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【コロナ危機】「強い企業」と「弱い企業」の特徴

【コロナ危機】「強い企業」と「弱い企業」の特徴

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【コロナ危機】「強い企業」と「弱い企業」の特徴

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■ 危機に強い企業と弱い企業の特徴

 

今回は、「危機に強い企業と弱い企業の特徴」というテーマです。

 

まず、今回の状況における「危機」の定義から説明します。

 

今回の「危機」とは、【景気の後退局面が危機】ということになります。景気はお金の回り具合です。人がどんどん消費すると、人から人にお金が移ります。 Aさんから Bさんにお金が移り、BさんからCさんにお金が移り・・・というようにグルグルとお金が回っている状態を、「景気が良い」と言います。「好景気」です。

 

逆に、「不景気」は、お金が動きません。 Aさんは自分のお金を持ち続け、Bさんも自分のお金を持ち続けるので、お金は存在していますが移動をしない状態です。人体で言えば、「血液の循環が止まっているような状態」になるということです。

 

以上をまとめます。

好景気:人々の消費行動が活発で、お金の循環が進行

不景気:人々の消費行動が消極的で、お金の循環が停止

 

今回のテーマの「危機」は、「好景気」から「不景気」になっていく状態のことを言います。この局面になったときに、「強い企業」と「弱い企業」はどのような特徴があるのか? をこれから解説します。

 

■ 危機に「強い企業」の特徴

 

特徴①「本業が強い」

現在は、さまざまな企業があります。まず、本業の事業で収益を上げる企業があります。そのほか、これまでの企業形態と異なり、「 M&A 」で会社を買収し、さまざまな業種のグループ企業が増加して、その「連結売上が大きい」という企業もあります。さらに、事業を行わず、株だけを保有する「持ち株会社」もあります。このような中で、不測の危機に強い企業は、どのような形態であれ「本業」が強い企業です。例えば自動車会社だったら自動車を作るなど、もともとの本業が強い企業です。

 

特徴②「営業利益が多い」

危機に強い企業は、決算書の「営業利益」の数字を見れば分かります。多額の営業利益を数字として計上しています。

 

特徴③「利益剰余金が多い」

危機に強い企業は、前述の「営業利益」が年々溜まっていきます。それを「利益剰余金」と言います。その「利益剰余金」が溜まっていくと、「現預金」も増えていきます。「利益剰余金」が多いということは、その企業は現預金を持っていることになるので、危機的状態でもその現預金で乗り切ることができます。

 

さらに、金融機関からの「借り入れ融資」を受けやすくなります。その理由は、「利益剰余金が多い企業」は、金融機関から「不測の事態だから、売上が下がっているのですね? 今までは順調でしたね? それならば、ここを乗り切れば良いですね」と判断されるからです。この「利益剰余金」は、「金融機関の信用」に直結しています。

 

これらが、危機に強い企業の特徴です。

 

■ 危機に「弱い企業」の特徴

 

特徴①「本業が弱い」

たとえば、「M&A」 でグループ企業が増えて連結の売上は大きくなるけれども、そもそもの「本業」・「実業」が弱い企業は、危機に直面した時に事業を支えられなくなり、危険な状態になっていきます。

 

特徴②「営業利益が少ない」

危機に弱い企業は、決算書の「営業利益」の数字が少ないものです。もともと好景気でも、本業で利益が出ていない状態です。ですから、危機が訪れた時に乗り切るのは、非常に難しくなります。大きな危機が起きていない状況でも、終始、利益が出ずに余裕がないならば、危機が訪れた時に持ちこたえられません。

 

特徴③「利益剰余金が少ない」

「営業利益」が少ないということは、毎年積み上がっていく「利益剰余金」も少ない状態です。すると、持っている「現預金」も少ないと考えられます。ですから、危機的状態に、「現預金」だけで乗り切ることが難しくなります。さらには、金融機関から「平常時も利益が出ていないですね? ということは、危機だから危ない訳ではなく、そもそも余裕がなかったのですね?」と判断されて、借り入れが難しくなります。

 

危機に弱い企業は、「現預金」で乗り切ることができず、「借り入れ」も受けられないので、廃業したり、倒産したりする可能性もあります。

 

■ 今回のテーマで私たちが学ぶこと

 

今回のテーマを解説しながら、童話の「アリとキリギリス」の話を思い出しました。キリギリスは、普段は人生を謳歌し、楽しんでいました。しかし、その間も、働きアリは汗をかいて、次に来るかもしれない冬に備えて一生懸命に働いていました。冬を乗り切るための蓄えを作っていたのです。一方、夏(好景気)に遊んでいたキリギリスは、冬(不景気)が来て困窮し、アリに助けを求めますが、断られます。

「あなたは、何も問題がなかったときに備えをしていませんでした。自業自得ではありませんか。私たちは、冬が必ず来ることがわかっていたので、その冬に備えて、夏の間に汗水垂らして働いていたのです。」

 

まさに、この童話の内容を彷彿とさせます。平常時に、終始トントンの営業利益しか得ていない企業は、危機を乗り越えることができません。

 

誰も「危機」になることを望みませんが、必ず起きてしまいます。「ウイルスの危機」は、「2003年の中国のSARS」や「2009年の新型インフルエンザ」、そして今回の「2020年のコロナ」のように、必ず起こります。「経済的な危機」は、「阪神淡路大震災」「リーマンショック」や「東北大震災」など、誰しもが起きてほしくないことだとしても、起こってしまいます。

 

「危機が起きた時に耐えることができる強い企業なのか?」という判断は、「平時にどのような状態だったか」で見極められます。平時に、「売上」と「経費」の収支がトントンという状態では危険です。平時に「本業」をかなり強くして、「営業利益」を増やし、そして「利益剰余金」を積み上げておくことが大事です。

 

「利益剰余金」を積み上げておきさえすれば、危機的状況も「現預金」で乗り切れるかもしれません。また、金融機関からの「借り入れ」も受けやすくなります。そうすれば、景気が戻ったときに、再度、企業を持続的な成長局面に向けていくことができます。平時に「いつかは危機が訪れる」ということを忘れずに、できる限りの蓄えを上積みしておくことが大切です。

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貴重な時間にて文章をお読みくださり感謝しています。
ありがとうございます。
それでは、また。

(代筆:忽那里美)

 

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