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楽天 1141億円の赤字

白坂です、

 

楽天 1141億円の赤字

 

楽天が年間決算で、
1141億円の赤字を発表しました。

 

>「将来の成長のための先行投資で
赤字になりました。」

 

言い訳

 

赤字は赤字。
その理由は一切で不要です。

 

たとえば、
小学生が宿題をやっていなかったという
事実があったとして、宿題をやっていなかった
理由として何を言ったとしても、

 

言い訳

 

相手の同情心に訴えかけながら
宿題をやっていなかった自分を
守ろうとしている詭弁に過ぎません。

 

同じように、

 

赤字というのは、企業の所有者である
株主の純資産を減らしたということです。

 

1141億円の赤字ということは、
1年間で、1141億円分、株主の
純資産を減らしたということです。

 

言い訳不要

 

人は、神様ではありません。
仏様でもありません。
だから、間違えます。

 

まして、

 

不確実な未来に対して意思決定をするのであれば、
間違えることはあります。だから、間違えることは
問題ではありません。

 

人間であれば間違えることは避けられない。
だから、間違いは悪ではない。
もし悪になるとすれば、

 

間違いを間違いと認めないこと

 

もし、
小学生が宿題をやっていなかったのであれば、
なぜ宿題をやれなかったのかという言い訳は
一切で不要。時間の無駄。

 

>「すみませんでした。
次からは、こういう工夫をすることで
今後は必ず宿題を提出するようにします。」

 

で解決。

 

宿題をやっていなかったという過去を素直に
反省した上で、今後の未来に対しての最善の
改善策を講じる。そして、実践に移す。

次こそはチャンと宿題を提出する

 

同じように、

 

赤字は赤字。その言い訳は不要。

 

株主の純資産を1141億円も減らしてしまった
ことに対しては素直に反省するべき。

 

将来の成長のために赤字が許されるのは、
成長分野において、最速で1位を獲りに行く時だけ。

 

インターネットの世界は、「勝者総取り」という性質があります。
だから、成長分野で、しかも、まだその市場における
明確な1位の存在がいない場合に、最速で1位を獲りに行く時だけ、
先行投資での赤字が許されます。

 

しかし、

 

楽天の赤字理由は、主に、通信分野への参入のため。
通信分野は成長分野ではありません。成熟分野です。
日本には既に1.8億台もの携帯・スマホが普及済みですから。

 

ドコモ・au・ソフトバンクの3強に食い込むための
楽天の最大の武器は、「安くて」「分かりやすい」料金プラン。

 

しかし、

 

昨年末に、ドコモが新料金プランで
「アハモ」を発表した時点で、勝負あり。
楽天が通信分野で黒字化する道は閉ざされました。

 

であれば、

その時点で、

 

楽天は通信分野からの撤退を決断すべき

 

今まで、どれだけの時間とお金と労力を通信分野に
投資していたかは全く関係ありません。過去に投入された
経営資源は、未来に対しての意思決定に全く影響を与えません。

 

なぜなら、
今後、どのような意思決定をしたとしても、
過去に投入された経営資源は返ってこないから。

 

どうせ、もう返ってこないのであれば、
撤退を決断して、出血を止めて
被害を最小化する必要があります。

 

楽天は、
2016年以来、もう5年間も株価が横ばい。
低迷しています。楽天の経営陣は、

 

>「楽天は、コングロマリット・ディスカウントで
株価が実態より低く評価されている」

 

と説明しています。

 

コングロマリット・ディスカウントというのは、
多種類の事業をやっている大企業は株価が低迷しやすい、ということです。

 

なぜなら、投資家からすると
「この企業は何をやっている企業なのか?」が分かりにくいから。
事業の分かりにくさのために、株価が実態より低くなりやすいことを
コングロマリット・ディスカウントと呼んでいます。

 

>「楽天は、コングロマリット・ディスカウントで
株価が実態より低く評価されている」

 

違います。

 

楽天は東証一部の企業です。
日本だけではなく全世界のプロの機関投資家が
企業分析をしている企業です。

 

