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アマゾンによる出版取次「外し」加速

浅川です。

白坂先生に、今日の「なぜ」を解説していただきます。

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アマゾンによる出版取次「外し」加速

 

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> アマゾンジャパン(東京・目黒)は書店向けに書籍などの出版物を卸販売するサービスを本格的に始める。法人向け電子商取引(EC)サイト「アマゾンビジネス」を通じて、書店に届ける仕組み。(2020年2月7日付『日本経済新聞』より一部引用)

>アマゾンジャパン(東京・目黒)は書籍や雑誌を印刷会社から直接取り寄せる。文芸春秋など出版社に注文した雑誌などは出版取次会社を介さず、印刷工場から自社倉庫に仕入れる。(201821日『日本経済新聞』より一部引用)

 

 

■そもそも「出版取次」「外し」とは?

 

今回は出版業界の話です。まず、インターネットが出てくる前の旧来型は、本ができるまでに大きく5つのステップがありました。

 

1)【印刷会社】が本を印刷する

2)印刷された本が【出版社】に納品される

3)出版社が【取次(卸売業)】に本を卸す

4)取次(卸売業)が【書店】に売る

5)書店(小売)が【消費者】に売る

 

このような流れで消費者の手元に入っていました。 これをさらに簡単に言うと、次のようなことです。

 

1)【印刷会社】が本を作ります。

2)【出版社】が引き取ります。

3)【取次】が引き取ります。

4)【書店さん】が引き取ります。

5)【私たち】が書店さんで本を買います。

 

これが従来の出版業界でした。このように仲介がたくさんあると、次のことが生じてしまいます。

 

・経費がたくさんかかる

・時間もかかる

 

 

■アマゾンがやろうとしていることは?

 

これまでの出版業界の流れを、アマゾンが変えました。「取次を外し、加速」というのは上の3番目にあたる【取次】を外そうとしているということです。それだけでなく、今回のタイトルにはなっていませんが、2番目の【出版社】も外そうとしてます。すると今後、今までの5ステップが、次のような3ステップになります。

 

1)印刷会社

2)アマゾン

3)消費者

 

アマゾンは、取次も出版社も外し、印刷したところから直接仕入れようとしています。つまりアマゾンは、卸売も小売りも両方やろうとしているのです。もしほしい本が本屋さんに在庫がなければ、これまでは、最初にお伝えした5つのステップをさかのぼり、次のようにたどる必要がありました。

 

・消費者から本の問い合わせがあったら、【取次】に連絡する

・【出版社】に問い合わせをする

・【印刷会社】に問い合わせをする。。。

 

このように問い合わせ、1週間から10日ぐらい時間がかかっていました。それがアマゾンの場合、もし東京在住であればわずか1日でほしい本を手に入れることができます。仮にアマゾンに在庫がなくても、印刷会社に直接問い合わせをするので圧倒的に期間が短くなります。

 

今回のニュースは、このように流れが変わってきたと解釈できます。消費者から見ればすごくいいニュースです。結局、アマゾンは業界の競合他社からすると、ものすごく脅威の存在です。競合他社の社員から見れば、取次を外され、出版社を外され、「自分たちの会社はどうなるんだろう?!」と感じられるでしょう。それでも、アマゾンは自分たちの会社の理念に非常に忠実なのです。

 

 

■アマゾンの理念は!?

 

「地球で最も、顧客中心主義な企業」。これがアマゾンの理念です。

 

だからアマゾンから見れば、競合は一切考慮していません。競合からどのように睨まれるか、叩かれるか、批判されるかなど、一切考えていないのです。なぜならアマゾンの理念は「私たちは地球で最も顧客中心主義の企業である」であるから。それに忠実に動いているということです。

 

投資家から見ても、アマゾンは右肩上がりでずっと伸び続けている企業です。ニュースは、どの視点から見るかで伝え方が変わります。「取次外し」というのは出版業界から見る言い方です。でも消費者から見ると、「本が1日、2日で手に入る!」というように、便利さがどんどん加速していると解釈できます。

 

 

■今日のまとめ・・・・・・・・・

 

アマゾンは出版業界の販売ステップを変えようとしています。出版業界から見れば、「取次外し」と批判されますが、消費者から見れば便利になっていくサービスです。誰の視点から見るかにより、ニュースの見方も変わります。

 

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貴重な時間にて文章をお読みくださり感謝しています。
ありがとうございます。
それでは、また。

 

浅川淑子(あさかわよしこ)

 

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