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ワタミ、最終赤字5億円

ニュース解説

白坂です、    ワタミ、最終赤字5億円 ・・・・・・・・・・・・・・・・・   >「ワタミが発表した2019年4~9月期連結決算は、最終損益が5億6300万円の赤字だった。海外の外食事業が振るわなかった。国内の外食事業や農業事業も苦戦した。」 (『日本経済新聞』より一部引用) ・・・・・・・・・・・・・・・・・   (『四季報』より一部引用)   (『バフェットコード』より一部引用) (『Google検索』より一部引用)   起業して1年以内の廃業率が最も高い「飲食業」。 廃業率は18%を超えていますので、6軒のお店が開業したら1軒は1年以内に廃業することになります。 ちなみに1年以内に限らないならば、ここ10数年は、1軒が新規オープンしたら2軒は廃業しています。   ・「好きだから将来は『飲食業』で独立起業をしたい」という趣味感覚の方や、 ・「料理を創るのが得意だから将来は『飲食業』で独立起業したい」という職人思考の人が、独立起業して最も地獄を見やすいのが「飲食業」だと言えます。   たとえばネットビジネスでの起業の場合、失敗したといっても「稼げなかった」という程度の失敗です。ネットビジネスに挑戦したばかりに数千万円もの借金を抱えてしまったということは、まず考えられません。ところが、飲食業の場合、失敗したら簡単に数千万円以上の借金を抱えながら廃業することになります。1度の失敗で下手すると人生が終わってしまう危険性さえあります。   最も難しく・最も初心者が手を出したらいけないのが「飲食業」   「なぜ飲食業は、それほどまでに難しいのでしょうか?」 それは、とにかく経費がかかるために利益を出すのが至難の業だからです。   ・食材(原価) ・家賃 ・光熱費 ・人件費 ・広告費、、、   しかも高単価にしにくい。 人は、「たまには豪華な食事をしたい」とは思いますが、「1日:3食、1年中、豪華な食事をしたい」というのは家計の都合上で選択できません。一回きりだったら高額を支出できますが、毎日・毎日の日常に関することであれば、1回・1回は低単価で抑えたいというのが自然な心理です。となると飲食業は、   ・客単価を大きく上げずに客数を増やし続けなければならないのに、 ・経費はすぐに膨らみやすい   ビジネスでは最難関の産業です。 1年間で6軒に1軒以上が潰れてしまうのは、ある意味、当然。 単に、料理が「好きだから」「得意だから」程度で起業をすると文字通りに地獄を見ます。   その最も難しい「飲食業」で、1度は輝かしい成功を収めることが出来たのが【ワタミ】です。 【ワタミ】は、当時、居酒屋ばかりだった日本に、「居『食』屋」という新しい業態を創造することで成功を収めることが出来ました。   なぜなら、創業者の渡邉美樹さんが職人ではなく経営者だったからです。渡邊さんは、創業当時から、ぞれぞれ500ページを超える大著:『競争の戦略』『競争優位の戦略』の2冊をバイブルとしていました。そして、最初の1店舗目から複数店舗に展開できるような店作りを進め、日本全国の地図を眺めながら商圏から逆算した出店計画を立てていました。最も厳しい「飲食業」で輝かしい成功を収めたのが渡邊さんでした。ただ、     成功ほどの失敗はない     人は成功をしてしまうと「スーパーマン現象」に陥ってしまいます。つまり、「何か1つで成功できたら、何でも成功できる」という幻想にとらわれてしまうのです。結果、最初の外食で成功した【ワタミ】は、その後、介護、宅食、農業、環境、、、とドンドン多角化していってしまいます。   もちろん、色々な業種をやることに関して理論的に正当化することは出来ます。 たとえば、   ・「今から『6次産業』化が重要だから、農業(1)→工業(2)→サービス(3)の全てを自社で一貫したやる必要がある。だから、うちの会社も農業や加工業に挑戦しよう」とか、 ・「これからの時代で何より大切なのは環境なので、これからうちの会社も『環境』をやろう」とか、、、   いろいろと理論で正当化することは出来ます。 ただ、多角化すれば・するほど、経営資源が分散してしまうことは、どうやっても避けられません。 結果、【ワタミ】は、   ・介護事業からは撤退 ・農業は依然として赤字事業のままで ・何より本業の     飲食業までも大苦戦     あくまで結果論ですが、渡邊さんは外食を成功した時点で決断すべきだったのだと思います。 すなわち、   ・「外食で海外進出などさらなるビジネス拡大を目指すか?」 または、 ・「他にやりたいことが出てきてしまった時点で会社を売却してしまうか?」   次から次にやりたいことが出てきてしまった渡邊さんは、最後は政治に挑戦しました。 東京都知事選、そして、参議院選。そして、参議院議員を1期:6年を務めた後、政治では自分のやりたいことが出来なかったとして元の鞘に収まってしまいました。すなわち、【ワタミ】の代表取締役に戻ってしまいました。筆頭株主として、実質、【ワタミ】を私物化してしまっているように見えます。     成功ほどの失敗はない     人の「脳」力はみんな同じです。 もし違いがあるとしたら偏り方だけ。たとえば将棋の棋士として第一人者になることができたからと言って、以後の棋士としても第一人者になれるとは限りません。すなわち、外食で成功できたからと言って、他の産業でも成功できるわけではありません。   【ワタミ】という企業がガタガタになってしまったのは、渡邊さんが他の経営者に経営を委ねたからではなく、渡邊さんが筆頭株主として、やりたいことを【ワタミ】を通じて何でもやろうとしたからだったように見えます。   なので、渡邊さんが持っている株を全て売却して【ワタミ】から完全に離れることは企業にとってプラスになったかもしれませんが、渡邊さんが再び代表取締役になったことは問題解決のために妥当な選択だったとは言えないと思っています。   飲食業は誰がやっても難しい。 であれば、   ・「他の産業などに一切浮気せずに、『飲食業』に一生涯を捧げるか?」 もしくは、 ・「他にやりたいことが出来てしまったので、『飲食業』から完全に卒業してしまうか?」   の究極の2択で判断しない限り、本質的な問題は解決していかないのだろうと思っています。    ワタミ、最終赤字5億円   貴重な時間にて文章をお読みくださり感謝しています。 ありがとうございます。 それでは、また。   白坂慎太郎   追伸1: 総再生回数:1,100万回超! 登録者数 : 27,000人超! →【大好評】YouTubeチャンネル   追伸2: メルマガやLINE@でも情報を発信しています。 ご登録頂いた方には『4つの特典教材』を無料で差し上げています。 → メルマガ登録 → LINE@登録  続きを読む

