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大阪都構想についての私見

大阪都構想に対する是非を問う住民投票が行われました。

結果は、

 

2度目の否決

 

であれば、現行の構想は行わない方が良かったということです。

なぜなら、一人一人の価値観がバラバラでどれだけ議論をしても全会一致で決められない場合は、

 

市場に決めてもらうしかないから

 

です。

一人・一人の個々の意見は当てになりません。

それぞれが、それぞれの立場で好き放題に言い合うことが物事を前進させることは決してありません。

しかし、

 

4,000以上の統計結果は当てになる

 

一人の天才が考えたアイデアよりも、4000以上の統計結果に基づく結果の方がより最善に近い。統計学の基本中の基本。
今回の大阪都構想に関しても、「賛成派」と「反対派」がどれだけ議論を尽くしても全会一致にはならない命題。

であれば、市場に決めてもらう。住民に決めてもらう。そして、住民が出した結論がNOなのであれば、

 

NOが最善に近かった

 

ということです。

 

市場というのは、たとえ明確に言語化できていなかったとしても、「なんとなく、、、」の違和感を感じたら、その違和感に基づいて判断をするところがあります。そして、この「なんとなく、、、」が一人の天才が考えた合理的なアイデアよりも最善に近い。色々と合理的に説明してもらっているけれど、「なんとなく、、、違和感がある」場合は、その違和感を解消する必要があります。今回の大阪都構想に関していうならば、

 

「なぜ自治体の数が増えるのか?」

 

という素朴な疑問を住民が「なんとなく、、、」違和感として感じたのでしょう。

そして、その違和感こそが正解。大阪市という1つの自治体を廃止する代わりに、新たに4つの区を新設する。

1つ廃止して4つ新設したら、結局、自治体が3つ増えることになります。

 

・改革とは、組織や人員を増やすことではなく【減らすこと】

・改革とは、組織や人員を増やすことではなく【減らすこと】

・改革とは、組織や人員を増やすことではなく【減らすこと】

 

組織や人員を増やすことは誰でも出来ます。

自然の摂理だからです。一人当たりが忙しくなったら人を増やす。

人が増えれば組織が成長しているような感じがする。

年々・年々で組織の数が増えて、人員が増えれば、成長しているような気がする。

 

しかし、実際は錯覚。

理想の組織とは、組織の数が多いことでも人員が多いことでもない。

本当の理想の組織とは、一人当たりの生産性が高いこと。すなわち少数精鋭。

 

たとえば、

民間企業で世界1位の企業がアップルであると言われているのは、アップル社の社員数が世界で1番多いからではありません。アップル社よりも社員数が多い企業はたくさんあります。アップルが世界一位の企業だと世界から認識されているのは社員数が多いからではなく、少数精鋭だから。少ない人数で大きな付加価値を出しているから。これは民間企業に止まらず行政組織も全く同じ。

 

・組織に問題が生じているとしたら、単純に組織と人員の人数が多過ぎるから

・組織に問題が生じているとしたら、単純に組織と人員の人数が多過ぎるから

・組織に問題が生じているとしたら、単純に組織と人員の人数が多過ぎるから

 

イメージとしては電車の中。

空いている電車では問題は生じない。みんなが十分に余裕を持って座れるのであれば人間関係の問題は生じない。

もし、ある狭い空間の中で人間関係の問題が発生しているとしたら、組織内の人員が多過ぎるから。

ギュウギュウの満員電車だからこそ、隣の人の足を踏んでしまったりしながら、違いが互いにストレスを感じあってしまう。

 

電車の中の物理的な面積は決まっている。

その中で人間関係の摩擦をなくすとしたら方法は1つしかない。

それは、電車1台当たりに乗る人の数を減らすこと。

ギュウギュウの満員電車の状態を、みんなが余裕を持って座れる状態に変えれば、人間関係の問題は立ち所に消える。

 

だから、

今回の大阪都構想が、もし本当に「維新」だというのであれば、「改革」だというのであれば、自治体を3つ増やすことは解決策にならない。単純に

 

大阪市を1つ減らすこと

 

純減で1であれば「維新」になり得る。「改革」となり得る。

今までは、大阪府と大阪市の2つの自治体でやっていた行政を、大阪都1つでやることにしたならば「維新」になり得る。「改革」となり得る。自治体の数が1つ減らしていくのであれば、当然、公務員の数も減らしていく。そうすれば、

 

大阪の行政という電車の中の人数が減る。

 

