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週休3日日本マイクロソフトが試験導入

浅川です。

白坂先生に、今日の「なぜ」を解説していただきます。

 

週休3日日本マイクロソフトが試験導入

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> 週休3日 日本マイクロソフトが試験導入

 

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> 日本マイクロソフトでは試験的に週休3日制を導入した2019年8月、社員1人あたりの売り上げが4割増えた。(2020年1月27日付『日本経済新聞』より一部引用)

 

■今回のニュースで気づくべきことは何でしょうか?

 

今、日本全体に【働き方改革】【生産性革命】という流れがあります。その中で、「生産性が上がった」というニュースです。では、はたして本当に生産性は上がったのでしょうか? まず、【生産性】を表す次の式を確認しましょう。

 

・【付加価値】÷【労働時間】=【生産性】

 

ここでの【付加価値】は、次の式で表されます。

 

・【付加価値】=【売り上げ】ー【原価】

 

付加価値は、【粗利(粗利益)】と言うこともあります。つまり、企業がどれだけの業績や付加価値を作るかを言い換えたものが、【生産性】です。では、【生産性が上がる】とは何を意味するのでしょうか? 次の2つが考えられます。

 

・「企業の付加価値が増えた」

・「付加価値は変わらないが、短い時間でできた」

・「生産性が上がった」

 

今回の日本マイクロソフトのニュースは、残念ながら「付加価値が増えた」というニュースではありません。「労働時間を減らして、今までと同じ結果が出せた」というニュースに過ぎません。

 

 

■投資家はどのように見るのでしょうか?

 

投資家は今回のニュースを「よくないニュース」だと見ます。なぜなら投資家はあくまでも、企業が今から5年、10年と持続的に成長するかどうかだけを見ているからです。「売り上げを維持できました」というニュースでは、投資対象になりません。仮に【生産性が上がった】というニュースでも、「今までと同じ労働時間で、もっと付加価値を作れた」という内容であれば、投資家は間違いなく注目します。しかし、今回のニュースでは注目すべき内容ではありませんでした。

 

では、「労働時間を減らしても、売り上げが変わらなかった」とは何を意味するでしょうか?

 

・「今まで、余計なことをしていた」?

・「売り上げに関係ない仕事をたくさんしていた」??

 

そうです。週休2日を週休3日にしても、その1日分は、「これまで無駄なことをやっていた時間だった」ということ。それに気付く必要があります。

 

 

企業の売り上げは、商品・サービスが売れた時に出ます。売り上げがないのは、「売っていない時間があった」ということです。具体的に言えば、次の時間に費やしていたと言えます。

 

・会議

・社内だけの打ち合わせ

 

つまり、これらの時間をなくしても、売り上げは変わらなかったことを示しているため、企業としては、次のことを世に示したとも言えます。

 

・「週休3日になっても、生産性が上がりませんでした」

・「今までたくさん無駄をやっていました」

・「全社員が、1日分の無駄な時間を使っていました」

 

生産性が何によって計算されるかがわかれば、これらをニュースとして発表するのは「恥ずかしくありませんか?」と投資家は考えます。

 

 

■日本の働き方改革の行末は?

 

企業はこれまで、価値がなかったものを新たに価値をつけ、売り物としてきました。企業は【製造】し、役に立つ人に【販売】して価値を生み出します。

 

・今までにないものを作り、価値を生み出した

・それを必要な人に売った

・価値を売った

 

このように、「作る」「売る」という工程を経てはじめて、企業は「仕事をした」と言えます。でも日本企業は、この工程以外の仕事が多すぎるのが現状です。特に、「管理職」の仕事は「作る」でも「売る」でもありません。本人は8時間仕事をしているつもりでも、経済学的には意味がない仕事です。そういう仕事が日本は欧米に比べて多く、そのために日本人の一人当たりの生産性が低くなっています。

 

「作る」でも「売る」でもない仕事をしている人が多ければ、人件費、人はますます減る方向になります。さらに今回のように、「休みを増やしても労働時間を減らしても、売り上げが変わらなかった」ということは当然起きます。

 

企業にとって重要なことは、【社長や経営者がどのような方針を持っているか】です。企業が単に「週休3日を大事にする」という方針であれば、投資家は見向きもしません。「今まで無駄をやっていたのか」と捉えるだけだからです。ただし、「重要な方向性があり、そのために社員や休みを増やす」という話であれば別です。しかし、今回のニュースではそのような重要な方向性も見えてきませんでした。

 

 

この先、日本の働き方は確実に変わります。世界の中でも豊かな状態で、次のような流れは確実に訪れます。

 

・モノが溢れている現在

・「今の生活で十分」と考える人が増える

・「ガツガツ働きたい」と考える人が減る

・「週休3日」「週休4日」が増える??

・1日の労働時間が8時間→7時間→6時間、と減る??

 

このような時代に、個人がどのような人生を描き、何を目指すか考えることが重要です。

 

 

今日のまとめ・・・・・・・・・

 

今回のニュースは、「生産性が上がった」と発表されていますが、その本質は「労働時間を減らしても、付加価値は増えなかった」という内容です。投資家は「今まで無駄なことをしていた」と捉えます。労働時間を減らすことより、付加価値を高めて生産性を上げる方が企業にとって重要です。

 

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貴重な時間にて文章をお読みくださり感謝しています。
ありがとうございます。
それでは、また。

 

浅川淑子(あさかわよしこ)

 

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