たとえ3ヶ月や6か月の短期で正しく評価されていない
ということはあっても、5年も正しく評価されていない
ということは絶対にあり得ません。5年以上の株価の評価は妥当。
株価が低迷している理由は、

 

業績

 

利益が増えて、利益剰余金が増えて、
株主の純資産が増えていっているのであれば、
株価も当たり前に上がっていきます。

 

もし株価が上がっていないということであれば、
利益が増えていないから。株主の純資産が増えていないから。

 

むしろ、

 

赤字で株主の純資産を減らしているから

自分が預けている大事なお金が減っていたら、
誰だって不満を抱く。持っている株を売却するのも
当たり前。だから、株価が上がらない。

 

経営者だって人間。
間違います。まして、不確実な未来に対して
意思決定をすれば、失敗は避けられません。

 

だから、
意思決定の間違いは悪ではありません。
望ましいことではなかったとしても許容されます。

 

もし間違いが悪になり得るとしたら、間違いを間違いと
認めないこと。過去の自分の言動に囚われてしまい、
今まで投入した経営資源がモッタいないと感じてしまって
意地になってしまうこと。撤退しないこと。

 

人は過去に囚われる。

しかし、投資家や経営者は過去に囚われてはいけない。

 

あくまでも、

「未来に対して、今、何が最善か?」

だけで意思決定しなければならない。

 

「撤退」の意思決定は、「やる」決断の10倍の勇気が要る。

「やる」決断は、勇ましい。称えられる。

 

しかし、

 

「撤退」の決断は、非難される。批判される。恥をかく。
信頼も失う。しかし、それでも、

撤退すべき時は撤退しなければならない

 

でなければ、
被害がさらに拡大してしまうから。最悪、倒産に
至ってしまう。再起不能にさえなる危険性がある。

 

もし過去の言動に囚われずに撤退すれば
損切り出来る。損は確定してしまうが、
しかし、それ以上、損は拡大しない。出血は止まる。
再起を図れる。

 

楽天市場・楽天銀行・楽天証券、、、という本業での今後の成長を図れる

 

通信は、
ドコモ・au・ソフトバンクの3社の料金がかなり高いままで
あったら、楽天にも勝ち目があった。

 

他社の約3分の1の分かりやすい料金での新規参入であれば、
3強に食い込んで4強として持続的な利益を確保できる可能性もあった。
しかし、ドコモが新料金プラン「アハモ」を発表した時点で、
勝負あった。勝ち目がなくなった。であれば、

 

撤退だけが唯一で合理的な意思決定

 

楽天は、楽天市場でEC(電子商取引)で日本一位の企業。
であれば、まずは、このEC(電子商取引)をさらに
成長させるために「直接的」な投資に集中するべき。

 

もしコングロマリット(複合企業)で投資家から
分かりにくいというのであれば、むしろシンプルな
企業にしていくべき。

 

最も大事なことは間違わないことではなく、
「間違った後に、どうするか?」

もし、企業が株主のものであるという認識があれば、
発表するべきは開き直りではなく、反省。

 

赤字1141億円ということは、
1年で、株主の純資産を1141億円も減らした
ということなのだから。

 

人も・人の集まりである企業も、
開き直りからでは成長しない。

 

間違いは間違いとして素直に認める。
反省すべきは素直に反省する。
撤退するべき時は素直に撤退する。

 

そのうえで、

「未来に対して、今、何が最善か?」

を冷徹に意思決定し続ける。

 

楽天は通信で1位になれる可能性はない。

しかし、
楽天市場は、電子商取引(EC)で
依然として1位であり、なおかつ、まだ成長している。

 

であれば、なすべきことは明確。楽天市場を1位から
圧倒的な1位にしていくこと。もし経営資源を集中すると
いうのであれば、通信ではなくEC(電子商取引)。

 

そうすれば、
通信への新規参入による失敗を遥かに上回る
利益を獲得していくことが出来ます。

 

再び、持続的な成長軌道に戻していくことが出来ます。

 

楽天 1141億円の赤字

 

今回は以上です。
本日も文章をお読みくださり感謝しています。
いつも本当にありがとうございます。

 

白坂慎太郎