大阪府と大阪市の二重行政の課題は綺麗に解決する。

今までもよりも、少ない自治体数、そして、少ない人数で、今まで以上の仕事をやってこそ「維新」。そして「改革」。

そして、それは可能。

 

「なぜ、自治体数や人員数が減るのに、今まで以上の仕事をやることが可能なのか?」

 

簡単です。

内部の人間関係の調整に無駄に使われていた「時間」「お金」「エネルギー」が減るからです。

自治体の数が多かったり、人員が多いと、組織内の調整や利害関係の調整など、内向きの「時間」「お金」「エネルギー」が無駄にたくさん使われています。満員電車であれば、隣の人の足を踏まないように・当たらないように気を遣わざるを得ない。他のことに意識を使えない。

 

これが、

空いている電車であれば、他人に気を遣わなくて済みます。

電車の中でリラックスしながら他のことを考えることに時間を使うことが出来ます。

行政であれば、それこそ住民サービスに時間やエネルギーを使うことができます。

 

なので、

本当に合理的な「維新」や「改革」を行うというのであれば、

 

・これまでは「大阪府と大阪市の二重行政の無駄が生じていた」

・「だから、今回、大阪市を廃止します。大阪府と大阪市の2つでやっていた仕事を大阪都の1つでやります!」

・「今まで組織内部で大量に無駄に使われていた『お金』『時間』『エネルギー』を、より良い住民サービスと大阪の更なる発展のために全集中させていきます!!」

 

であれば、論理が通る。

文字通りにスッキリする。

感情的にはともかく、すくなくても論理的には反論は出ない。

 

しかし、

実際は、

 

・これまでは「大阪府と大阪市の二重行政の無駄が生じていた」

・「だから、今回、大阪市を廃止します。その代わりに新しい区を4つ新設します」

 

という構想だったので、論理的にオカシナことが出てきてしまっていました。

「うん!?二重行政の無駄を解消するために区が4つ新しく出来る?どういうこと??」

 

組織構造を変えるために予算を削減するどころか、逆に、約270億円ものお金が追加でかかるという。

これでは道理が通らない。この道理が通らないことを無理矢理に、

 

>「改革のためには約270億円もの先行投資が必要なんです!」

とか、

>「予算9兆円の大阪府からすれば270億円の支出は割合としては大した問題ではありません!!」

とか、

>「大阪市が1つの時よりも区が4つ出来た方が、今までよりもより身近な住民サービスが出来るようになるんです!!!」

 

などと訴えたところで、無理。

どれだけ説明を聞いたところで論理が無理矢理なので、どうしても住民は腑に落ちない。

「相手の人は一生懸命に説明してくれてはいるけれど、【なんとなく、、、】腑に落ちないなぁ・・・」

 

そして、

その【なんとなく、、、】こそが正解。

大阪都構想には、構想に欠陥があった。

ものすごく単純。改革といいながら、自治体を3つも増やすという構想だったから。

 

・改革とは、組織や人員を増やすことではなく【減らすこと】

・改革とは、組織や人員を増やすことではなく【減らすこと】

・改革とは、組織や人員を増やすことではなく【減らすこと】

 

もし、

論理的に筋を通すのであれば、

 

・これまでは「大阪府と大阪市の二重行政の無駄が生じていた」

・「だから、今回、大阪市を廃止します。大阪府と大阪市の2つでやっていた仕事を大阪都の1つでやります!」

・「今まで組織内部で大量に無駄に使われていた『お金』『時間』『エネルギー』を、より良い住民サービスと大阪の更なる発展のために全集中させていきます!!」

 

という構想にするべき。

であれば、少なくても筋は通る。

住民は納得する。あとは、組織内部の抵抗勢力との闘いだけとなる。

抵抗勢力との闘いだけであれば、住民を味方につけられた場合は勝てる。

 

と言うことで、

 

大阪都構想に対する是非を問う住民投票。

結果は、

 

2度目の否決

 

住民が「なんとなく、、、」感じた違和感を数字という結果で表しました。

それは、たった一人の天才が考えた一見では合理的なアイデアを、【衆知】が違和感とともに否決したということです。

組織の長は、【衆知】に対して、いつも謙虚であり続けることが最も重要。【衆知】が正しいという前提に立てば、過去にとらわれず、現状に満足せずに、無限に改善をしていくことが出来る。

 

【衆知】が正しいという前提に立てば、無限に成長をしていくことが出来ます。

 

文責:

白坂慎太郎