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【ETF】日銀が過去最大2千億円強の購入へ

浅川です。

白坂先生に、今日の「なぜ」を解説していただきます。

【ETF】日銀が過去最大2千億円強の購入へ

 

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【ETF】日銀が過去最大2千億円強の購入へ

 

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> 日銀は19日、上場投資信託(ETF)を1日あたりでは過去最大となる2000億円強買い入れたと発表した。これまで最大だった約1200億円を7割近く上回った。(2020年3月19日『日本経済新聞』より一部引用)

 

 

■ETFは、分散投資ができる優良な金融商品

 

【ETF】は、日本語で「上場当時信託」と訳されています。わかりやすく言えば、金融商品のひとつで、「投資信託」という名前がついているように、株と同じように買うことができるものです。どのような金融商品かと言えば、「株式市場を丸ごと、一つの商品として買うことができる」ものだと言えます。

たとえば「日経225ETF」という商品があります。これは「日本の上場企業、上位225社に対して分散投資をする」という商品です。たとえば、「トヨタの株」「ソフトバンクの株」「NTTドコモの株」などの個別株を買っていく方法はありますが、ETFはそうではありません。

 

「日本の上場企業の上位225社に対して、絶対に自分は分散投資をする」という考え方をするとき、個別の株を買うのではなく、「ETF」という丸ごと一つのパッケージ商品にしたような金融商品、たとえば「日経ETF225」を1つ買えば、それはすなわち「自分は225社に分散投資をしている」こととと同じような運用成績になるという金融商品です。

同じような考え方で「S&P500ETF」があります。これはアメリカの商品で、「アメリカの上場企業上位500社に対して分散投資をする」というものです。「S&P500ETF」いう金融商品を1つしか買っていなくても、その1つの金融商品を買ったことが、すなわちその金額で「500社に分散投資をした」ことと同じ運用成績になっていくという商品です。

仮に、「appleの株を買う」「アマゾンの株を買う」「facebook の株を買う」 というように個別の株を買わなくても、ETFを買えば、500社まるごとに自分のお金を分散投資したのと同じ運用成績を目指すことができます。

 

ETFは、株式投資の初心者にとっては非常に良い商品です。たとえば、次のようなことをする必要がありません。

 

・トヨタをすごく企業分析する

・ソフトバンクをすごく企業分析する、、

・楽天をすごく企業を分析する、、、

 

このように1社1社、しっかりと個別株を分析していく必要はありません。ETFで金利がつき、資産が少しずつでも増えていくという、非常に初心者に向きの商品です。さらに、低リスクでありながら、「225社に分散投資する」もしくは「500社に分散投資する」という形なので、「銀行預金よりいい利回り」を目指すことができ、金融商品の中で非常に優良な商品だと言えます。

 

つまり、ETFは次のような商品だと言えます。

 

・初心者にとって非常に人気の商品

・リスクを最小化しながらも、銀行預金より高い金利で資産を増やしていくことを期待できる商品

簡単に言えば「日経225ETF」は、日本の株式市場を丸ごと買うようなもので、「S&P500ETF」はアメリカの米国市場を丸ごと買うような商品です。別の言い方をすると、日本の株式市場が上がれば「日経225ETF」も上がる、米国の株式市場が上がれば「S&P500ETF」も上がる、と言えます。

 

 

ここで、投資の考え方をわかりやすく見てみましょう。

・現金預金がある(単に銀行に預金しているだけ)

・ただ預金をしているだけでは金利もつかないし、資産は全く増えない

・投資をする

その投資の一つの代表例が、株式投資です。このような考え方で、今まで現預金で銀行に置いてあったお金が株式市場に入ってくると、株式市場自体が大きくなります。

・銀行の現預金を株式市場に投入する

・株式市場自体が大きくなる

・日本:日経平均が全体的に高くなる

・米国:米国の平均株価が上がる

・株価が上がる

 

このように、株式市場に入ってくるお金全体が大きくなれば、基本的に、株式市場に入っている株価も全体的に上がることになります。

 

 

■コロナショックで株式市場が縮小?

