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日産 1年ぶりに最終赤字へ

浅川です。

白坂先生に、今日の「なぜ」を解説していただきます。

 

日産 1年ぶりに最終赤字へ

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日産 1年ぶりに最終赤字へ

 

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> 日産自動車の業績悪化が深刻になっている。13日発表した2019年10~12月期連結決算は最終損益が260億円の赤字(前年同期は704億円の黒字)だった。(2020年2月13日付『日本経済新聞』より一部引用)

 

 

■日産はなぜ赤字になったのでしょうか?

 

日本の自動車会社には、どのような会社があるでしょうか?

 

・トヨタ

・ホンダ

・日産

・三菱

・スバル

・スズキ、、、

 

では、消費者は自動車を買うとき、何で選ぶでしょうか?

 

・「ブランドイメージ」?

・「安心感」??

 

普通の人から見れば、自動車の本来の性能の違いはよくわかりません。選ぶとしたら、各社の名前でしか選びようがないと言えるのではないでしょうか? もしかすると、トヨタより日産の方が性能がいいこともあり得ますが、ブランドイメージでトヨタを選ぶ、という人は多いでしょう。

 

日産はかつて、トヨタに次いで2位でした。でも今は、次のように5位に下がっています。

 

・1位:トヨタ

・2位:ホンダ

・3位:スズキ

・4位:スバル

・5位:日産

 

なぜ下がったのでしょうか? それはブランドイメージが低下したからです。「日産」と言うと、カルロス・ゴーンさんの名前が浮かぶと思います。それにより日産のブランドイメージが低下しました。消費者はブランドイメージで選ぶことが多いため、日産は選ばれにくくなっているのです。

 

今回のニュースを見ると、赤字の理由について、円安、中国でのコロナウィルスの影響などと書かれてあります。これらの理由は全て、本質ではありません。単純にブランドイメージが下がっているからです。もし、円安やコロナウィルスが影響しているのであれば、トヨタも同じでしょう。でも、トヨタは1位なのに、日産だけが下がっているので、結局、ブランドイメージが低下していることが1番の理由です。

 

 

■日産は今後どのように変わっていくのでしょうか?

 

今回、このニュースを受けて、私(白坂)は、日産の現社長が説明している決算説明会の動画を見ました。でも、「相当厳しい」という印象でした。今、現状が厳しいのではなく、今後上がる感じがしないのです。

 

それは、「他人のせいにしているから」。

 

業績が悪化している原因について、自分たち日産のせいではなく、「円安が」、「コロナウイルスが」、という形で説明していました。カルロス・ゴーンさんについても、日産は「ゴーンさんが悪い」というという発表をしました。それも、おかしいと思いませんか?

 

そもそも会社の所有者は、株主です。日産も、日産の株を持っている株主のものです。株主が社長・経営者に、「私たち株主の代わりに会社を経営してください」と委任している状態です。でも、経営者は人間なのでいろいろな感情があります。欲望があり、「お金を自分で使いたい」などと思うこともあります。そのために、取締役を置き、社長や経営者を取り締まっています。

 

カルロス・ゴーンさんが悪いことをしたとき、本人の理由はありますが、日産の取締役にとっては他人事ではありません。そもそも、見張っておらず、取り締まれていなかった問題があります。それを考えると、カルロス・ゴーンさんに損害賠償請求をしたこともおかしいのです。

 

企業も個人も一緒ですが、決算説明会で「どのような説明をしているか」を見ることで、今後、伸びるのか、厳しいかを簡単に判断できるようになります。

 

たとえば、わかりやすく個人で例を挙げましょう。成功する人とそうでない人の違いは、次のようになります。

 

<成功する人>

・うまくいく時:「みなさんのおかげです」と言う

・失敗した時:「私のせいで」と言う

 

<成功しない人>

・うまくいく時:「どうだ、オレ、すごいだろう?」と言う

・失敗した時:「あの部下のせいで」と言う

 

今回、日産の決算説明会を見ると、「円安が」「コロナウィルスが」「カルロス・ゴーンさんが」という形で他人のせいにしていました。それではうまくいく感じがしません。次のような疑問が生じてしまいます。

 

・「そもそも取締役がちゃんと機能していたのですか」?

・「ちゃんと統治されていたのですか」??

・「ガバナンスは効いていたのですか」???

 

これらに対する説明は全くありませんでした。ですから、うまくいくように思えないのです。

 

 

■今回のニュースから学べることは?

 

今回のニュースは「赤字に転落」というニュースですが、今後どうなるかという見方をするとき、決算説明会の動画を見て、「原因を誰のせいにしているか」を見れば、今後の見通しが簡単につくことを知っていただきたいと思います。

 

たとえ今、厳しくても、「私たちのこういう部分がよくなかったので、ここの部分、これを、こう改善していくということで、成長を目指しています」ということであれば、期待できます。

 

しかし今回のような説明の仕方であれば、日産は相当厳しい説明でしたので、投資家として「厳しい」という見方ができることを感じていただければと思います。

 

 

 

■今日のまとめ・・・・・・・・・

 

日産は、ブランドイメージが下がったことで赤字に転落しました。決算説明会を見ると、転落理由を他人事としていたため、投資家から見れば「厳しい」と判断できました。決算説明会で、「誰のせいにしているか」に注目することで、今後の予測ができるようになります。

 

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貴重な時間にて文章をお読みくださり感謝しています。
ありがとうございます。
それでは、また。

 

浅川淑子(あさかわよしこ)

 

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