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「#もっと一緒にいたかった」男性育休プロジェクト

浅川です。

白坂先生に、今日の「なぜ」を解説していただきます。

 

もっと一緒にいたかった 男性育休

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「#もっと一緒にいたかった」男性育休プロジェクト

 

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Forbes JAPANと株式会社ワーク・ライフバランスが、「男性育休100%」を訴える動画広告を2019年12月27日から配信開始しました。総勢7社の経営者が「もっと一緒にいたかった」という自身の子育てエピソードを紹介し、男性社員の育児休業取得を呼びかけます。

 

 

■なぜ今回のプロジェクトが立ち上がったのでしょうか?

 

男性の育休を取得することに対し、世間一般では「少子化にプラスになる」という意見があります。これこそが、今回のニュースの本質です。

 

少子化は、日本最大の問題です。なぜ少子化であるかと言えば、女性一人の「ワンオペレーション」が原因の一つだと言われてきました。つまり、子どものいる女性は、次の仕事が求められます。

 

・家事をやる

・仕事をやる

・育児をやる

 

これら全てを一人で(=ワンオペレーション)やろうとすると、「とても二人目は考えられない」という意見が出てきます。それを解決するために、次のような発想で今回のプロジェクトが考えられました。

 

・女性がワンオペレーションで、余裕がなくなる

・女性の負担を軽くし、夫婦二人で協力できる社会にする

・男性の育児休業を促進

 

 

では、実際に男性は育休を取りたいと思っているのでしょうか?

 

私(白坂)は、娘が生まれてから育児をしました。朝昼晩、娘と食事をしたり、幼稚園まで毎朝見送ったりし、0〜3歳の3年間のつもりが、実は6年間もやり続けました。それはやってよかったと思っています。

 

子どもの将来や人生を考えると、育児は【家を建てることと同じ】です。0歳から3歳という最初の3年間が一番大事な時期です。その後、中学・高校・大学と、後ろに行くほど、育児の重要性は下がります。

 

大学受験まで行くと、「ちょっとカーテンが気に入らないから、別のカーテンに変えようか」という程度の重要性しかありません。仮に辞めたければ中退してもいいし、30歳になってもう一度大学に行き直してもいい。「変えが効く」のです。

 

しかし、0歳から3歳までに「僕はお母さんからすごく愛された」「私はお父さんからすごく愛された」という経験は「変えが効かない」ものです。育児は、明らかに年齢が下であればあるほど重要性が高いので、その時に、【お母さんにとって良い環境】を作るのは社会的に非常に重要です。

 

このまま日本の総人口が減れば、日本にとって良いことは何も想像できません。人口が減れば、生産者・消費者も減り、景気も後ろ向きにになりやすい状況です。そのため、少子化を解決することが重要であり、その一つの取り組みとして、男性の育児休業促進があるのです。

 

■男性の育休取得状況は?

 

育休の取得状況について考えると、女性の育児休暇取得率は、現在82%です。では、男性の育児休暇取得率はどの程度でしょうか?

 

・「2、3割」?

・「1割」??

 

実はもっと低い6%です。しかも、【過去最高で6%】の状況です。今、社会全体では男性の育休取得増加を目指している状況ですが、実情では男性が「育休を取得します」と言いやすい状況ではなく、現実との差がまだあると言えます。

 

そもそも、次のような状態の会社では育休取得を促進することは難しくなります。

 

・「人手不足」

・「売り上げが下がっている」

・「利益が出ず、毎日資金繰りをやっている」

 

そのため、ある程度の大企業で、「今までの売り上げで現金に余裕がある」という企業の方が、まだ育休を取得しやすいと言えます。

 

 

では、この先は男性の育休取得は増えるのでしょうか?

 

時代の流れにより、取得率が「6%→7%→8%」という形になる可能性はあります。ただし、0〜6歳の子育てを経験した私(白坂)としては、あくまでも育休は一つの対策であり、それで少子化の抜本的な問題が解決するとは思えません。

 

そのためには、もっと【全体的な物の見方】をしなくてはいけません。たとえば、次のようなことが必要です。

 

・在宅勤務の推進

・フレックスタイムの導入

 

このようにすれば全員一斉の長期休暇は不要になり、「今週は土日働く代わりに、この日に休みがほしい」などと、全体の働き方を考えて一つの育休と捉えることができます。企業の個別の状況を見るためには、育休の取得率だけではなく、他にどのような取り組みをしているかにも注目することが大切です。

 

 

■男性の育休取得に対する社会への影響は?

 

少子化対策が始まって約10年だと考えると、男性の育休取得率6%は「進歩した」とは言えます。その背景には、仕事と家庭の両立を考える【ワークライフバランス】という言葉が日常になりつつあることが後押ししています。この流れは続くと見られますが、さらにその先に次のような問題が生じる可能性があります。

 

・「育休を取得している間の夫婦関係はどうなるか」

・「育休の取得が、子どもにとって良い環境か」

 

また、世間一般では、「子どものために、女性は専業主婦がいい」という考え方があります。私(白坂)は、必ずしもそれがいいとは限らないと考えています。なぜなら、「専業主婦と旦那さんの人間関係は、兼業主婦と旦那さんの関係より難しい」考えるからです。やはり、女性も働きに出ると気分が変わります。専業主婦は家にずっといるので、気分が詰まるものです。その場合の夫婦関係も考える必要があります。

 

少子化対策について深く考えると、男性が育休を取得すれば解決する話ではないため、夫婦関係でより良い家庭の雰囲気を作ることも考えていく必要があります。

 

 

今回のプロジェクトは、国、特に厚生労働省が企業に対し、「企業から官僚にプレッシャーをかけてほしい」という狙いがあります。一般的に、大きい組織よりも、小さい組織の方が変わりやすく、次の流れが期待されています。

 

・企業が努力する

・国も努力する

 

実際に、小泉進次郎環境大臣が「育休取得」を実践していますが、彼は環境大臣になる前に厚生労働省の部長でした。今回のプロジェクトのように国民が少子化を考えるきっかけが増えれば、「育休を増やした方がいい」という議論は増えていくと見られます。

 

投資家から見れば、企業の少子化対策や育休取得に関しては、次の2点が重要です。

 

・ハード面:システムや仕組み

・ソフト面:従業員の満足度

 

「育休」はハード面の対策になりますが、仮に育休での退職率が減ったとしても、いい企業だと判断することはできませんので、全体として考えることが必要です。これからの時代、育休取得は確実に増えていきます。それで全てが解決するわけではないため、少子化問題の一つのきっかけとして捉えることが大切です。

 

今日のまとめ・・・・・・・・・

 

日本には総人口が現象し、「少子化」という日本最大の課題を抱えています。男性の「育休取得」は増えていく流れですが、夫婦間のあり方や、企業の取り組み、それに対する従業員の満足度など、今回のプロジェクト発表を一つのきっかけに、少子化対策の根本的な解決策について考えることが大切です。

 

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貴重な時間にて文章をお読みくださり感謝しています。
ありがとうございます。
それでは、また。

 

浅川淑子(あさかわよしこ)

 

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