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【ソフトバンクG】個人向け社債4,000億円発行へ

浅川です。

白坂先生に、今日の「なぜ」を解説していただきます。

【ソフトバンクG】個人向け社債4,000億円発行へ

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【ソフトバンクG】個人向け社債4,000億円発行へ

 

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■企業が社債を発行する目的は?

 

社債とは、会社が発行する借金証明書です。そのため、企業が「社債を買ってください」と言って、投資家に社債を買ってもらったら、企業は「借り入れ(借金)」という形で資金調達ができるようになります。これについて、今回は説明します。

最初に世界的なお金の流れから確認します。 まずは金融市場です。これは、銀行や証券会社、もしくは個人でお金をたくさん持っている個人投資家の人たちによる、要するにお金が余っているところです。そこから、ソフトバンクグループという企業がお金を調達します。

 

ソフトバンクグループは持ち株会社で、投資会社なので、金融市場でお金を調達したら、何らかの形でそれを再投資しようと考えます。

 

お金の流れの一番は、ソフトバンクグループが金融市場に対して社債を発行します。今回発表された金額は4,000臆円分です。次のようになります。

 

1)企業:【社債を発行】する

2)投資家:「買う」「買わない」を判断する

・投資家が「買う」なら、企業は【資金を調達】できる

3)企業:投資案件に【投資】をする

4)企業:投資案件から【収益】を上げる

5)企業:投資家に【償還】する

 

このような形で、ソフトバンクグループが発行した金額全てを買ってもらうことができれば、4,000臆円のお金を調達できます(2)。そして、投資案件に投資できます(3)。それがうまくいけば、当然収益が上がってきます(4)。ただし、この社債は借金なので、返さないといけません。ですので、最後は投資家にお金をお返しする、つまり償還する(5)ということです。これが、全世界的なお金の流れになります。

 

このような流れの中、日本人は1991年のバブル崩壊以降、「借金=悪」という固定観念が完全にできています。しかし、投資家としては、それを冷静に見なくてはいけません。

 

 

■社債発行で注目すべきは「収益」

 

今回の社債は、推測で利回り1.6%だと言われています。これは、前回ソフトバンクグループが社債を1.6%で発行したので、今回も同じ金利の1.6%だと考えられているという推測値です。つまり、次のような形です。

 

<投資家>

・100万円の社債を買う

・101万6千円償還される=16,000円増える

 

投資家は、このような社債を「買いたいかどうか?」を考えます。そこで私たちが見る必要があるのは、「収益」です。ソフトバンクグループが投資して、その投資案件がうまくいき、「収益が1.6 %よりも大きくなるかどうか」ということです。逆に言えば、ここだけを見ればいいとも言えます。

 

借金は「善」になる存在でもあれば、「悪」になる存在でもあります。悪になるのは、本来、1.6%プラスして借金を返すところ、【収益が1.6%を下回った時】です。たとえば、1.6%をプラスして返さないといけないところ、0.6%しか収益が増えなかった場合、借金の金額だけ1%の複利で、借金は雪だるまのように大きくなっていきます。

 

すると、いずれこの企業は借金を返せなくなります。金利の負担が増え、借金が雪だるまのようにどんどん膨らみ、「もう私たち返せません」という形になり、「借金が悪になる」という典型的な例になります。

 

一方、借金が善になる場合は、【収益が1.6%を上回った時】です。わかりやすく言えば、もし2.6%の収益を上げることができたら、「お金を調達して2.6%増やせました」「そのうち1.6%はお返します」となり、企業に1%残ります。この繰り返しで、次のような場合には「善」になり得ます。

 

・お金を調達した

・投資した

・2.6%増える(収益)

・1.6 %は投資家に返す(償還)

・1%は企業の手元に残る

 

こうなると、調達すればするだけ、今度は雪だるまのように1%の複利で企業にお金がどんどん増えていきます。要するに、企業の資産が1%の複利で伸びていくことになります。だから、借金は悪にもなり得れば、善にもなり得ます。そのポイントがどこかと言えば、「収益」となります。

 

投資家としては、とにかく「収益が償還の数字よりもが大きいかどうか?」だけを見続けることが非常に大切です。

 

 

■ソフトバンクグループに投資をする上での判断基準は?

 

投資家が今度、ソフトバンクグループの株式について見るとき、つまり私たち投資家が、株式投資をソフトバンクグループにするかどうかを判断するとき、次の視点が非常に大切です。

 

・収益が1.6%を上回るかどうか?

・どこに投資するために資金を集めようとしているのか?

 

参考までに、過去のソフトバンクグループの実例でいくと、「収益」は45%でした。だから、孫正義さんがたった一人で裸一貫で立ち上げたソフトバンクが今、時価総額1兆円以上になっています。ただしソフトバンクの中には、中国のアリババが入っているので、すごく大きいものをドカンと当てたということも含まれています。

 

今のソフトバンクグループの規模で、この先さらに45%ずつ収益が増え続けることは考えられません。とはいえ、「1.6%を上回るかどうか?」だけを見ていけば良いということです。

 

今、これだけ金利が低い時代です。バブルが崩壊する前の1980年代、90年代、日本国民が35年のローンを組んでマイホームを建てていたあの頃は金利が15%ぐらいついていました。それがバブルが崩壊し、アベノミクスでお金がたくさん供給され、日本史上最もお金を借りやすい、一番低金利でお金を借りやすい状態が実現しています。だから、誰かがお金を借りて、世の中の日本国内の資金を循環させようとしています。

 

繰り返しますが、今回のニュースで私たち投資家としては、次のことを考える必要があります。

 

・「借金=悪」という固定観念を1回外す

・借金は「悪」にもなり得るが、「善」もなり得ると考える

 

では、どこを見る必要があるかといえば、社債の4,000億円という金額の大きさではありません。

 

・何に投資をしたくて資金調達をしているのか?

・それは、1.6%以上の収益を上げられそうな案件か?

 

これらを判断していくことが重要です。それにより、正確な投資判断をしていくことができます。

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貴重な時間にて文章をお読みくださり感謝しています。
ありがとうございます。
それでは、また。

 

浅川淑子(あさかわよしこ)

 

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