WeWork(ウィーワーク)に1兆円の追加支援でソフトバンクの巻き返しなるか?損切りせずにWeWorkを支援する理由とは
白坂です、
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>「ソフトバンクグループは、シェアオフィス事業を手掛ける米ウィーワークの支援策を発表した。
総額は約1兆円規模となる。」
(『ブルームバーグ』より一部引用)
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ソフトバンクグループ・・・これからの数年間は苦戦が予想されます。
・ソフトバンクビジョンファンドから1兆円、
・ソフトバンクグループからも追加で1兆円、
・合計で2兆円。
この記事を書いている時点で、Weworkの時価総額は8千億円。
1兆円を投資した企業を倒産させないために、さらに1兆円の追加支援。
損切りが出来ない投資というのは、非常に苦しい展開です。
「なぜ、このような苦しい展開になってしまったのでしょうか?」
上場前の企業への投資金額が巨額過ぎた
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・ソフトバンクビジョンファンドが巨額の投資
↓
・創業者は上場前にして大富豪になれた
↓
・しっかりとした企業経営が行われなくなる
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創業者も人間です。
巨額の投資が行われたことにより大富豪になれてしまうと、自制が効かなくなってしまいます。
本業以外にお金・時間・エネルギーを使い始めたり、会社を完全に自分のもののように振る舞う私物化が行われたりします。
そういう創業者の暴走をさせないために取締役会があったりするのですが、企業内部において創業社長というのは絶大な権力を持っている場合がほとんどです。つまり、取締役会は有名無実化してしまい、実質、創業社長の暴走が止められなくなってしまうわけです。
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今度はソフトバンクビジョンファンド経由ではなく、ソフトバンクグループ本体からの1兆円の追加支援です。そして、米通信会社スプリントのCEOが、今度はWeworkの新しい会長に就くようです。このニュースを見て、
やはりソフトバンクグループは、ここから数年間は苦戦が予想される
・ボーダーフォンを買収して数年間かけて建て直し
・スプリントを買収して数年間かけて建て直し
そして、
・今度はWeworkの実質買収して建て直しを始める、、、
長年の懸念であった米スプリントがやっとTモバイルとの合併によって一段落したかと思った矢先での、Weworkへの緊急支援。ファンドとグループで合計2兆円を投下している以上、もうソフトバンクはこの案件から降りれません。
もし降りれば、10兆円のソフトバンクビジョン1号ファンドの出資者たちに対する大きな説明責任が発生します。そして、準備中の2号ファンド設立が白紙に戻ってしまう可能性さえあります。
論理的には、投資の失敗=倒産とはなりません。
倒産するか・しないかは資金繰りの問題です。投資を失敗しても資金繰りさえ出来れば倒産はしません。
そして、ソフトバンクグループは資金繰りは得意です。借入・社債発行・新株発行・グループ企業の新規上場、、、など、ありとあらゆる手段を使って資金調達をして来ての今があります。資金繰りさえ出来れば、たとえ投資に失敗しても、そのことが即、倒産につながるわけではありません。
ただ、
企業の株式というのは、将来に得られる利益に対する所有権です。
ソフトバンクグループの株式に投資している株主は、ソフトバンクグループがこれから生み出してくれるであろう将来の利益への期待に基づいて出資をしています。それが、持株会社であるソフトバンクグループに出資していても、これからの将来における利益を期待できないと判断されると
自社の株式を売られてしまう
Weworkの建て直しにどれくらいかかるのかは正直わかりません。恐らく数年間はかかると思われます。
その間、グループのかなりの時間とエネルギーが、Weworkに使われる可能性があります。合計2兆円の投資をプラスにするまでの期間は、
ソフトバンクグループの苦戦が予想されます。
貴重な時間にて文章をお読みくださり感謝しています。
ありがとうございます。
それでは、また。
白坂慎太郎
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