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【ソフトバンクG】WeWorkの幹部に提訴される!

【ソフトバンクG】WeWorkの幹部に提訴される!

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【ソフトバンクG】WeWorkの幹部に提訴される!

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> 米シェアオフィス大手のウィーカンパニーの取締役2人は7日、ソフトバンクグループ(SBG)によるウィー株の買い取りを巡り、SBGを提訴したと発表した。米株式相場の急落などを受け、SBG2日に既存株主からウィー株の買い取りを実施しないと表明したことへの対抗措置だ。SBGは「現時点でコメントしない」としている。(202047日付『日本経済新聞』より一部引用)

 

■ ソフトバンクグループを、We Workの幹部が提訴

今回は、「ソフトバンクグループ(以下、ソフトバンクG)を、We Workの幹部が提訴」というテーマです。

 

まず、ソフトバンクGWe Workの関係を説明します。

 

We Workは、現時点(2020.4.20)では、株式市場に未上場の企業です。その「We Workの株」を、「ソフトバンクG」と「他の株主」が保有しています。「ソフトバンクG」は、株の保有率が一番多いので、筆頭株主になります。

 

前述の通り、We Workは未上場なので、全世界の誰もが株を購入できる状態ではありません。We Workの株は、「We Workはこれから上場するのではないだろうか?」「上場すれば、株価が高くなるのではないだろうか?」と期待した会社単位の「機関投資家」(今回で言えば、ソフトバンクG)や、「創業メンバー」など、一部の限られた企業や人が保有しています。

 

かつては、投資家の間で、「もしWe Workが上場すれば、時価総額が5兆円の企業になるのでは?」という過剰な期待が寄せられていましたが、実際には「上場しても時価総額は8,000億円程度」という評価になりました。そのため、We Workは上場を見直しました。

 

実際に、We Workは経営状態や資金繰りが厳しいことから、ソフトバンクGが支援を発表しました。昨年2019年、10月のことです。

 

支援策には、「We Workの会長にソフトバンクGの副社長を投入」や、「資金面での援助」などがあります。

 

その支援策の1つに、【ソフトバンクGが、「他の株主」保有のWe Work株を、「公開買付け」する】ということも盛り込まれていました。(「公開買付け」とは、買付けの期間や価格を公告して株を取得する方法

 

当初の発表通りであれば、ソフトバンクG は、We Workの株を80%所有することになっていました。(現保有株50%+「他の株主」からの買付け30%)

 

ところが、ソフトバンクGは、2020年4月上旬時点で、「買付けを中止する」と発表しました。前述の通り、We Workの株は未上場なので、保有しているのは「ソフトバンクG」と「他の株主(創業者及び、その周辺の近しい人)」です。

 

今回のニュースは、【ソフトバンクGは、公開買付けを発表しておきながら中止をするというのは、「他の株主」にとって不誠実であり、契約上問題がある】として、We Workの幹部がソフトバンクGを提訴したという内容になります。

 

■「公開買付け」における「原則」と「例外」

次に、「公開買付け」における、「原則」と「例外」について説明します。

 

・原則:公開買付けの中止は許されない

 買付けを公の場で発表した場合、原則は買わなければなりません。理由は、「他の株主」を保護する必要があるからです。ソフトバンクGが、「他の株主が所有する株を買います」と発表したので、「他の株主」はそのまま株を保有し続けるという意思決定をしました。それにもかかわらず、ソフトバンクGの都合で「買わない」というのは、「他の株主」を不安定にさせてしまいます。

 

上記が「原則」です。しかし、物事には「原則」があれば、必ず「例外」もあります。今回のケースの「例外」を以下で説明します。

 

・例外:公開買付けを中止するに足る「重要な支障」が、対象企業(We Work)にある場合

2019年10月に、ソフトバンクGが公開買付けを発表しました。その際、ソフトバンクGは、We Workに関するある程度の情報を入手していたはずです。ところが、実際に買付けを完了するまでの間に、ソフトバンクGが想定していなかった「重要なミス」がWe Workにあった場合は、中止が認められます。

 

以上のことから、今回の「裁判の争点」は、【ソフトバンクGが、買付け中止を決定するに至ったWe Workのミスが、重要な支障に当たるかどうか?】になります。

 

ソフトバンクGは、We Workのミスについて「5項目」を文章で発表しています。その理由の一つに、「創業者であるニューマン氏が、アメリカにおいて、本格的な捜査を受けていること」が挙げられています。

 

「これらの問題がクリアになっていないため、買付けは行わない」というのがソフトバンクGの言い分です。

 

それに対して、We Work側は、「ソフトバンクGが列挙する理由は、公開買付けを中止するに足る重要な支障には当たらない」として、当初の告知通りに買付けを行うべきであると提訴しました。

 

両者は、これらの意見の相違から、対立しています。

 

■ 今回のニュースで私たちが学ぶこと

「裁判には、勝者がいない!」ということです。

 

裁判が起こると、「裁判の勝ち負け」に焦点が当たりがちですが、【裁判になった時点で、両者が負けている】のです。

 

今回のケースで言えば、裁判でソフトバンクGの言い分が認められれば、「判決上」では、ソフトバンクGが勝者になります。一方、We Workの言い分が認められれば、「判決上」はWe Workが勝者になります。ところが、どちらが勝者になったとしても、【裁判というのは両者が負け】になります。

 

その理由は、「裁判には大変な時間とお金が投資されてしまう」からです。裁判を行うと、ソフトバンクGも、We Workも、大量のエネルギー(時間・お金)を消費せざるを得ません。たとえ判決で勝者になったとしても、裁判に関わる両者にとっては、マイナスでしかありません。

 

ですから、裁判は避けられるようであれば、なるべく避ける方が良いです。

 

今回は、ソフトバンクGが、争点となっている「We Workに、買付けを中止するに足る重要な支障があった」と認められて、裁判に勝つかもしれません。しかし、個人的には、ソフトバンクGにとっては、「一度制約した契約を忠実に履行することにより、不毛な裁判を避ける」ことの方が、今後の企業の持続的成長をする上で堅実的なのではと感じています。

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貴重な時間にて文章をお読みくださり感謝しています。
ありがとうございます。
それでは、また。

(代筆:忽那里美)

 

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