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ディズニー4月より入園料値上げ

浅川です。

白坂先生に、今日の「なぜ」を解説していただきます。

ディズニー4月より入園料値上げ

 

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ディズニー 4月より入園料値上げ

 

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> オリエンタルランドは30日、東京ディズニーランド(TDL)と東京ディズニーシー(TDS)の入場料を4月から値上げすると発表した。消費増税に伴うチケット価格の改定を除くと、値上げは4年ぶり。(2020131日付『日本経済新聞』より一部引用)

 

■ディズニーランド・ディズニーシーはなぜ値上げをするのでしょうか?

 

ディズニーは、従業員にとってすごく良い環境だと言われます。その入園料が4月、現在の7,500円から8,200円に値上がりするというニュースです。

 

消費者は値上げに敏感なので、「えー!!」という感じだと思いますが、まだまだ安いと言えます。その理由を今回2つ説明します。

 

まず、【海外のディズニーランドと比べて「安い」】と言えます。本場のアメリカだと、入園料は11,400円です。施設やサービスを見て、アメリカに比べて日本が圧倒的に劣っているかと言えばそうではない。むしろ、日本の方が良いぐらいです。その比較から「安い」と言えます。

 

もう一つが、【企業の経営者にとってまだまだ「安い」】と言えます。企業の経営者は利益を生み出す仕事をしています。この時、売上の算数式をいつも考えています。

 

・【客数】x【客単価】=【売上】

 

ここで客単価は次の二つに分解することができます。

 

・「1回当たり、いくらお買い上げいただくか?」

・「その同じお客様は、何回買ってくださるか?」

 

これらの掛け算になります。仮に1回あたりの単価が100円、その方が10回買うと、次の式で表されます。

 

・100円 x 10回=1000円(客単価)

 

ディズニーランドは多くの消費者にとって頻繁に行くところではありません。1年に1回行くのでもまだ多い方です。年間パスポートを持っている人は何回も行くかもしれませんが、行かない人は全く行きません。

 

一人が一生涯でディズニーランドに行く回数の平均を考えると、全ての年齢・男女を合わせた平均が「3回」です。仮に、計算しやすいように、入園料を8,000円だとしましょう。

 

・8,000円x3回=24,000円

 

これが、ディズニーランドの「顧客生涯価値」になります。これはものすごく安いと言えます。たった一人のお客様が、生涯をかけて24,000円しか払ってくれない。逆に、日々の食パンなどであれば、1回は単価が100円かもしれませんが、一生涯で買う回数を考えると総額はどれぐらいになるでしょうか?

 

顧客生涯価値が「一人のお客様あたりの客単価」だと考えると、まだまだディズニーの入園料は安いのです。あれだけの施設、あれだけの従業員、あれだけのサービスを24,000円でよく提供し続けてくれるな、と言えます。あのサービスで、夢を1日感じさせてくれるのであれば、まだまだ値上げして良いと言えます。

 

 

■競合他社も値上げを歓迎!?

 

ディズニーランドの場合は、競合他社からの見方が他の業種と異なります。普通は、最大手が値下げをすると、競合他社は困ります。それにより価格競争をかけられてしまうので、周りの競合は経営が厳しくなってしまいます。でも、ディズニーの場合、競合他社はディズニーに値上げをしてほしいと思っています。

 

なぜなら、日本で1番のサービスをする場所の入園料が7,500円であれば、他の遊園地は7,500円以上の価格を設定するのが難しいからです。でも、遊園地は同じお客様が頻繁に何度も来てくれるところではありませんから、一回で、ある程度の金額を払っていただきたいと考えます。

 

そのために、競合他社は「値上げしてほしい」と考えています。特に、業界2位のユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ・大阪)は、とにかくディズニーに値上げしてもらいたいと考えています。

 

 

■投資家の視点は?

 

消費者から見れば、「値上げ!?』という感覚ですが、企業の経営者も、業界の競合他社も値上げを望んでいます。それは、お伝えしてきた次の理由からです。

 

・アメリカの本場と比べて安い

・企業経営者から見て、一人のお客様が生涯かけて払ってくださる金額としても小さい

・競合他社も、遊園地を運営し続けるために、ディズニーに値上げしてもらい、自分たちも気持ちよく値上げしたい

 

消費者から見れば驚く「値上げ」のニュースは、ディズニーリゾートを運営しているオリエンタルランドという企業の業績を見るとき、これからよくなる可能性があるという見方ができます。それを、知っていただきたいと思います。

 

投資家としては、値上げはマイナス要素ではありません。これからまた値上げをしても良いとも考えられます。

 

 

■今日のまとめ・・・・・・・・・

 

ディズニーランド・ディズニーシーの値上げは、消費者からは「高い」と思われがちですが、アメリカの本場の入園料や、顧客生涯価値から考えると、まだまだ「安い」と言えます。企業の業績を考えても、値上げはこれからプラスになる要素だと見ることができます。

 

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貴重な時間にて文章をお読みくださり感謝しています。
ありがとうございます。
それでは、また。

 

浅川淑子(あさかわよしこ)

 

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