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RIZAP(ライザップ)最終赤字

白坂です、

 

RIZAP(ライザップ)最終赤字

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>「RIZAPグループが発表した2019年4~9月期連結決算は、最終損益が6600万円の赤字だった。同期間の最終赤字は2年連続。急速なM&A(合併・買収)で抱えた子会社の採算改善を進めたものの、利払い費用や税負担などを吸収できなかった。」

(『日本経済新聞』より一部引用)

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RIZAP(ライザップ)グループほど、数字だけで企業を分析することが難しいことを知らしめた企業はないのではないかと思っています。

 

昨年2018年5月までRIZAP(ライザップ)グループの数字は絶好調でした。

売上も利益も右肩上がり。株価に至っては上場以来、最高値で500倍にも達したこともありました。

そのRIZAP(ライザップ)の数字の増大が本当の成長ではなく単なる膨張に過ぎなかったことは、松本晃さんがカルビーからRIZAP(ライザップ)グループに代表取締役として招聘されて初めて分かったことです。

 

日本屈指のプロ経営者である松本晃さんでさえ、「RIZAP(ライザップ)の瀬戸社長に惚れました。瀬戸社長を日本を代表するような経営者にしたいと思っています。」とおっしゃっていました。要するに松本さんはRIZAP(ライザップ)グループという会社のことをあまり詳しく知らないまま、瀬戸社長という人に惚れたというだけで入社したわけです。

 

世界時価総額:10位のジョンソン&ジョンソンで会長を務め、カルビーを9年間で売上2倍への持続的成長へと導いた松本晃さんでさえ、RIZAP(ライザップ)グループのことは入社して内側に入らなければよく分からなかったのです。まして外部のマスコミや投資家でRIZAP(ライザップ)グループの数字の増大が「単なる膨張」であり「本当の成長」ではないということに事前に気づくことは不可能だったと思います。

 

松本さんはRIZAP(ライザップ)に入社して、まず最初にグループ企業を1社・1社回り始めました。そして、ご自身のRIZAP(ライザップ)への入社があまりに衝動的で・軽はずみだったことにすぐに気づいてしまいます。RIZAP(ライザップ)グループには80社以上が集まっていますが、

 

 

その9割以上が再建可能性がほとんどない企業ばかりだった

 

 

たとえるならば、RIZAP(ライザップ)グループというグループ会社の中に1社か2社くらいはガン細胞のようなものが含まれていたとしても外科手術によって摘出できるかと思っていたら、ガン細胞は1社か2社どころではなく、グループ全体に転移してしまっていて蓋を開けて見た時点で既に処置不能だった、、、という感じです。

 

結局、松本さんは3か月ごとにどんどん・どんどん、ご自身の役職と責任を軽くしていき、わずか1年でRIZAP(ライザップ)グループの取締役を辞任してしまいました。松本さんほどのプロ経営者でも、「瀬戸さんを日本を代表する名経営者に」というのは、実質、ほぼ不可能だと判断してしまったのだと思います。

 

 

M&A(合併・買収)で、ただ売上高などの数字を増やし続けても意味がない

 

 

普通、M&A(合併・買収)というのは、100億の価値の企業を150億円で買収します。プラスの50億円は会計上は「のれん代」として処理されますが、企業からすると買収先の企業に「期待」しているからプラス50億円を出すわけです。

 

ところが、

RIZAP(ライザップ)グループが行ってきたM&A(合併・買収)は逆で、100億の価値の企業を50億円で買収してきました。マイナス50億円は「負ののれん代」として、企業としては50億円を得できたとして営業利益として計上していました。

 

なぜ50億円安くで買えたかといえば、相手の企業が衰退産業にある企業だったからです。今は、まだ100億円の価値が残っているのかもしれないけれど、衰退産業の企業なので先の見通しは暗い。誰にも期待されていない。それは相手先の経営者にとっても同じ。だから、50億円安いバーゲン価格で相手企業を買えた、、、

 

 

相手の経営者だったら建て直せないけれど、自分であれば建て直せると考えてしまった

 

 

1社だけだったら建て直せたかもしれません。しかし80社以上です。たった1社でさえ建て直すのにでさえ、膨大な時間とお金が必要になるのに、80社以上は無理です。80社の経営状況を理解することでさえ難しいです。致命的なのは、

 

 

厳しい企業を買うのは簡単だったとしても、売るのは至難の技

 

 

今から衰退していくであろう企業を買いたいという企業を見つけるのは簡単ではありません。つまり、たとえ相手の企業を再び売りたいと言っても、買い手企業を見つけることが出来ないわけです。まさに全身転移をしてしまったガン細胞を摘出できないのと全く同じ状況です。

 

今回の中間決算では2期連続での赤字だけれども赤字額は昨年よりは縮小しているというニュースでした。であれば、「もしかしたらRIZAP(ライザップ)グループの経営再建は進んでいるのでは!?」とも解釈できなくはありませんが、進む・進まないというよりは処置不能だと判断する方が妥当だと思っています。

 

1番は、RIZAP(ライザップ)の本業であるボディメイク業の売上さえ昨年対比で微増しかしていないこと。稼ぎ頭の本業さえ伸ばせていないのであれば、衰退産業の中にある再建中の企業を伸ばせるはずがありません。

 

 

「単なる膨張なのか?」それとも「本当の成長なのか?」、、、

 

 

投資家としても経営者としても常に念頭に置いておきたい最も重要な問いだと考えています。

 

RIZAP(ライザップ)最終赤字

 

貴重な時間にて文章をお読みくださり感謝しています。
ありがとうございます。
それでは、また。

 

白坂慎太郎

 

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