サウジアラビア石油会社が上場へ
白坂です、
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>「サウジアラビアの国営石油会社サウジアラムコが国内の証券取引所タダウルに株式を公開すると発表した。サウジ政府は停滞する改革の勢いを取り戻したい考えだ。」
(『日本経済新聞』より一部引用)
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(『日本経済新聞』より一部引用)
まずは、サウジアラビア政府(ムハンマド皇太子)が持っている危機感から確認してみます。
(1)アメリカでシェール石油が採取できるようになったことで、アメリカが世界最大の石油産出国になっていること。
(2)アメリカ自身が石油の輸入国から輸出国になったことで、以前ほど、アメリカは中東やサウジアラビアに興味関心を持たなくなっていること
(3)国の経済の半分を石油の販売に頼っているサウジアラビアは、石油価格によって国の経済がものすごく大きく変動すること
上記の危機感から、
石油依存の経済からの改革を目指している
というのが現在のサウジアラビア政府(ムハンマド皇太子)が考えていると言えます。
そして、サウジアラビアにとって最も価値の高い国営企業であるサウジアラムコを、まずサウジアラビアの証券取引所に来月12月に上場させる運びとなりました。皇太子いわく
時価総額216兆円
世界1位の米アップルの2倍の時価総額の企業が誕生することになります。
(あくまで皇太子の想定通りであれば、、、です)
なぜ皇太子が時価総額216兆円と見積もっているかと言えば、サウジアラムコが出している当期純利益が、米アップルの2倍だからです。たしかに、理論上の時価総額というのは、将来得られるであろう期待収益を現在価値に割り引いた物ですので、もし今後の将来に渡っても、米アップルの2倍の当期純利益を上げ続けることができた場合は、たしかに皇太子の見積もり通りの時価総額となったとしても自然は自然です。
ただ、
全世界の投資家の見積もりとしては「151兆円くらいではないか?」と言われています。
それでも時価総額1位の上場企業となりますが、全世界が懸念しているがあります。
全世界が懸念しているのは、
(1)サウジアラビアの政治体制(皇太子による超独裁国家)
(2)イランとの中東関係
(3)環境問題から全世界が「脱」石油を目指している、、、
などのことです。
特に、(3)が大きいです。
地球温暖化の1番の原因が二酸化炭素であり、二酸化炭素の排出に火力発電が大きな影響を与えているのは、世界の常識です。なので、火力発電から太陽光発電や地熱発電などクリーンエネルギーの活用に全世界が取り組んでいる最中です。つまり、
「ここ数年が、石油使用の頂点になるのではないか?」
と懸念されています。
なお、
仮に皇太子の見積もり通り、「サウジアラムコは米アップルの2倍の当期純利益を得ているのだから、米アップルの時価総額の2倍の216兆円」という評価になったとしたら、来月12月には株式の1%から2%の2兆円から4兆円が売り出されることになりそうです。(わずか1%の株式売却で2兆円の資金調達というのは、他の上場案件とは桁違いの規模と言えます。)
なので、2014年にアリババが上場した時に集めることが出来た2兆7千億円を超えた、世界最大の上場案件となる可能性があります。そういう意味では、やはり極めて大きなニュースです。今後の注目事項としては、
(1)実際に上場した時にいくらの評価となるのか?
(2)その結果、いくらを資金調達することができるのか?
(3)集めることが出来たお金をどのようにサウジ政府(皇太子)は使うのか?
特に、最後の(3)には注目です。お金というのは調達することよりも、調達することができたお金を有効に使うことの方がはるかに難しいからです。
ムハンマド皇太子は、ソフトバンク・ビジョンファンド(第1号ファンド)に約5兆円を出資しました。つまり、「どのようにお金を使うか?」を自分たちで判断するのではなく、ソフトバンクに委ねたということです。ただ、今度は、自分たちで集めたお金を「どのように使うのか?」を自分たちで決めることになりそうです。いずれにしても、
来月12月に行われるであろう世界最大の上場案件に注目したいと思います。
貴重な時間にて文章をお読みくださり感謝しています。
ありがとうございます。
それでは、また。
白坂慎太郎
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