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楽天が午前7時、アマゾンが午前7時半宅配

浅川です。

白坂先生に、今日の「なぜ」を解説していただきます。

 

楽天が午前7時、アマゾンが午前7時半宅配

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楽天がAM7時から、Amazonが7時半から宅配

 

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> 在宅率の高い早朝(6~9)に荷物を配達する動きが広がっている。アマゾンジャパン(東京・目黒)が早朝宅配の試みを地方都市にも広げ始めたほか、佐川急便も本格サービスの開始へ検討を始めた。(2020127日付『日本経済新聞』より一部引用)

 

■このニュースから学べることは?

 

今回のニュースで、宅配の取り組みに積極的なのが、楽天とAmazonだとわかります。大手の宅配業者が始めたことではないところに注目すべき点があります。宅配業界の順位は、今、次のような状況です。

 

・1位:ヤマト運輸

・2位:佐川急便

・3位:日本郵便

 

宅配業社として後発の楽天とAmazonが、「早朝宅配」の取り組みを始めたということは、ヤマト運輸や佐川急便は完全に遅れていると言えます。宅配の小規模企業が最初に取り組みを始めたことに、一つのポイントがあります。

 

「早朝宅配」の目的は、【再配達を減らすため】です。今、仮に100個の荷物があれば、15%が再配達です。同じ場所に2回を配達するのは、宅配業者にとっては負担です。さらに人手不足も相まって、次のように各社が考えたということになります。

 

・宅配の仕事を希望する人:減少

・宅配すべき荷物量:増加

・人手不足が深刻になる

・再配達15%を減らしたい

・在宅率の高い早朝に配達し、再配達件数を減らす

 

このように再配達を減らせば、人件費が下がります。経費を下げられるので、利益を増やすことができます。

 

 

■本当に、早朝宅配で再配達問題は解決するのでしょうか?

 

早朝に宅配をすると、居留守を使う人は出てくるかもしれませんが、楽天とAmazonも土日は消費者に配慮し、朝8時からの配達にすると発表しています。ただし、こうした対応は短期的な「目の前の問題が起きているから」という考えでの対処方法に過ぎません。抜本的な解決にはなっていないと思います。

 

もし、これでも再配達が増えれば、「では6時45分からの配達にしよう」ということにもなりかねません。以下の流れの中、いずれは限界がきます。

 

・宅配の仕事を希望する人:減少

・宅配すべき荷物量:増加

 

早朝宅配の他に、「置き配」(不在時玄関先に置いておく)というものがあります。この「置き配」の方が現実的な解決策になっているようには思います。ただそれでも「玄関に置いたら、誰かに持っていかれた」という問題が生じる可能性はあります。全員が希望留守とは限りません。

 

では、抜本的な解決には何が必要でしょうか?

 

ここからは、あくまでも私(白坂)個人のアイデアレベルの話です。

 

抜本的な解決のためには、不動産業者や行政を動かす他ないと考えます。具体的には、マンションや個人宅に「宅配ボックス」(注:不在時に、宅配業者が荷物を入れられるロッカー)を設置します。それがどの家にも必ずあれば、不在時でも荷物を受け取るようになります。

 

【宅配ボックス付きの住居、マンションをさらに増やす】ことが、1番の解決策になります。ただし、これは宅配業者の各社だけで解決できる話ではありません。不動産業者、都市開発業者、行政を巻き込み、【宅配ボックスを家の戸数分、設置を義務化する】という国家プロジェクト的な動きがあれば、本質的に解決できると感じます。

 

これを実現させるためには、宅配業者が手を組み、行政に働きかける必要があります。なかなか実現は難しいと思われますが、こうした解決策に比べれば、早期宅配は対処療法だと思えてきます。

 

 

■投資家から見ると?

 

今回、宅配大手3社の中に、楽天やAmazonが新しいサービスを始めたことで、今後さらに宅配業社の競争が激しくなる可能性があります。それにより、業界自体が改善され、良い影響が期待できる可能性も出てきます。

 

しかし、投資家としては宅配業界に対して、厳しい見方をしています。荷物量は増えているので、売り上げは上がるかもしれませんが、当面は人手不足が予想されます。人件費が上がるので、1年間で業績が急転するとも考えられません。

 

まだまだ、日本全体として宅配業社は厳しい状態が続くと言えます。

 

今日のまとめ・・・・・・・・・

 

早朝宅配は、再配達量を減らすため、宅配事業の後発会社である楽天やAmazonが始めました。今後、業界内での競争が激しくなる可能性があります。ただし、人手不足の中、今回の対応では抜本的な解決には至っていないことに注目が必要です。

 

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貴重な時間にて文章をお読みくださり感謝しています。
ありがとうございます。
それでは、また。

 

浅川淑子(あさかわよしこ)

 

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