AI(人工知能)の進化で投資・資産運用はどう変わる?AI運用で理解しておいた方が良い2つの特徴
白坂です、
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>「資産運用にあたって人間と人工知能(AI)が競い合う時代が訪れつつある。
野村アセットマネジメントや日興アセットマネジメントは来年にかけて新たにAIファンドを相次いで立ち上げる。人間が独自の知識や経験を基に投資判断をする「アクティブ運用」の成績に対する投資家の不満が高まるなか、データに基づくAI運用を標準装備する。」
(『日本経済新聞』より一部引用)
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大事なことは2つのことについて理解しておく必要があります。
すなわち、
・AI(人工知能)の特徴
・株式投資というゲームの特徴
まず
AI(人工知能)の特徴です。
人工知能が外から入ってくる情報を処理するための根拠は、過去のデータです。
・データ量が多ければ・多いほど判断の精度が上がります。
・データの質が高ければ・高いほど判断の精度が上がります。
なので、
何か過去の延長線上のような平時に関しては、かなり高い精度の推論を行うことができます。
人間よりも圧倒的に大量の過去の事例を知っているからです。しかし、どれだけデータの量が多くても、そして、そのデータの精度が高かったとしても、その全ては過去の事例に関するものです。なので、過去に事例がない初めての事象が起きた場合は上手く判断できません。ココにAI(人工知能)の弱点があります。
そして、
もっと大事なのは、株式投資というゲームの特性です。
たとえば、
オセロ、将棋、囲碁、、、などに関して、人工知能が人間を超えたというニュースがあります。
なぜ人工知能は人間を越えることができたのでしょうか?それは、オセロ、将棋、囲碁、、、といったゲームは完全情報のゲームだからです。つまり、プレイヤーだけが知っている秘密の情報がありません。
・自分も
・相手も
・観戦している他の全ての人たちも
全ての情報を知っています。
だから、オセロ、将棋、囲碁、、、で勝負に負けるというのは、負けた側が100%、負けにつながる悪手を指しています。自分が悪い手を指してしまったから勝負に負けてしまったわけです。こうなると、「いかにミスをしないか?」の勝負になります。
だから、人工知能が人間を超えることができたわけです。
なぜなら、正確さという点では、人工知能の方が人間よりも優れているからです。
ところが、
これが、たとえばトランプゲームのポーカーや麻雀となると話は違ってきます。
ポーカーや麻雀は完全情報での勝負ではありません。不完全情報での勝負です。
つまり、プレイヤー自身しか知らない情報があるということです。
・自分だけが知っている情報がある
・相手は知らない
だから、
ポーカーフェイスと呼ばれるようなハッタリで勝つ場合もあります。自分の持っている手は相手の手よりも悪いにも関わらず、自信満々で勝負していたために、より良い手を持っていた相手が勝負を降りて負けてくれる場合もある、ということです。つまり、
不完全情報でのゲームには論理だけではない「心理戦」の要素が入る
では、
「株式投資というのは、どういうゲームでしょうか?」
・将棋や囲碁のような完全情報での勝負でしょうか?
それとも
・ポーカーや麻雀のような不完全情報での勝負でしょうか?
もちろん、
株式投資とは不完全勝負での勝負
つまり、「心理戦」や「運」という要素が絶対に入り込みます。論理に基づいて正確に実行するだけで勝てる勝負ではありません。つまり、株式投資の世界にAIがどんどん入ってくるのは時代の流れだったとしても、AIによる運用では大きな収益を得ることはできないということです。理由は簡単です。
【リスク=リターン】だから
AI(人工知能)による運用というのは、過去のデータに基づく論理的な運用です。つまり、守り重視です。実際、現在のAI(人工知能)による運用実績は、ETF(上場投資信託)より+1%くらいです。既に10億円くらいの資産を持っているので守り重視で資産運用を行うというのであれば良い手段かもしれませんが、今から10億円の資産を築いていくのは不可能です。
もし大きなリターンを狙えるのは、大きなリスクを取れる人間による投資だけ
株式投資というのは、全世界の政治と経済の色々な不確実な情報が関係しています。
完全情報での勝負ではなく不完全情報での勝負です。だから、オセロ、将棋、囲碁、、、などとは違います。AI(人工知能)が人間に必ず勝つというようなゲームではありません。
資産を減らさないという守り重視の運用であればAI(人工知能)は人間を上回っていくでしょう。
しかし、AI(人工知能)による運用での大成功は不可能です。もし、巨万の富を築くことが出来るとしたら、
人間による株式投資によるものだけ
だと言えると思っています。
貴重な時間にて文章をお読みくださり感謝しています。
ありがとうございます。
それでは、また。
白坂慎太郎
投資でAIと人間が競う時代へ
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