なぜアプラス「ずさん融資」行われた?
浅川です。
白坂先生に、今日の「なぜ」を解説していただきます。
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なぜアプラス「ずさん融資」が行われた?
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■まず、融資とは何ですか?
金融機関が借りたい人にお金を貸すことです。
■では、「ずさん融資」とは何でしょうか?
・「手続きを簡略化してしまった」?
・「書類を偽造した」??
そういう感じがしますよね。今回は違います。今回、正式に報道されていることは「水増ししてお金を貸した」ということです。具体的に銀行が、ある土地のためにお金を貸す例で見てみましょう。
・土地の本当の価値:1,000万円
・不動産鑑定士の評価:1,000万円
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・銀行:最大1,000万円貸せばいい
↓
・銀行:もし1,500万円貸したら??
500万円を上乗せして貸すために、無理やりオプションで高額な商品をセットにして、土地プラス銀行の商品で1,500万円という書類を出していた、ということです。
■なぜ銀行はこのようなことをしたのでしょうか?
銀行は結局、【お金を貸して儲かる仕事】です。【預金で儲かる仕事ではない】んですよ。みんながお金を預けて、預けて、「預金してください、預金してください」と言っても全く売り上げは上がらないし、利益も出ません。
ではどのように銀行が売上を出すのかと言えば、次のような形です。
・消費者からお金を預かる
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・お金を借りたい人にお金を貸す
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・その後、金利が銀行に入る
こう考えると、銀行は小さい金額よりも、大きな金額を貸したいと考えます。
仮に金利を3%としましょう。
・銀行が1,000万円を貸す
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・1,000万円に対して3%の金利がつく
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・1年間に30万円の金利が入る
もし銀行が貸す金額が1億円だったら、金利が300万円入ります。ということは銀行は当然大きな金額を貸したいと考えます。
そうなった時に1億円の土地に1億円を貸すのであれば、問題ありません。でも、1,000万円の土地に、1,500万円お金を貸すと、「ちゃんと審査してるの?」という疑問が生じます。それが、今回の問題です。
■なぜ今回、そのようなことが起きたのでしょうか?
・今、借りたい人がいないから
これが本質です。銀行、証券会社、信託クレジット、いずれにの金融機関からも、お金を借りたい人がいないからです。
■なぜ、借りたい人がいないのでしょうか?
・「借金したくないから」
・「金利を支払うのが嫌だから」
・「負債を負っているということがマイナスのイメージだから」
このような理由からです。日本人は、「借金=悪」というのが、完全に固定概念としてあリマス。一番大きなきっかけが、1991年のバブル崩壊です。
それまでは日本人はほぼ借金をしていました。たとえば、マイホームローンがあります。
・30歳になり「良い年だ」「マイホーム持ちたい」と考える
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・お金を借りないと買えない
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・「マイホームローン」という借金をする
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・「幸せな家庭」をイメージする
このように夢を形にしていましたが、これは結局、不動産投資なのです。日本全国のみんな、自分のため、自分の家族のために不動産投資をしました。3,000万、4,000万、銀行から借りて借金していたのです。
では、今はどうでしょうか? マイホームを買う人が少なくなり、「35年ローン!?」という意識になっています。
1980年代、日本人がマイホームを持つために35年ローンを組んでいた時の金利は、10%を超えていました。今はなんと3%くらいです。そう考えると、借りたほうがいいような気がすると思います。昔の人たちは金利10%を超えてもみんな35年ローンを借りていました。今は3%なのに誰も借りていません。そうすると、金融機関は利益の出しようがないのです。
・昔:金利が高くてもみんなが借りてくれていた
・今:金利を下げてもみんなが借りてくれない
なぜなら、日本の家計だけで990兆円くらい預金があるのに、企業は300兆円も預金があるから、借金してくれる人たちがいないのです。ですから、無理に「1,000万円を1,500万円で借りてください、貸しますから」というのが今回の問題でした。
■これからの金融機関は、投資案件としては難しいのでしょうか?
これからはやはり、伸びていくイメージがありません。物の価値もお金の価値も、全部一緒です。
・珍しいかどうか
・希少価値かどうか
この点です。では、空気に値段がついてないのは空気が重要ではないからではなく、重要だけど珍しくはないから、値段がついていないのですよね。
そのように、お金も空気に近づいているのです。お金は世の中に余っています。ただ、偏っているだけで、みんなが均等に同じだけ持っているわけではないのですが、余りまくっています。
・日本全国:990兆円余っている
・企業:300兆円余っている
・世界:何千兆円余っている
ということは、お金の価値はどんどん下がっています。お金を貸したい人と借りたい人というときに、「そんなに借りたくない」ということになり、借りたい人がいなくなります。
貸す側が一生懸命に貸さないといけないことになりますので、そうなると、そういう業界は、投資家として投資案件としては難しい業界なんだということは、今回気づいていただけるといいと思います。
貴重な時間にて文章をお読みくださり感謝しています。
ありがとうございます。
それでは、また。
浅川淑子(あさかわよしこ)
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