カレーハウスCoCo壱番屋(ココイチ)株価が絶好調な理由
浅川です。
白坂先生に、今日の「なぜ」を解説していただきます。
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カレーハウス「ココイチ」の株価が絶好調な理由は?
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カレーチェーン店「CoCo壱番屋」を運営する壱番屋の株価は2019年に上昇傾向となり、2019年12月26日に初めて6000円を超えました。2020年1月28日現在も5800円台で推移しています。
■なぜ株価が好調なのでしょうか?
「ココイチ」の壱番屋の株価が好調である1番の理由は、店舗数が1位だからです。現在、全店舗数は1400店以上と、2位のカレーチェーン店の店舗数70店を大きく引き離しています。これほど店舗数が多いカレーチェーン店は他になく、世界でも1位で、ギネスにも記録されています。
では、なぜこれほど店舗数を拡大できたのでしょうか?
それは、社長の経営方針に理由があります。
日本は個人事業で創業した場合、一生そのまま、個人事業で終わる場合が多くありました。今、日本は大廃業時代と言われ、日本の創業社長の平均年齢は67歳を超えています。「個人で美味しいカレーを作れたからお客様に提供し、70歳前後まで働き続け、その後は引退しよう」という人たちが多いのです。
でも、壱番屋創業者の夫婦はこの考えではありませんでした。壱番屋には次のような歴史があります。
・夫婦でレストランを開業
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・人気メニューの手作りカレーから「CoCo壱番屋」を創業
↓
・創業社長が、社長の地位を奥さんに譲る
↓
・創業社長は、経営の仕組み作りに専念
壱番屋の創業者と、他の個人事業主が違う点は、創業者が最初から「経営者・投資家になろう」と考えていたことです。
本来、個人事業主であれば、次の全てをやる必要があります。
<現場の仕事>
・カレーを作る
・お客様に提供する
・チラシを配り、お店にお客さんを招く
<管理の仕事>
・○月×日までに仕事をやるよう決める
・日々のお金について決める
<経営面>
・ビジネス全般に対する方針を決める
・ビジネス全般のお金について決める
個人事業主はこれらを全てやり続けているのに対し、壱番屋の創業者は早い段階で社長を奥さんに譲りました。こうした仕組みを作ったことが、成功の要因になりました。
■子会社として株価が絶好調の理由は?
現在株価が好調のもう一つの理由が、【子会社として】絶好調であることです。壱番屋の親会社は、ハウス食品グループ本社です。創業者夫婦が2015年に全株を売却しました。この発想は、普通の飲食系の個人事業主にはありません。自社の株を全て売ろうというそうのゴールが、壱番屋ならではの強みです。
ハウス食品によらず、企業が企業を買いたい理由はただ一つ。それは、創業社長の存在に関わらず、【今後の伸びが期待できる仕組みになっているか】です。
確かに、個人事業主の「一生美味しいカレーを作り続け、一生現場でお客様から喜ばれる」という価値観も重要ですが、壱番屋はそういう企業ではありません。あくまでも、1店舗を横展開し、チェーンを拡大し、売れる企業を作りました。ハウス食品という大企業が「買いたい」と思える【仕組み・企業を作った】のです。誰が作っても美味しいお店になる仕組みができているから、ハウス食品が買ったのです。
では、壱番屋がハウス食品に与える影響はあるのでしょうか?
ハウス食品はもともとカレーの材料を提供しているので、相乗効果は当然あります。今後、「ココイチ」がこれから予定しているインド進出に成功すれば、食材を提供するハウス食品にも次のような形で、良い影響があります。
・「ココイチ」のインド進出が成功する
↓
・カレーの材料がさらに必要となる
↓
・ハウス食品が「ココイチ」に材料を提供する
↓
・ハウス食品の売上・業績が上がる
このように、「ココイチ」が成功すれば、当然、親会社の業績もよくなります。
もう一つ、これは偶然かは分かりませんが、創業社長と奥さんがもともと使っていたカレーの材料はハウス食品のものだったそうです。それが偶然か意図的だったかは定かではありませんが、ある種運命ではあったのかもしれません。
■この先も「ココイチ」は絶好調であり続けるでしょうか?
壱番屋のさらなる成功の鍵を握るのは、インド進出です。7、8年かけてリサーチするなど非常に慎重に判断しており、日本とインドでは市場の大きさも全く違うので、期待がかかっています。
・日本:人口1億2600万人/人口は減少中
・インド:人口11億人/人口は増加中
このように人口だけで見てもインド市場への進出は伸びる可能性があります。ただし、海外は日本と文化が異なり、インドであれば宗教の問題が出てきます。食べられる肉・食べられない肉などがある中、その環境下でも店舗数を展開できれば、将来への期待は大きくなります。現在は投資家が「期待できる」と判断しているため、株価が絶好調なのです。
日本国内で見れば人口が減少する中、「ココイチ」の中でも繁盛店とそうではない店があります。消費者として、店内の活気に注目していくと良いでしょう。
■今日のまとめ・・・・・・・・・
「ココイチ」を展開する壱番屋は、創業者が「成功する店」の仕組みを作り、店舗数日本一にしました。さらに、ハウス食品グループ本社に全株を譲渡し、子会社化にも成功しました。今後、インド進出への期待もかかっているため、株価が上がり続けています。
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貴重な時間にて文章をお読みくださり感謝しています。
ありがとうございます。
それでは、また。
浅川淑子(あさかわよしこ)
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