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YouTuberマネジメント会社UUUM株価急落

浅川です。

白坂先生に、今日の「なぜ」を解説していただきます。

 

YouTuberマネジメント会社UUUM株価急落

 

 

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YouTuberマネジメント会社 UUUM株価急落の理由

 

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>15日の東京株式市場でUUUMが急落し、一時は前日比13%安の3975円を付けた。14日発表した2019年6~11月期の連結決算で、売上高の伸び悩みが確認されたためだ。(『日本経済新聞』より一部引用)

 

 

■本当に株価は急落したのでしょうか?

 

まず、基本知識の確認をします。株価は次の数字のかけ算で決まります。

 

【企業の利益(実力)】×【投資家の期待値】=【株価】

 

企業の実力に対し、世界の投資家が10倍、20倍、30倍と、どの程度企業に期待しているかという数字が掛け合わせられます。企業の実力は、3ヶ月、半年で変わらないものです。つまりUUUMの株価急落したのは、実力が変わったからではなく、投資家の【期待値】が下がったと言えます。

 

では、どの程度、期待が下がったのでしょうか? 日本の上場企業は3500社ある中、株価の平均は次のようになります。UUUMと比べてみましょう。

 

・日本の上場企業の平均値:【企業の利益】x 14

・UUUMの最高値:【企業の利益】x  190

・UUUMの現在値:【企業の利益】x 70

 

このように、UUUMは平均の10倍以上の期待値がつけられていました。それが今、190倍から70倍に急落したことになります。それでも日本の平均からすれば、まだ5倍も期待されていることになります。

 

期待値が190であることは、もしその企業の実力が変わらなければ、株を投資してから回収するのに190年かかる計算になります。

実力が上がらなければ、いずれ株価は下降します。反対に、今の実力でこの期待値であっても、利益が2倍、3倍、4倍となるとその分、短く回収できます。たとえば、期待値が100の場合は、次のような計算です。

 

・実力が2倍になったら50年で回収できる

・実力が4倍になったら25年で回収できる

・実力が8倍になったら12.5年で回収できる

 

UUUMは今まで伸びてきましたが、去年の四半期と、今年の四半期とを比べると、投資家が思っていたほどの伸びではなく、鈍化したと言えます。

 

 

■これから5Gの時代に、UUUMはどのように成長するでしょうか?

 

5Gの時代であっても、YouTube全体とUUUMの株価は切り離して考える必要があります。ここで、テレビを見る層と、YouTubeを見る層の違いを抑えておきましょう。

 

・テレビ:50代、60代、70代に強い

・YouTube:子ども、10代、20代、30代が見る

 

そもそも、UUUMはどのように収益を上げているのでしょうか? UUUMの大きな収益源は次の2つがあります。

 

1)YouTubeからの広告収益

2)YouTube以外の会社からの広告収益

 

1は、動画1回再生すると、一般的には1クリックで0.1円の広告収益があります。それをUUUMがYouTube経由で受け取っています。2は、企業がサービスを紹介してほしい、商品を紹介してほしい、という時にYouTuberに紹介してもらう広告収入になります。

 

いずれも伸びていますが、UUUMが受け取れるYouTubeからの広告収入が、投資家の期待よりもやや鈍化してきている状態です。それはYouTube全体の売り上げからもわかります。YouTubeの売り上げは昨年対比36%ですが、【子ども対象】の広告収益の伸びが鈍化しています。なぜなら、次のようにYouTubeが規約を変えたためです。

 

・子どもは広告を見たらすぐに「欲しい、欲しい」となりがち

・YouTubeが規約を変える

・子ども向けの動画に広告を出せなくなる

・子ども向けの動画に出ていたYouTuberの広告収益が減る

 

そのため、子ども向けの動画では広告収益を得にくくなり、子ども向けのYouTuberが厳しくなっています。UUUMの会社に所属しているYouTuberは、子どもや10代、20代前半の人に受けがいい人たちです。その対象に関して、投資家の期待値が低くなった状態です。

 

 

■UUUMの今後の展開は?

 

UUUMは、芸能事務所のように、常に人気になるYouTuberに所属してもらいたいと考えています。同じ人をずっとプロデュースし続けるのは一つの考えですが、「この人が急に人気が出てきた、ぜひうちの会社でマネジメントさせてもらえませんか」という形で伸びてきました。

 

YouTube全体の伸びでは、子ども向けの動画で収益を得るのが難しくなっている現状があり、UUUMに所属するYouTuberの層が少しずつ変わっていく可能性があります。

 

もう一つ注目すべき点は、UUUMが売り上げの60%が海外であることです。日本で人気のYouTuberは実はアジアでも人気があリます。アジアの企業からも、広告のニーズはあります。アジアのマーケットは大きいので、これから6割、7割を超える可能性があります。

 

ただし、それでも投資家の期待値が70倍、190倍というのは異常な数値なので、落ち着くことは予想されます。投資家からすると、40倍を超える期待値は「結構高い」と感じます。UUUM自体の業績は伸びても、今後、株価は下落してもおかしくない状況だとみられます。

 

■今日のまとめ・・・・・・・・・・・・

 

UUUMの株価が急落したのは、投資家の期待値が190倍から70倍に下がるという、平均値を大幅に超える中での下落でした。今後、YouTubeの規約変更で期待値はさらに下がるとみられますが、UUUM自体は海外の売り上げが伸びる可能性があります。

 

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貴重な時間に文章をお読みくださり、感謝しています。

ありがとうございます。
それでは、また。

 

浅川淑子(あさかわよしこ)

 

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