「管理職なりたい」は2割、「管理職に昇進してよかった」は7割
浅川です。
白坂先生に、今日の「なぜ」を解説していただきます。
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なぜ女性で管理職を希望する人は2割にとどまるのでしょうか?
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>「政府が女性活躍推進を掲げてから7年。日本経済新聞社が働く女性2000人に調査したところ、管理職志向が2割を下回る一方で、昇進者の7割近くが管理職のメリットを実感していることがわかった。」(『日本経済新聞』より一部引用)
なぜ女性は管理職を希望しないのでしょうか?「責任が重い」「負担が大きい」からでしょうか?
■そもそも管理職とはどのような仕事なのでしょうか?
ビジネスには、次のような現場の人たちがいます。
・商品を「作る人」=【製造】
・商品に興味がある人を「集める人」=【集客】
・商品を「売る人」=【販売】
・商品を買ったお客様への【顧客対応】
これらの現場の人たちに向けて「○月×日までに、これをやりましょう」と計画を立てたり、計画通り物事が進んでいるか管理をしたりするのが、管理職の役割です。
つまり、野球でたとえれば、現場の人はプレーヤー、管理職は監督の役割をします。プレーヤーとして動く人は、現場のことをよく知ることが大切なのに対し、管理職はもっと広く俯瞰して見る視点が大切であるという違いがあります。
また、プレーヤーであるピッチャーなどにはスポットライトが当たり、観客の人から応援されます。一方、監督はベンチの裏にいるので自分がスポットライトが当たるわけではなく、直接お客様から感謝されたりするわけではありません。
お客様から直接「ありがとうございます」と言われ続けたいのであれば、管理職よりも現場にいる方が働きがいがあります。
■管理職の知られざる「リターン」
投資家は投資をするときに「リスク」と「リターン」を考えます。
管理職になりたい女性が少ないということは、リスクとリターンを考えると、管理職は「責任が重い」「大変だ」というリスクの大きさを感じる女性が多いからだと言えます。たとえば、次のような「リスク」を考えがちです。
・「仕事にウエイトをあまり置きたくない」
・「プライベートとバランスをとりたい」
・「忙しくなると仕事に時間が取られて家庭が疎かになる」
でも、実際に管理職になった女性の7割は「やってよかった」と回答しています。
管理職になると大切なことはアイデアを【実現する力】が重要な課題になります。
映画で考えると、役者さんは自分の映画を作れませんが、映画監督であれば「こういう作品を作りたい」と言えます。
つまり、管理職になるということは、全て自由にやれる裁量が大きくなり「リターン」が大きくなります。自分が100%全部やらくても、「商品は任せます」「サービスはお願いします」と分担すれば、自由時間を得られやすくなります。次のような声もあります。
・「お給料が上がった!」
・「やりたいことができた!」
・「成長ができた!」
管理職になった女性が、このような「リターン」のイメージを発信する機会が増えれば、世間の空気の流れは変わっていくでしょう。
■女性が活躍する企業に期待
管理職は「コミュニケーション」が大切な仕事です。管理職が製造、集客、販売などに高度な知識や技能がなくても、コミュニケーションを取りながら、現場の人にやる気を与えることが大切だからです。
一方、現場の人は、知識、技術があり、良い商品を作りたいという職人気質の人が向いている仕事で、比較的男性に向いている仕事です。
その意味で管理職は、女性のコミュニケーション能力を生かせる仕事です。
過去、20世記は男性社会だったので、管理職は「できるだけ効率よく、無駄なく、短い時間でテキパキ仕事をしよう」という指示命令をする役目でした。
今は、管理職がスケジュール通りきっちり管理するというより、働く場所をリラックスできる環境にし、コミュニケーションをよくして、お客様の目線で「こんな商品・サービスがあったらいいな」というアイデアを出しやすくすることが求められています。
そのコミュニケーション能力は、女性が長けています。
女性管理職の割合がゼロの企業は、あまり魅力的な商品が発信されず、これから伸びていく可能性が小さいと言えます。反対に、管理職に女性がいる企業は、お客様目線でのアイデアが次々と実現され、伸びる可能性が高いと判断できます。
女性が活躍している企業は実際に業績も伸びて行きやすいので、「女性活躍」のポジティブな明るいニュースに注目していくといいでしょう。
■今日のまとめ・・・・・・・・・
管理職を希望する女性が少ないのは、管理職の「リスク」に目を向けがちで、自由度が大きいなどの「リターン」が知られていないからです。管理職経験者の女性による「リターン」の情報発信が求められています。
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「管理職なりたい」は2割、「管理職に昇進してよかった」は7割
貴重な時間にて文章をお読みくださり感謝しています。
ありがとうございます。
それでは、また。
浅川淑子(あさかわよしこ)
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