 

ただし、現時点(*2020年3月)ではコロナショックの影響により、流れが逆になり、次のような状況になっています。

 

・日本の株価自体下がる

・日経平均自体も下がる

・「S&P500ETF」の対象になっている米国の株式市場全体も下がっている

・ETFも下がっている

 

ETFは株式市場全体に投資しているため、株式市場の全体が下がれば、ETFも下がります。そして、現預金の流れから見ると、次のようになっています。

 

・株式市場から現預金にお金が戻る

・株式市場にあるお金が減る

・株式市場の中の株価は、ほとんどの企業で下がる

・ETFも下がっていく

 

こういった流れが、今起きている状況です。これに対して、日銀が過去最大の2,000億円というETFを買うことを表明したというのが今回のニュースです。ここで、経済の大きな主体を3つ考えると次のようなものがあります。

・家計

・企業

・政府

この3つを考えた時に、家計と企業という2つの経済主体が今、「株式市場に置いているお金を現預金に戻す」という動きになっています。

 

そうすると、株式市場は当然小さくなります 。株式市場は「企業の所有権」が売買・取引の対象になっているため、企業の業績に非常に大きな影響が出ますし、経済全体にも非常に大きな影響が出ます。

 

そうした時に、家計と企業がお金を渋り、株式市場から現預金を引き上げる動きを取り、株式市場が縮小するようであれば、それをなんとか支えられるのは政府しかありません。だから一生懸命、政府が、何とか支えようとしているのです。そのために、日本銀行が2,000億円のETFを買うのです。

 

ETFは、「株式市場全体を丸ごとを買う」という分散投資の方法になるので、株式市場をあまり縮小しすぎないように、政府が買い支えをするという動きになります。これは極めて合理的です。

 

今回は日銀なので、純粋には「政府」とは断言できません。建前では、内閣政府と日銀は、お互い干渉しない独立した存在である、という名目にはなっているので、厳密な言い方をすると政府とは言えませんが、ここで伝えたい趣旨は、家計、企業、政府(日銀)と考えた時に、日銀が2,000億円のETFを購入するというのは、合理的な判断であると言えるということです。なんとか縮小の規模を留め、損害やダメージを小さくしようとしている動きだと言えます。

 

 

■投資家として今回のニュースから学べることは?

このニュースにおいて、私たち投資家はどのように考えていけば良いでしょうか? まず、コロナショックはあくまでも台風と同じように、一過性の出来事です。だから、それが3ヶ月、半年などと影響を与えることがあっても、5年、10年、20年で影響を与え続けるような出来事・原因ではないということが、大前提にあります。今は、経済主体では次のようになっています。

・家計;株式市場から現預金を戻す

・企業:株式市場から現預金を戻す

 

でも、必ずまた投資にお金が戻ってくるということを長期的には見通すことができます。なぜなら、株式市場が始まってからの過去100年程を見た時に、基本的に株式市場は上がっているからです。

 

たとえば、2009年のリーマンショックなどの歴史的な出来事があり、その中間では確かに株価は下がりましたが、それ以外、基本的には米国の株式市場も、中国の株式市場も、日本の株式市場も、全体的な時価総額は上がってきています。

物事を「3ヶ月、半年という短期で見るか?」「5年、10年、20年という長期で見るか?」と考えたとき、次のことを念頭に置くことが大切です。

 

・あくまでもコロナショックは台風と同じ、短期的な原因・出来事であること

・基本的に、株式市場にはお金がどんどん流れ込み、大きくなるのが当たり前であること

 

現時点では、日経平均も、米国の全体株式市場も急落している状態ですが、あくまでも冷静な対応が必要です。長い目で見れば、株式市場は大きくなっていく方が当たり前、株式市場にある資産は時間と共に大きくなっていく方が当たり前であると考えることが重要です。

今の時代、どうしても現預金がどんどん増えても、現預金はずっと銀行に置いているだけでは全く金利がつかず、資産が増えていかないので、家庭でも、企業でも、やはり投資を行っていきます。

・投資を行う

・市場全体が大きくなる

・株式市場の中に入っている金融商品、特に株式の資産価値が上がる

 

この流れが「当たり前」です。現時点でコロナショックは、あくまでも例外が起きている状態なので、投資家としてはその事実をしっかりと理解し、常に冷静に対応できる存在でありたいと思います。

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貴重な時間にて文章をお読みくださり感謝しています。
ありがとうございます。
それでは、また。

 

浅川淑子(あさかわよしこ)

 

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