストで資金を調達しようと多くの企業が起債を急いでいるためだ。調達の目的は借り換えや自社株買いが中心で、成長に向けた資金の巡りは限られる。」
(日本経済新聞2019/9/19より一部引用)
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社債というのは会社による債務証明書です。
簡単に言えば、投資家に借金をすることで資金調達をするために発行するのが社債ということになります。では、逆に、
「なぜ投資家は社債を購入するのでしょうか?」
社債の主な買い手は、銀行・保険会社・資産運用会社、、、などです。
「なぜ銀行は社債を購入するのでしょうか?」
国債の金利が異常に低いから
経済の大原則は、【リスク=リターン】です。
・大きなリターンを得たいのであれば大きなリスクを取る
・リスクを取らないのであればリターンも小さい
銀行は、他人のお金を預かっている機関です。
自分のお金ではなく他者のお金を運用しています。
「他者から『お金を返してください』と言われたら当然に返す義務を持っています。」
つまり、
銀行などの金融機関はリスクを取れません。
結果、銀行などの金融機関の運用というのは、【家計→ 銀行→ 国債】というのが典型的な形でした。
家計からお金を預かって国債で運用する。「家計に支払う金利」よりも「国債から得られる金利」の方が大きい分が銀行など金融機関の利益となります。しかし、
たとえ国債を購入しても、国債から金利を得られないのであれば銀行は利益を得られない
国債の金利は全世界的にかなり低いです。
(日本に至ってはマイナス金利。国債を購入したら逆に金利を支払われないといけないという異常状態。)
なので、銀行は家計から資金を預かっても、その資金を使ってお金を殖やすことができなくなっています。
結果、
社債の購入
国債よりも社債の方がリスクがあります。
(国の財政破綻リスクよりも企業の倒産リスクの方が高いから)
リスクを極力取りたくない銀行からすると、資金を国債で運用できなくなっている現状から背に腹は変えられない選択をしていると言えると思います。
ただ、
投資家という視点からすると見るべきところは、「企業はどのような手段で資金調達を行なっているのか?」という調達手段ではなく、
その企業は調達した資金をどのように【使っているのか?】
お金で1番大事なのは収入ではなく支出です。
個人にしても企業にしても、どれくらいのお金が入ってきているのかという収入で差がつくのではなく、入ってきたお金をどのように使っているのかで差がついていきます。
もし、社債によって調達された資金が、借換えや自社株買いに使われているというのであれば、「社債発行 世界で急拡大」という今回のニュースは、残念ながら良いニュースとは言えません。経営の王道は、いつの時代も極めてシンプル。
【本業で利益を出して、利益の範囲内で本業に再投資】
「収入」にしても「支出」にしても、たとえ選択肢が増えています。なので複雑化していっているように見えます。しかし、投資家としてはいつも【シンプル】な
王道に基づいた経営をしている企業に注目し続けたいものです。
貴重な時間にて文章をお読みくださり感謝しています。
ありがとうございます。
それでは、また。
白坂慎太郎
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