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ワークマンが楽天市場撤退

浅川です。

白坂先生に、今日の「なぜ」を解説していただきます。

 

ワークマンが楽天市場撤退

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ワークマンが楽天市場撤退

 

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>作業服販売大手のワークマンが、楽天が運営するネット通販サイト「楽天市場」から2月末に撤退することが分かった。自社のネット通販サイトを刷新し、商品を店頭で受け取りやすい仕組みに変え、実店舗への集客や配送コストの削減を進める。(2020年1月25日付『日本経済新聞』より一部引用)

 

 

■ワークマンの現況は?

 

ワークマンの売り上げはものすごく良く、ずっと右肩上がりです。利益率は20%。株価は絵に描いたような二次曲線で上がり、優良企業だと言えます。

 

この利益率がどれだけ高いか考えてみましょう。一般的に、アパレル企業の利益率は、1桁や5%などでもおかしくありません。材料代など経費がかかるからです。利益率が10%でも優良企業だと言えます。

 

そもそも、日本の全企業の8割が赤字です。利益が出ている企業は2割に過ぎません。1%、2%という利益率の百貨店でも優良企業と言われます。利益率が10%を超えると「本当に素晴らしい経営をしている」と判断できます。ワークマンは、その倍の20%の利益率ですから、いかに良いかがわかるでしょう。

 

では、ワークマンはなぜ右肩上がりに成長しているのでしょうか? それは、【地道な成長を繰り返しているから】です。毎年少しずつ良くなり、それが40年ほど積み上がり、今これだけ成長しています。まさに日本らしい【改善・改善・改善】を繰り返し、次のように歩み続けてきました。

 

・売り上げが上がる

・【改善】を加える

・翌年、売り上げが20%上がる

・さらに【改善】を加える

・その翌年、売り上げがさらに20%上がる

・・・・地道に40年、【改善】【売り上げ増加】を繰り返す

 

 

では、具体的にどのような改善を図ってきたかも見てみましょう。もともと「ワークマン」は、社名通り【働きやすい服】を作ってきました。創業当初の最初のお客様は、工場労働者の方や、建築現場の方。そのお客様にとって頑丈・丈夫な服を作ってきたので、とにかく品質重視で提供し続けてきました。その後、次のように広がっていきました。

 

・頑丈・丈夫な服を作る

・工場労働者・土木建築現場のお客様に喜ばれる

・「頑丈・丈夫だ」という品質の良さが広まる

・アウトドアスポーツの愛好家が試しに着てみる

・「スポーツにもぴったりだ」とさらに品質の良さが広まる

 

こうして、作業現場の方だけではなく、マウンテンバイクに乗る方、滑らない長靴を探している妊婦さんなどにも、【抜群の品質の良さ】が広がっていきました。

 

 

■なぜワークマンは楽天撤退を選んだのでしょうか?

 

「なぜ撤退できるか」と言えば、【楽天に依存しなくても、自分たちだけでもやれるから】だと言えます。もともと、楽天市場は2020年3月から、楽天市場の全加盟店に対して、3,980円以上のお買い上げに対しては「送料無料」とするように、ほぼ強制しました。これにより、加盟店は次の2つの選択を迫られることになりました。

 

1)商品の値上げをする(=実質、送料をお客様に負担してもらう)

2)商品の価格は変えず、自分たちの利益を減らす(=実質、送料を自分たちが負担する)

 

ワークマンは、この2つの選択肢をいずれも拒否し、【楽天市場を撤退する】という選択をしました。これができるのは、ワークマンが楽天市場に依存せず、業績が良いからです。

 

 

■今後、ワークマンはどのように展開していくのでしょうか?

 

ワークマンは、今、日本全国で850店舗ほど出店しています。インターネットではなく、お客様にお店で試着して買ってもらい、売り上げを上げています。その店舗数を増やしているため、これからも伸びる可能性があります。

 

また直近1年間は、レジャー・スポーツ向けの新しいブランド「ワークマンプラス」を展開しています。このブランドはマーケティングも新しく、次のような「インフルエンサー」を集め、個人向けにマーケティングをしています。

 

・インスタグラムのフォロワーが多い人

・Twitterのフォロワーが多い人

・Facebookのフォロワーが多い人

・これらの人たち(=「インフルエンサー」)を集める

・インフルエンサーに、試着してもらう

・インフルエンサーに、意見を聞き、商品開発をする

・インフルエンサーに、SNSで紹介してもらう

・インフルエンサーの投稿を見た人が「買いたい」と思う

 

このような流れを考えると、投資家から見ても、実際に「投資する・しない」は各自の判断になりますが、「業績自体はこれからも有望だ」と言えます。

 

楽天市場の加盟店の中には「送料無料は勘弁してほしい」と訴える企業が多くありますが、今回のニュースをきっかけに、これから撤退を検討する企業が増えることはあり得ます。そこで撤退できる企業は、ワークマンのように業績が良い企業だと言えるでしょう。

多くの女性にとってはワークマンは馴染みのない会社だったかもしれませんが、今回のニュースを知り、アンテナを立てる一つのきっかけにすると良いでしょう。

 

今日のまとめ・・・・・・・・・

 

ワークマンが楽天を撤退できたのは、利益率20%と業績の良い企業だったからです。40年にわたり地道に「改善」を続けたことが企業の利益につながりました。楽天市場から撤退できる企業は、業績の良い企業だと言えます。

 

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貴重な時間にて文章をお読みくださり感謝しています。
ありがとうございます。
それでは、また。

 

浅川淑子(あさかわよしこ)

 

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