楽天141億円赤字

ニュース解説

白坂です、    楽天141億円赤字 ・・・・・・・・・・・・・・・・・   >「楽天が発表した2019年1~9月期の連結決算は、最終損益が141億円の赤字に転落した。 投資先の米ライドシェア大手リフトに関連して約1000億円の損失が発生した。」 (『日本経済新聞』より一部引用) ・・・・・・・・・・・・・・・・・     会計の難しさを感じています。 すなわち、   ・昔・・・資産は簿価表記:      たとえ「貸借対照表」は実態と離れていたとしても、「損益計算書」は実態に近かった。   ・今・・・資産は時価表記:      たとえ「貸借対照表」は実態に近かったとしても、「損益計算書」は実態から離れている。   今回の楽天で言えば、 (1)「リフト社」の株式を保有していた ↓ (2)「リフト社」の株式を時価評価した ↓ (3)株価下落の分を「損益計算書」の方でも損失計上した   結果、 新たな現金流出はないのに、赤字決算として発表しなければならなくなっている。   世間一般の常識として、「赤字=『現金収入<現金支出』」と瞬間的に連想しがちです。 しかし、今回の楽天のように、     「現金収入>現金支出」なのに赤字     ということも会計上はあり得てしまうわけです。 株価というのは、「投資家から期待されれば上昇して、不安を感じられたら下落する」と感情で上下するものです。もし投資家が不安を感じたことで株価が下落したから赤字決算を発表したということであれば、「本業の業績はどうだったのか?」ということが全く見えて来ません。しかも、もし「リフト社」の株価が今後で上がれば、今度は「営業増益」という決算になるわけです。     もし決算書が「本業の業績はどうだったのか?」を表していないとしたら、そもそも、その決算書に意味があるのでしょうか?     今であれば、せっかく新聞などで決算発表の報道を知ることが出来たとしても、「では、本業の業績はどうだったのか?」を正確に知るために、全世界の投資家1人・1人が決算書を読み直さないといけない状態になっています。   「なんだ!赤字決算と言っても本業は極めて順調ではないか!!」     全世界の投資家が数千社以上の決算書そのものを読み直して初めて業績が分かるということになると、日々で新聞などで報道されているニュースそのものに価値がなくなりつつあります。   なお、 「リフト社」というのはライドシェアの企業です。ライドシェアに関しては「ウーバー」「ディディ」「グラブ」、、、など大企業がいくつもありますが、全て、     自動運転の時代を見据えた上での長期投資     で行われています。   3か月先の業績なんて、そもそも期待さえされていません。「将来は、自動運転の時代が到来する」「であれば、その時に主役になり得るであろうライドシェアの企業に、今から投資をしておこう」という長期投資です。その長期投資で購入されている「リフト社」の株価が下落したことで、楽天が赤字決済というのは、いよいよ楽天という企業そのものの業績を見えにくくしていると言えます。   ともあれ、 今の会計制度であれば、【「現金収入>現金支出」なのに赤字】ということもあり得るということを認識していた上で、では、     「本業の業績はどうなのか?」     という当たり前のことで投資判断し続けていきたいものだと思っています。    楽天141億円赤字   貴重な時間にて文章をお読みくださり感謝しています。 ありがとうございます。 それでは、また。   白坂慎太郎   追伸1: 総再生回数:1,100万回超! 登録者数 : 27,000人超! →【大好評】YouTubeチャンネル   追伸2: メルマガやLINE@でも情報を発信しています。 ご登録頂いた方には『4つの特典教材』を無料で差し上げています。 → メルマガ登録 → LINE@登録  続きを読む