ユニクロの柳井正社長がソフトバンクグループの社外取締役を退任
白坂です、
ユニクロの柳井正社長がソフトバンクグループの社外取締役を退任
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>「ソフトバンクグループは、ファーストリテイリング会長兼社長の柳井正氏が社外取締役を退任すると発表した。『本業に専念する』ためだとしている。柳井氏はソフトバンクGの孫正義会長兼社長と懇意で、2001年から社外取を務めてきた。」
(『日本経済新聞』より一部引用)
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今後のソフトバンクグループにとっては転機となるであろう大きなニュースだと感じています。
理由は簡単で、孫社長に対して1番反対意見を主張できていたのが柳井社長だからです。
なぜ退任に至ったのか?
真実はもちろん、孫社長と柳井社長のお二人の間でしか分かりません。
外部の人間は、あくまで推測することしかできません。
退任理由として「本業に専念するため」と発表されています。
これは流石に建前だと思われます。
仮に離婚に例えてみるとします。
離婚をするときによく言われるのは、「価値観が合わないので離婚することになりました」というようなセリフです。広く一般的に使われる表現なので、聞いた外部の人間は、「そうか、価値観が合わないから離婚したんだ。それだったら仕方がないですよね」とスッと納得しやすいです。
ただ、
「価値観が合わないから離婚した」という表現が使われるのは一般的だったとしても、本当に「価値観が合わないから離婚した」ケースは極めて稀。理由は簡単。価値観が真逆だったからこそ自分には持っていないものを持っている相手に惹かれて結婚したのだから。だから、「価値観が合わないから結婚しなかった」だったら理解できますが、「価値観が合わないから離婚した」は本当は筋が通りません。
同じように、
柳井社長が本業に専念すべき時期は、今までの18年間の方が今からよりも確実に多かったはずです。今は、ご自身が経営者を退任してもユニクロが持続的に成長するようにスムーズに後継へと譲ろうとしている段階。にも関わらず、「本業に専念するため」と発表したというのは、出来るだけ波風を立てたくないという大人の対応だと思われます。
ただ実際は、
・次回の株主総会での任期満了による退任ではなく、任期途中での突然の退任であったこと
・しかも、12月31日退任を、わずか4日前の12月27日に発表したこと
を考えると、実際は、それほど穏やかなものだったとは思われません。
離婚の本当の理由を知っているのがお互いの2人だけだというのと同じように、真相を知っているのは孫社長と柳井社長のお二人だけなのでしょう。
言われているのは、
「ソフトバンクグループの1社であるヤフーがアパレル大手のZOZOを買収したことが原因ではないか?」という憶測です。
ZOZOはユニクロにとっての競合ですから、たしかにあり得ます。なぜなら、以前、日本電産の永守会長がソフトバンクグループの社外取締役を退任したのは、ソフトバンクグループがイギリスの半導体大手:アームを買収した後だったからです。
・ソフトバンクグループがアームを買収→ アームは日本電産にとって競合他社→ 永守会長が退任
・ソフトバンクグループがZOZOを買収→ ZOZOはユニクロにとって競合他社→ 柳井社長が退任
たしかに、あり得る推測ではあります。
もしくは、
このように単純な「何か1つの決定的な出来事が原因→ 結果」という形ではなく、
今まで18年間での1つ・1つのことが積もり積もって、ついに退任に至った
ということなのかもしれません。
「ZOZOの買収が引き金だったのか?」それとも「積年での色々な原因の複合なのか?」はともかくとして、「柳井社長の本業に専念するため」は建前の理由である可能性は高いと思います。
投資家による投資というのは、一見、数字に対して行われるように見えますが、実際は違います。
「人」に対して行われます。すなわち、
・「誰が社長なのか?」
・「誰が取締役なのか?」
・「誰が社外取締役なのか?」、、、
という「人」という要素が極めて大きい。
ソフトバンクグループへの投資という点において、社外取締役の柳井社長という存在はかなり大きな要因でした。理由は簡単で、筆頭株主である孫社長に対して、対等に・堂々と反対意見を言うことができる本当の社外取締役だったからです。ソフトバンクグループは、柳井社長が社外取締役として入っていても、ウィーワーク問題を防ぐことが出来ませんでした。柳井社長が退任されたソフトバンクグループの取締役会は、今までよりもさらにブレーキが効かない可能性があります。
・「ブレーキが効かなくなったから、今後の業績がさらに厳しくなるのでは?」と判断するのか
それとも、
・「ブレーキが外れたからこそ、逆に、今後は伸び伸びと行われて飛躍していくのでは?」と判断するのかは、このニュースに対しての
投資家の各人の解釈次第だという所だと思っています。
貴重な時間にて文章をお読みくださり感謝しています。
ありがとうございます。
それでは、また。
白坂慎太郎
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