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「70歳超えても働く!?」60代の54%が希望

浅川です。

白坂先生に、今日の「なぜ」を解説していただきます。

 

「70歳超えても働く!?」60代の54%が希望

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「70歳超えても働く!?」 60代の54%が希望

 

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>企業に70歳までの就業機会確保への努力義務を課す「高年齢者雇用安定法」の改正案が通常国会に提出される。60代の働き手を増やし、少子高齢化で増え続ける社会保障費の支え手を広げる狙いがある。(『日本経済新聞』より引用)

 

 

■70歳定年法は、誰に対してのメリット?

 

今回の登場人物は、以下の三者があります。

1)労働者本人

2)企業の経営者

3)社会全体

 

今回のニュースは、「労働者本人」にとってはプラスになる話です。かつて60歳が定年だった時代、定年退職の日は「生前葬」と言われることがありました。退職者はその日から出勤する場所がなくなり、「働く仕事もない」「役にも立たない」という無力感に襲われます。家にいる奥さんからは「毎日家にいてゴロゴロして」という不満をぶつけられ、熟年離婚に発展するケースも増えました。

 

それが、70歳まで上がると、労働者は社会の役に立つ実感をより長く感じられます。元気なうちにまだ働く時間が増えますので、収入も増えます。それを政府が後押しするということは、労働者にとっては喜ばしいことです。

 

「社会全体」にとっても、プラスだと考えられます。日本の総人口が減り、若い労働力が減っていく中、人数の多い65歳以上の人たちが働けば、日本全体の労働力を維持できます。政府が積極的である姿勢も納得がいきます。

 

 

問題は、「企業の経営者」です。従業員は、年齢が上がると年功序列で給料が高くなります。その人たちの定年が延長されると、企業は高い給料を払い続けなくてはいけません。

 

仮に、経験のある人が長く働いてくれれば、その分売上に貢献してもらえるので、企業にとってはプラスになります。しかし、終身雇用で長く残っている人の知識、技能、経験には個人差があります。若い人たちの方が知識や技能が優れていることもあります。その場合、会社にとっては、支出が増えるため、マイナスとなります。

 

このように、「70歳定年」は、労働者や社会にとってはプラスであっても、企業にとってはマイナスの可能性もあります。

 

 

■「70歳定年」の時代に必要なことは?

 

今は「人生100年時代」です。そのため、個人が会社に頼らず、人生設計をしっかりと考える必要があります。

 

企業の年功序列、終身雇用という考えは、上の世代の人たちには残っていますが、20代、30代の人でそのような考えで働き続ける人は少ないでしょう。その時代において、これからは次のようにゴールから遡って考える必要があります。

 

・「人生100年」であれば何をしたいか

・そのために、どのような知識・技能を身につける必要があるか

・そのために、今の仕事でどのように自分を高めていくか

 

このように考えていけば、会社の定年年齢を気にすることがなくなり、自分自身で成長する働き方を選んでいくことができます。

 

■企業に求められる姿勢は?

 

70歳定年法は企業への「努力義務」なので、必ずしも定年を70歳にしなければならないという意味ではありません。「一年単位で雇用する」「一度退職し、再雇用する」など、複数の選択肢があります。

 

しかし、努力義務である以上、企業経営者は当然、無視することはできません。一人一人の労働者に対し、個人の能力や希望を見極め、どの選択肢を提案するか考える必要があります。

 

経営者は、お金や数字を考える必要がありますから、業界が停滞しているのに、給料の高い人を雇い続けることはできません。仮に70歳定年を導入するのであれば、その分人件費を維持できるよう、新規事業・新商品・新サービスなどに挑戦し続けることが必要です。

 

この点を、投資家も注目しています。従業員全てに対し「あなたは70歳まで働けます」という姿勢でいるのではなく、「あなたは知識・技能を持っているから70歳まで働けます」という企業を求め、70歳定年を導入する理由や、人件費を支える新規事業への挑戦などもドライに判断しています。

 

これからの企業は、年齢によらず個人の能力を活かした上で、新しい事業を積極的に展開することが求められていると言えます。

 

 

今日のまとめ・・・・・・・・・

 

「70歳定年法」は、労働者や社会全体にはメリットがある一方、企業の経営者にとってはマイナス面もあります。これからの時代は、個人には人生設計を考えること、企業には個人の能力を活かしながら新事業を展開することが求められています。

 

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貴重な時間にて文章をお読みくださり感謝しています。
ありがとうございます。
それでは、また。

 

浅川淑子(あさかわよしこ)

 

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